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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
クラエン大森林
72/80

70話 チート

「じゃあ私からね!」

「はい」

「お願いします!」


 ロルエさんから加護を紹介することになった。


「私の加護は“幸厄(ラッキーアンラッキー)の加護”よ!」


 幸厄(ラッキーアンラッキー)? どういう事だろう、いい事も悪いこともあるということかな?


「いつもは良い事が起こる代わりに、その幸福の大きさに比例して悪いことが私の周りに降りかかる加護よ!」

『え?』

「この加護を制御出来ない時は苦労したわ! 家を燃やしたり、近くの山が噴火したり、危うく里を崩壊させるところだったり!」

「・・・・・・制御出来るようになったんですか・・・?」

「もちろんよ! しかも今は神様に強化してもらって、周りの人への被害はないわ!」

『おぉ!!』

「私の近くにいる時は安心しなさい!」

『はい!』


 という事はノーリスクで幸福が降り注ぐということなのか。地味だがめちゃくちゃ良いかもしれない。


「じゃあ次は自分ですね!」

「お願いします」

「自分の加護は“鬼虫獄(オニムシ)の加護”って言います!」


 鬼虫? オニムシ? なんだろうこっちの世界の昆虫の1種なのかな?


「いつもはこの虫を出せます!」


 とモクゴクさんが手を前に出すと、手の煙の中から『ブーン』という音を立てながら何かが出てくる。


 何かは宙を舞っている。

 恐らく虫なのだろうが、前の世界でも見た事がない。


 白くて長い体に、8枚の羽が生えていて、百足のように足がおぞましいほど付いているフォルムをしている。

 カッコイイような、怖いような見た目をしている。


「このシロオニムシ以外にも、アオ、アカそして成虫であるオニ出せます!」

「オニ・・・ですか?」

「はい! いつもは1匹しか出すことが出来ないものなんですが、今回はこの通り!」


 モクゴクさんの煙の体から、オニと呼ばれた虫の成虫であろう虫が無数に出てくる。


 先程のシロオニムシより3倍くらいの大きさをしている。

 ここまで大きいと本当にカッコよく見える!


「かっこいいですね!」


 と言うと、モクゴクさんに手をガシッと握られる。


「ありがとう! みんな怖い怖いって言うんだ・・・だからヒナタくんみたいにかっこいいと言って貰えると嬉しい! 現にほらあそこ」


 モクゴクさんが指を指した先にいるのは、いつの間にか木の影に隠れているロルエさん。


「だってその虫! その虫! 体に入ってくるでしょ!」

「・・・え?」

「大丈夫ですよ! 自分の制御下にありますから!」


 体に入ってくるのか、そう言われるといきなり怖くなってきたな。

 よく見ると牙がすごいし、キシャキシャ言ってる・・・本当に大丈夫・・・なのか?


「さて! 最後はヒナタくんよろしく!」

「はい! 自分の加護は“変態(ノーフェイス)の加護”です!」


 本当は猫神(にーる)の加護もあるが、今回は言わなくても大丈夫だろう。


「いつもはこんな感じで身体を変身させることが出来るんです」

「おお! 手が猫になった!」

「可愛い〜!」

「これは自分と同じ質量の物しか出来なかったんですが、今回は質量を超えるものでも変身出来るようになりました!」


 と近くの木と同じくらい大きな猫に姿を変えてみる。


「ナォ!」


 どうやら言葉を話すことが出来ないらしい。


『おぉ! でかい! 可愛い!』


 と賞賛の声が送られる! 当たり前だ! なんせ今僕は猫なんだから、しかもトンキニーズだ!

 猫の体って、凄いな。トンキニーズだからかな、凄く動きたい。

 なんか頭がぼーっとする。不味いかもと思いすぐに変身を解く。


「はい、こんな感じです」

「すごいね! 応用が利きそうな加護だね!」


 その後はモコとキキョウの紹介をして、みんなの加護の紹介を終えた。


「じゃあ早速作戦立てましょうよ!」


 とロルエさんが指揮を取り作戦を立てることになった。



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