表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/50

その24

 この発言を聞いて畑が二人に詰め寄った。


畑「おいっ!勧誘禁止じゃなかったのか!?」

和山「誘ってない誘ってない!!」


 和山は慌てて否定した。三國は富田に言い放った。


三國「ちょっと!お前なんか誘った覚えないぞ!」

和山「そうそう!クラスメイトで仲良いけど、誘う訳ないじゃん!」

 

 和山も三國に続いて、富田の発言を否定した。でも富田はにっこり笑って、元気よく張り上げた。


富田「それでもサッカーは大好きなんで!一生懸命やります!自信はあります!

   よろしくお願いします!」


 それを聞いて三國と和山は、正直不穏な表情になった。周りの部員たちも呆れた感じになった。しかし岸はこう言って、この場の雰囲気を締めた。


岸「そういう訳だ!まぁ、いろいろとギクシャクする事もあるかも知らんが、とにかく仲良く、

  サッカーはチームワークが大切だからな!それに大会に臨むんだから、一層の団結力も

  必要になる!」


 そう言うと岸は、ふと新入部員を見て言った。


岸「わからない事があったら、隠さずに聞けよ!わからないままじゃ次に進めないからな!」


 そして今度は部員たちに向けて、岸はこう言った。


岸「新しく入ったからとはいえ、先輩後輩は関係ない!みんな仲間なんだから、お互いを

  理解し合うように!意識の共有も大事だからな!逆に質問もして、環境の違いとか効率とか、

  良い練習方法とかがあれば、それを尊重するかも知れない。だからみんなもポジティブに、

  前向きにやって行くぞ!いいな!?」

サッカー部員全員「はいっ!!」

岸「じゃあ早速練習だ!!」


 岸の号令でサッカー部の練習が始まった。



富田「・・・おい、どうした?」


 その声に反応して、長野はふと見上げた。そこには二十歳の富田がいた。


長野「・・・あ、ああ。」


 この時長野は我に返った。そして長野は立ち上がって、富田に通路を開けた。その席に座るや否や富田はこう問いかけた。


富田「・・・どうした?不思議そうな顔をして?」


 長野は富田の顔を見て、冷淡に答えた。


長野「・・・いや、別に。・・・そう言えば、・・・ミクと同じ高校だったよな?」

富田「・・・おう。・・・あ、そうだ、ミクはまだなのか?」


 聞かれて富田は辺りを見渡した。三國はまだ席を外していた。


長野「・・・よほど過去の思い出が嫌だったんだろうな。出会った奴が・・・。」

富田「・・・ん?どういう事だ?」

長野「同じ高校だったら知ってるだろ?ミクが部活を途中で辞めたって事。」


 それを聞いて富田は一瞬考えた。そして発言した。


富田「・・・まぁ、でもそんな、大した事じゃなかったはずだぜ。・・・あの頃お前も

   辞めたじゃん、サッカー部を。・・・そうだろ?」

長野「・・・ああ、そうだったな。」


 と長野はここでふと思い出した。


長野「・・・あ、そうか。その時にお前もいて、そしてつるむ様になったのか。」

富田「ん?何言ってんだ、お前?」


 長野がハッとした表情で言ったのに対して、富田は理解できない表情をしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ