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37/50

その37

 5対0。とうとう後半でも1点を失ってしまった。高藤は立ち上がって、近づいて来た三國に謝った。その表情はただただ無念の泣き顔だった。


高藤「・・・ごめん、・・・ごめんなさい。・・・本当に、本当にもう・・・。」


 それを見て三國は優しく微笑んだ。


三國「・・・何で謝るんだよ。・・・良かったよ、よく止めたよ。・・・スゲェな。」


 それを聞いて高藤はびっくりした。


畑「・・・良くやった、マジでスゲェな。・・・ありがとうな。」


 周りを見ると三國の他に、仲間たちが何人か集まっていた。


和山「ああ。・・・お前の全て見せてもらったよ。」

吉田「ありゃ仕方がねぇ。本当ナイスプレーだ!」

大里「マジでよく止めたよ。泣く事ねぇぞ!」


 みんなの言葉を聞いて高藤は、涙を拭いて平常心を取り戻せた。


高藤「・・・ありがとう。・・・わかった。」


 遠くから池田の声が聞こえてきた。


池田「お~い!時間ねぇぞ!!」


 後半の残り時間が十分を切っていた。


畑「・・・ミク、オフェンス行ってくれ。」

三國「・・・そうか?・・・わかった。」


 三國がセンターサークルの所へ行くと、待っていた池田からこう言われた。


池田「・・・どうする?」

三國「・・・さて、・・・どうしようか?」


 逆に池田に聞き返した。池田も再び聞き返した。


池田「?・・・どうするんだよ?」

三國「・・・とうとう取られたからな。・・・さて、どうするかだ。」


 そう言った三國の様子が、マジで身体が疲労困憊しているのが池田にはわかった。


池田「・・・キツいのはわかってるけど、・・・どうするも何も、・・・本当に?」


 そう言われて三國はふと周りを見渡した。やはり志田原中の選手たちの表情や意気込み、モチベーションが更に落ちているのが見えた。その上矢西がレッドカードで退場になってしまったから、志田原中は十人で戦う羽目になっていた。


富田「おいっ!!何やってんだ!!早くしねぇと終わっちまうぞ!!もう終わりかぁ!!?」


 この富田の檄にも、誰も反応しなくなっていた。


三國「・・・参ったな。ノープランだ。・・・本当どうしたらいい?」

池田「ど、どうしたらいいって、・・・どうするよ?」


 サークル内で二人が不動の状態だったので、主審が始めるように促して来た時、二人の後方から大きな声が聞こえてきた。その声は高藤だった。


 


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