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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
リュクシルン国 王都
56/80

55話 皇玉の味

 私たちが皇玉の光景に見とれていると、王様とシヴァン様にスポットライトが当たる。


「此の度は、我が息子シヴァンのために集まってくれて、ありがとう。

 そしてこの国の繁栄を“神”に祈って乾杯をしよう。シヴァン」

「はい、父上」


 シヴァン様が両手を前に出すと、皇玉が小さな小さな球体と分裂すると、会場のみんなの目の前にゆっくりと降りてきた。


 小さな球体となった皇玉は、目の前でぷかぷかと宙に浮いている。


「みなに行き届いたな、ではシヴァン、掛け声を頼むぞ」

「はい、父上」


「全ての“神”に感謝の祈りを込めて、乾杯」


『乾杯』


 会場のみんなは皇玉を手に取り、口の中へ運んでいる。

 私たちも周りの人に合わせて、皇玉を手に取り口へ運ぶ。


 皇玉は口の中に入ると、リンゴ、オレンジ、栗、イチジクなど様々なフルーツジュースを飲んでいるような味がして美味しいのだが、たま〜に渋みが口に広がる。

 これがみんなの魔力の味なのかな?


 皇玉を飲み終わる? と胸元が(かす)かに光り輝く。

 周りを見ても、みんな胸元が光り輝いている。


 モコとキキョウも、胸元が光り輝いているが、それよりも目がいつもより輝いている気がする。照明が消えているおかげでとても綺麗な目が強調されている。


 と胸元の光は五分間くらい続いたが徐々に消えていってしまった。


 するとパッと会場の照明がつく。


『それでは会場の皆様、本日はシヴァン様のパーティにご参加いただき、ありがとうございました。』


 とマイクで喋ったような声が再び聞こえ、みんなが最初に入ってきた扉から帰っていくのが見える。

 女子会に参加していた人たちも帰っていく。


 私たちも帰るのかな? とリュジンさんの方を見ると、リュジンさんはニコニコしながら、こちらへ寄ってくる。


「ヒナタちゃん、もしかしてもう帰るつもりかい?」

「え? だって皆さん帰って・・・」

「あら! ヒナタさんもう帰るの!?」

「え?」


 と王妃様も会話に入ってくる。


「ヒナタちゃん、これから私たちはシヴァン様の二次誕生日会をやるんだよ?」


 とリュジンさんが当たり前みたいな感じで言ってくる。

 そして二次誕生日会? なんだその大人が好きそうな二次会みたいなノリは。


 ちなみに、リリン様にも袖をちょこんと掴まれている。


「ほら、リリン様もご使命だよ」

「・・・・・・こくん・・・」


 まぁ帰ると言っても、帰り道が分からないから参加するしかない。


「じゃあ行こっか! 陛下とシヴァン様が既に部屋でお待ちだよ」


 と王様のいる部屋へとリュジンさんの後ろを付いていく。


 リリン様に袖を引っ張られたままリュジンさんに付いていく途中で


「私もお姉ちゃんと手繋ぎたい!」


 とマリーちゃんが駄々をこねたので、今は両手に花状態である。

 モコとキキョウは、私の前をふたり並んで歩いてくれている。歩く度にしっぽが左右にフリフリするのが可愛いなぁ。


「ヒナタちゃんはモテモテだね」

「そうですよ〜リュジンさんよりモテモテです!」

「ふふ、言うようになったね〜君も」


 ちょっと意地悪を言ったつもりだったのだが、リュジンさんは笑いながら、楽しそうに話してくれる。


 そうしているうちに、大きな長テーブルがある部屋に着いた。

 長テーブルには、先に王様とシヴァン様が座っていた。


 シヴァン様は何かを驚いたかのように、目を見開いてこちらを見てきた。



猫の目が暗いところで光っているのは、タペタムという網膜の奥にある反射板が光を反射させているからだそうです(*ΦωΦ*)

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