その40
池田「前だっ!!前にやれっ!!」
畑「わかってる!!・・・シノっ!!」
篠崎「OK!!」
篠崎はサイドからキタ中陣営に向かった。中央の様子を見て篠崎はパスを考えてた。
吉田「時間がないっ!!急げっ!!」
篠崎「おいっ!頼むっ!!」
篠崎は吉田にパスをした。吉田はどうにかボールを前に出すタイミングを狙っていた。
吉田「よしっ!!リュウ!!」
ボールをもらった長野は、キタ中のゴールの斜め前から切り込んだ。
三國「打てっ!!打てるぞっ!!」
長野「よっしゃあーーっ!!」
長野は相手の隙をついてシュートを放った。しかしそのシュートは、キタ中ゴールの上段ポストに当たった。でもボールはエリア外には出ずに、グランド内の、ゴール前に落ちる状況であった。
三國・池田・吉田「拾えっ!!拾うんだっ!!」
キタ中の選手たち「クリアだっ!!クリアしろっ!!」
ここにいる誰もが見つめる中、ボールはキタ中の選手一人がヘディングして、センターサークルの方へと弾き飛ばした。そしてそこには別の喜多ヶ丘中の選手が待ち構えていた。
畑「あああっ!!マジぃっ!!」
篠崎「ヤベぇっ!!」
その喜多ヶ丘中の選手はノーマークの状態だった。なのでその選手はボールを受け止めて、攻撃しようと身体を反転させた。その時富田が猛ダッシュして、その選手の動きを止めるべく、選手の足元目がけてスライディングタックルを放った。
富田「ぬおおおっーーー!!!」
長野「おいっ!!気をつけろっ!!」
畑「やめろっ!!また反則になるって!!」
だがこのタックルが功を奏して、反則を取られる事なくキタ中選手から、ボールを放す事ができた。でもボールは誰のものでもなく単にグランドを転がっていた。富田とその選手は体勢を崩していて、そのボールを追う事ができなかった。
喜多ヶ丘中の選手「諦めるな!取れるぞ!」
そして喜多ヶ丘中の別の選手たちが、ボールを取ろうと向かっていた。これに志田原中は一歩出遅れてしまっていた。
池田「誰かぁ!!誰かボールをーーーーっ!!」
長野「頼むっ!!ボールをっ!!」
するとこの二人の視界に突然入って来て、猛ダッシュでボールに向かって行く誰かがいた。
大里「おおおおおおーーーっ!!!!」
大里は一人でボールに向かって走った。一歩出遅れてたにもかかわらず、またボールからの距離もあったが、なんと誰よりも早くボールを奪える状況であった。
篠崎「おおーーっ!!超早ぇじゃん!!」
吉田「さすが元陸上部!!」
見事に大里は誰よりも早く、そのボールに触る事ができた。けど大里はボールをこのまま維持しようとせずに、すぐさまボールを喜多ヶ丘中のゴールに向かって、思い切り蹴り上げた。ボールを取ろうと迫って来たキタ中の気配を察して。
畑「おいっ!!どこ蹴ってんだぁ!!」
とにかく慌てて蹴ったので、やはり目がけた位置がアバウトになった。