表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
1章 異世界で初めての街
7/80

7話 カール商会

「にゃ〜お〜ん」


 目が覚めると、目の前が真っ暗だ。しかしとてもフカフカいい匂いもする。

 モコが顔に乗っていた。


 モコを顔から下ろしテントから出ると、他の人は既に起きていたらしく、朝ごはんの準備を始めていた。


「おはようございます」

「ヒナタさん、おはようございます。よく眠れましたか?」


 とカールさんが気遣いをしてくれた。


「はい! よく眠れました、アイちゃんもおはよう」

「お、おはようございます、、、」


 たどたどしくも丁寧にお辞儀まで加えて挨拶してくれるアイちゃん。とてもいい子だ。


「モコ行っておいで」

「にゃん」


 モコがアイちゃんの近くに行くと、アイちゃんは分かりやすく喜ぶ。

 うんうん! やはり猫は世界を幸せにするな!


 そこから朝ごはんを済ませて、僕も馬車に乗せてもらえることになった。


 馬車に乗ってから街に着くまで皆さんと話すことになった。


「ヒナタさんはなんで旅をしているんですか?」


 とカールさんから質問があった。


「ちっちゃい頃から世界を見て回りたいと言うのが理由ですね、あと美味しい物も食べたいです」


「それはそれは、ではタナシバの街の名物料理をご馳走しますよ!」


 カールさんが陽気に答える。

 さすが商人と言うべきか距離の詰め方がすごい。


「タナシバの名物ってなんですか? 紡績の街と聞いていたのですが?」


 紡績の街とサフィちゃんから聞いていたから、純粋な疑問だ。


「確かにタナシバの街は紡績(ぼうせき)の街ですが、なんと食べられる綿があるんですよ! それが大層人気のようで色々なところから食べに来る人が殺到するらしいですよ!」


 食べられる綿、元の世界でも絹は食べられるらしいが、綿が食べられるのか! ちょっと楽しみだ!


「そういえばヒナタさんもアイテムボックスを使えるのですか?」

「それ俺達も思った!」


 カールさんから続けて質問が来る、冒険者のサインからも声が上がる。

 どうやら旅をするには荷物が少ないから不思議に思ったらしい。確かに盲点だった。

 ヒナタさんもって事はカールさんは持ってるのか?


「アイテムボックスとはなんですか?」

「ヒナタさんはアイテムボックスを使っていらっしゃらないんですね。てっきり使っているのかと思っていました。」


 どうやらアイテムボックスは珍しいものではなく、商人をやっている人はアイテムボックスを使える人が多いらしい。

 そしてアイテムボックスは一定以上の魔力と素質があれば誰にでも使えるらしい。


「これも何かの縁です、私が教えてあげましょう!」

「ほんとですか!」

「まぁ、使えるようになるとは限りませんが、やるだけ、挑戦するだけタダです。」


 なんとも商人らしい考えだ、こちらとしてもとてもありがたい。


 ここからは街に着くまでにアイテムボックスの練習をした。

 結論 使えるようになった! だが容量は魔力の総量に比例するらしい。使ってみないとどのくらいか分からないが。


 そんなことをしている間に街に着いた、空を見上げると夕方を過ぎた頃だった。


 街の外周をデカい砦がそびえ立っている、門の前には見張りが3人、想像通りの異世界だ!


「身分証の提示をお願いします」


 鎧を着込んだ見張りの人がそういうとガリスさん達、カールさん達がカードを出す。

 多分あれは冒険者ギルド的なやつで発行されるカードだろう。

 と考えると共に冷や汗をかいてきた、どうしようと考えていると。

 カールさんが


「こちらの方はヒナタさん、田舎から出てきて旅をしているらしい、そしてこっちの猫はヒナタさんの従魔だ」


 とこちらにウインクしながら見張りの人に話を通していた。

 正直すごい助かった、だがウインクは要らない。


 その後はすんなりタナシバの街に入ることが出来た。


 街の中はすごい活気に満ちていた、どこを見ても人がいる。

 その中に僕は見つけてしまった・・・人型の猫を・・・恐らくあれは・・・ベンガル! かっこよさと可愛さの両立だ!


「にゃん! にゃん!」


 モコが何か怒っているように足を引っ掻いてきた。その後アイちゃんの所に行った。拗ねるモコも可愛いなぁ。


「ヒナタさんはこれからどうする予定ですか?」


 カールさんが聞いてくる。


 正直そんなに考えていなかった。

 悩んだ素振りを見せるとカールさんがまた口を開いた。


「予定がないのでしたら、カール商会を寄ってみるのはどうでしょう?」


 話を聞くとカール商会とは相当大きい商会らしく、色々なものを取り扱っているらしい。


「衣服は取り扱っていますか?」

「もちろん! そのためにここに店舗をオープンしたのですから! 衣服は人間用だけでなく獣人用、竜人用も取り揃えております。もちろん“従魔用”もあります。」


 従魔用だと! このおじさん! 俺の事を既に理解している!?

 まぁふざけるのはここまでとして


 カール商会は様々なところに店舗を持ち、その場所の名産の物を主軸に売っているらしい。他にも日用品なども売っていて、困ったらカール商会に行けば大体のものは揃うらしい。


 もしかしてすごい人と知り合ったのかもしれない。


「ならカール商会に行きたいと思います!」

「そうですか! じゃあ早速行きましょう!」


 そういうとカールさんはガリスさん達に何かを話して紙に署名? のようなものをした。


「じゃあ、俺たちはここで」


 ガリスさん達がそう言う、どうやら街に着いたのでクエスト完了?らしい


「はい! 夜の見張りなどありがとうございました!」

「あーヒナタさん、これ魔石!ほら!」


 と何かを詰めた袋を渡してきた。魔石が中に入っているらしい。


「渡すの忘れてた! すまん!」


 どうやらオオカミを解体した時に回収した魔石だろう。こちらも忘れていた。


「すいません、ありがとうございます」


 その後ガリスさん達と別れたあとはカールさんが魔石について説明をしてくれた。


 魔石はこの世界では色々なもの活用されていて、昨日のオオカミは“マッドウルフ”と言うらしく、魔石は武器加工に使われるらしい。


 そんな話をしているとカール商会が見えてきた。


 周りの店も立派な建物が多い中、カール商会の建物は圧倒的だった。


 先程の見た、街の外壁よりも高いんじゃないかと錯覚するような大きさの白い壁に、こちらの文字だろうか、すごいオシャレな文字の看板が付いてある。


 改めて大変な人と縁を結んだかもしれない・・・


「さぁ! ヒナタさん! ここがカール商会です! どうぞ中へ!」




ブックマーク、評価お願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ