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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
クラエン大森林
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66話 ガンダロス帝国

 僕はそのままリュジンさんに全てを話した。勿論ニールちゃん達の事は隠して、夢で見た事にしたけど、リュジンさんは


「それは“迷い言葉”かもしれないね」

「迷い言葉?」

「うん、神様たちがどこかで喋った事が夢の中でたまたま聞こえたりすることさ!」


 この世界にはそんな言葉があるのか。それにしてもリュジンさんは信じてくれたのだろうか?


「それで信じてくれますか・・・?」

「それはもちろん! 君の顔を見れば分かるさ! それにガンダロス帝国は最近きな臭い話があるからね」

「きな臭い話・・・ですか」

「あぁ、それについてはあまり詳しくは言えないけど、あの国の人が森に立ち入っている話は聞いてるよ」

「立ち入ってる?」


 森に立ち入っているだけなら、問題は無さそうな気がしないでもないが、あの映像を見たあとだと問題大ありだ。


「立ち入るのも本来はダメなんだよ、これは108国会議で決められたものなんだ」

「はぁ」


 でもなんで立ち入るのもダメなんだ? なんか危ない生物とかいるのかな?


「とりあえず分かった! ヒナタくんは先に行っててくれ、私は私でやれることをやってみるよ」

「ありがとうございます!」


 こんな突拍子もない話を信じてくれて、しかも力まで貸してくれるなんて、本当にありがたい。


「ほらほら! 早く行きなさい、手遅れになる前に」

「分かりました! 本当にありがとうございます!」

「にゃ!」「みゃん」

「うんうん、やっぱりそのくらい元気じゃないとね!」


 リュジンさんの部屋を出て外へ出ると


「お兄ちゃん! 遊ぼ! 遊ぼ!」


 とマリーちゃんが抱きついてくる。


「ごめんねマリーちゃん、この後ちょっと用事が出来てね、行かないといけないんだ」

「・・・そっかぁ、じゃあまた今度遊んでくれる!?」

「もちろん、また遊ぼうね」

「わかった! 我慢する!」


 マリーちゃんはそのまま、カイナさんのところへ走り去っていく。カイナさんはこちらへ手を振ってくれたので振り返して挨拶をした。


 マリンさんにも挨拶をして起きたかったが、どこにも姿を見なかった。


 僕たちはそのまま別邸を出て、王都を出るために門へ向かった。

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 ※リュジン視点です


 ヒナタくんが必死な顔をして、部屋に入ってきた。旅を再開するから挨拶に来たのだろうと思ったのだが、明らかに様子がおかしかった。ヒナタくん自身は笑顔のつもりだった様だが、わかり易すぎるくらい貼り付けた笑顔だ。


 話を聞いてみると、どうやらクラエン大森林の動物たちが危ない状況らしい。それを夢で見たそうだ。恐らく迷い言葉だろう。


 でもよりによってクラエン大森林か・・・最近調査をしているという名目でガンダロス帝国が出入りしてる話をロルドから聞いたな。


 その後はヒナタくんが部屋を出ていったあと


「マリン、出ておいで」

「はい、リュジン様」


 壁に隠れているマリンを呼び出す。


「ヒナタくんの話は本当かい?」

「はい、ほとんどが本当の事ですが・・・」


 マリンが何かを言い渋る様子でこちらを見る。


「どうしたの?」

「はい、ほとんど本当なのですが、恐らくあの話は夢ではない様子です」

「・・・と言うと?」

「恐らく迷い言葉では無く、神達からの直接の神託かと思われます」

「はぁ、なるほどね・・・焦るわけだ・・・」


 迷い言葉ではなく神託、つまり何もしなかったら未来で起こる事だろう。


「どうしますか?」

「とりあえず陛下とロルドへ連絡を」

「かしこまりました、では失礼します」


 マリンは部屋から出ていく。


 それにしても神託とはね。

 ヒナタくんは神達と密接な関係を持っているのか・・・生まれも育ちも聞いても何も教えてくれない。

 そしてこの国・・・いや世界についても知らない事が多い、世間知らずにも程がある気がする。


 ヒナタくんはもしかしたら・・・・・・いや今は先に対処するべきことがある。

 力を貸すと言った以上、精一杯の努力を今はしよう。


 そしてヒナタくんを養子に迎え入れる!

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