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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
クラエン大森林
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69話 制限解除

 そういえば『着いたらニールに連絡を忘れずに! まだ大事な事があるからな!』とスーくんに言われていたのを思い出す。


「ニールちゃん着きました!」


 と声を出すと。


『にゃいにゃい! 無事に着いたみたいだにゃ〜』

「はい! で大事な事とはなんですか?」

『にゃ〜それはスーから説明してくれるにゃ』

『日向! どうやら着いたようだな!』


 とスーくんの声が脳内に響く。


「はい! それで話とはなんでしょう?」

『そうだそうだ! 簡単に言うと“今回に限り”我らの加護の制限を外しておいた』

「それはどういうことでしょうか?」

『まぁステータス確認をすれば分かる、もう一度言う“今回だけ”だ』

「分かりました、ありがとうございます!」

『それだけだ、では頑張れよ!』

「はい!」


 とここで会話が終わる。

 制限を外すとはどういう事だろうか? とりあえずステータスを確認してみよう。


「ステータス」

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 変態(ノーフェイス)の加護

 自分と同等の質量の物に姿·形を変えられる。魔力に補正がかかる。自分の好きなものに対する執着が変態レベルになる。

 本神権行使 «仮真加護解放»

 本神が許可している間、自分の質量を超えるものにも姿·形を変えることができる。あまりにも質量が多いと自我を保てなくなる。


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 これは・・・そういう事なのか? まさにチートじゃないのかこれ? 神様は人にチートを与えないと言っていたが確かにこんな事出来たらなんでも出来る気になってしまうかも。気をつけて使おう。


 その後は、動物たちと戯れながら3人目を待ち続けること30分。


 そして動物たちと遊んでいて一つ気づいたことがある。

 ここにいる動物たちは多分知能が高い、熊などの身体が大きな動物は他の動物が傷つかないように気遣っているように見えたし、近くの花を咥えて渡してくれる鷲のような鳥もいた。

 この子達を守ってあげたいという気持ちがより一層強くなった。


「おーい!」


 すると森の中から声が聞こえた。

 よく見ると森の影に人が走って来るのが見えた。


「あの人がさっき言ってた人」


 あの人がロルエさんの言ってた人か。

 徐々に日の下へと姿を現した3人目の人は、真っ黒で影が形を象ったような、黒い煙が服を着ているような見た目をしていた。


 その人が目の前来る。ゆらゆらと揺れる煙の顔と体。


「お! あなたも神託者ですか?」

「はい! 人間族の日向と言います! こっちの猫はモコとキキョウです!」

「にゃん」「みゃ」

「おぉ! 可愛い! いい事です! 」


 とさらに黒い煙が激しく揺れる。


「自分は黒モクモク族のモクゴクと申します! 今回はよろしくお願いします!」

「モクゴクさんよろしくお願いします!」


 なんかすごい丁寧な人だな、しかも黒モクモク族って言うんだ、初めて聞いたな。


「じゃあ早速自分が見てきた森の形状を話します!」

「はい!」

「分かったわ」


「自分が見てきた感じ、森の形状としては暗いところが多く、死角も多い、罠を仕掛けるには最適。しかも木々があちこちに生えていて、足場も悪い(ゆえ)神託で見た長物を使う帝国の人は戦闘しにくいと、守りやすい要素は揃ってました!」

「ならよかったじゃない! 守りやすいなら3人でも行けそうね」

「そうですね」

「ただ・・・問題が一つありまして」

「問題? 」

「神託で見た帝国の人たちの中に巨人族が1人いた事です」


 巨人族? 僕は気づかなかったがいたのだろうか、火と動物たちに気を取られて全然分からなかった。


「? 結局それの何が問題なのよ?」

「自分は過去に巨人族と戦闘になった事があるのですが、巨人族相手だと絶対に勝てません、罠も意味を成しません、あの巨体の前では3人じゃ足りません」

「何それ? それじゃあ、どうしようもないってこと!?」

「いえ、そういう訳ではないですから、落ち着いてください」

「じゃあどうすんのよ!」


 とロルエさんがモクゴクさんを問い詰めて頭の煙を掴む。あれって掴めるんだ・・・ちょっと触ってみたいかも。


「や〜め〜て〜く〜だ〜さ〜い〜」

「早く言いなさいよ!」

「いたたた! 皆さん! 神様から加護を強化して貰ってますよね?」

「あ」


 ロルエさんのマヌケな声が漏れると同時に掴んでいた手を離す。


「ふぅ、普通にやっていたら守れなかったかもしれないですが、今回だけは違います」

「私は今言おうとしてたけどね! ふん!」


 ロルエさんは顔を真っ赤に染めて、恥ずかしそうにそっぽを向いている。意外と感情的になる人なのかも。


「そこで! 皆さんの加護の内容を共有しませんか?」

「分かったわ!」

「僕も大丈夫です」

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