5話 モコの加護
光が視界を埋めつくし、次に目を開けた時にはもう僕が見た事ない景色があった。
視界一面に広がる緑に、湖の水色、遠くには街も見える。
さらに遠くの山は噴火している・・・
「噴火してるー!!」
「にゃー!!」
けれど噴火しているものは溶岩のようなものではなく、青色の液状のものが流れていた。
そしてここが異世界だということを気付かされた。
「にゃおん?」
モコが足元に寄り添いスリスリしてくる。
そしていつの間にか僕の肩にかかっているカバンに気がついた。
中を覗くと手紙、本、何か重たい袋、首輪、ケースに入ったカラコンが入っていた。
手紙にはこう書いていた。
『にゃっほ〜神様たちのアイドル! ニールちゃんだよ〜。
無事にレオテイスに着いたかな?
君に伝える事を何個か忘れてたにゃ〜!
1つ目! 都市に送れなくてごめんにゃ〜、都市に送ると周りが大慌てするにゃん、だから送れなかったにゃん。
2つ目! この世界には君たちの言うステータスの様なものがあるにゃ! 頭の中で“ステータス”と唱えれば見えるにゃんから、よろしくにゃ!
3つ目! カバンの中に本と袋が入ってたと思うにゃんけど、こっちの世界のお金と、サバイバルブックのようなものだにゃん!
お金は銅貨と銀貨と金貨と黒金貨があるにゃ〜
銅貨は百円、銀貨は千円、金貨は1万円、黒金貨は百万円だと思えばいいにゃ〜
サバイバルブックは、火の起こし方、食べれるキノコなんかが書いてあるにゃん、後ろのページに地図も付いてるにゃんから活用するにゃんよ〜
4つ目! こっちもカバンに入ってたと思うにゃんけど、首輪をモコちゃんに付けといた方がいいにゃんよ〜その首輪には飼い主に居場所がわかる便利機能が付いてるにゃん、あと首輪の大きさも自在になるようになってるにゃん!
5つ目! これもカバンに入ってた物にゃんけど、カラコンを付けると猫ちゃんが食べてもいいものが判別できるようににゃるにゃ! ちなみに色はモコちゃんと同じの薄緑色にしておいたにゃん!
そして最後!!
君の行く末に幸多からんことを。』
いつも通りの語尾がにゃん、そしてこちらの幸せを考えていることが分かる。特にカラコンがありがたい。
本当にいい女神様だ。
そして早速カラコン付けてみる、視界が変わることなくなんなら鮮明に見えるようになった。
そしてモコちゃんにもしっかり首輪を付ける。
「にゃん〜」
可愛い。見た感じ苦しそうな感じはなくご機嫌だ。
そしてお楽しみのステータスの時間だ!どんな感じになってるんだろう。
『ステータス』
名前 楠木 日向
年齢 17歳
職業 猫愛好家
体力 150
筋力 105
魔力 600
スキル 猫撫で 猫吸い 猫パンチ
猫撫で
猫を撫でるのが上手い。猫をなだめる効果がある。
猫吸い
猫の匂いを吸うことで体力が回復した気がするだろう。猫の悪い所などを吸い取ってあげられるかも・・・
猫パンチ
手が猫の手になり、猫パンチを放つ、まぁ痛くはないだろう。
加護 変態の加護 猫神の加護
変態の加護
自分と同等の質量の物に姿·形を変えられる。魔力に補正がかかる。自分の好きなものに対する執着が変態レベルになる。
猫神の加護
猫に属する種族からの好感が著しく上がる。
真名解放『ニール』
ニールちゃんといつでも会話出来るにゃんよ〜ただこっちが忙しい時はダメにゃん!
装備品
猫カラコン
カバン
カバンの中身
手紙
何かが入っていたケース
サバイバルブック
お金が入った袋 銅貨20枚 金貨30枚
従魔
名前 モコ
ステータス
名前 モコ
年齢 不明
体力 50
筋力 15
魔力 1500
スキル 咆哮 手舐め スリスリ 猫パンチ
咆哮
すごく可愛い鳴き声が出せる。相手を魅了することが出来る。
手舐め
相手の手を舐めるのがすごく上手い。相手を魅了することが出来る。
スリスリ
相手を魅了することが出来る。
猫パンチ
爪を出せばちょっと痛い。基本的には可愛い。
加護 大虎の加護
巨大な虎に変身することが出来る。変身後、ステータスに補正がかかる。魔力に補正がかかる。
加護使用後ステータス
体力 4500
筋力 6000
魔力 2000
スキル 咆哮 気配消し 猫神の裁き
咆哮
咆哮を聞いた者に恐怖による金縛りを引き起こす。
気配消し
気配を完全に消すことが出来る。
猫神の裁き
巨大な猫の手が天から裁きを下すだろう。月に1回使用可。
――――――――――――――――――――――――
なるほど見えるというよりは頭の中に浮かぶ感じだ。
そして!
ニールちゃんナイス!! これはいい加護を貰った!
変態はもちろんだけど猫神の加護は最強だ! ありがとうございます!
後は概ね予想通りだがこのスキルはなんだ・・・
恐らく神から与えられたのが加護で、特殊技能的なものがスキルになるのだと思う・・・
猫撫でや猫吸いは良いスキルだと思うけど!
なに猫パンチって・・・まぁ痛くはないだろうってなに!!
そしてモコが何故か凶悪になった気がする・・・
まぁいいだろう概ね予想通りだ。
しかしモコの加護についてしっかりと知っておかないといけない。とりあえず
「モコ〜ちょっと変身してもらってもいい?」
「にゃおん!」
モコは可愛い鳴き声で鳴くと、おでこにある太陽の印が光る。やがてモコの身体が光に包まれると光の中から体長5mはあるであろう巨大な虎が現れた。
「ガウ! ガウガウ!」
モコは多分先程と同じように鳴いたのであろうが全然違う・・・
かっこいい!! すごくかっこいい! 可愛くてかっこいいとかうちの猫最強じゃない!?
「モコ! モコ! 肉球嗅がせてくれ!」
「ガウ!」
そういうとモコは僕の顔を覆い尽くすように大きな肉球を、ぷにゅっと僕の顔に付ける
あ〜この香ばしい匂い。そしてこの感触、大きさ。
これが加護の力か・・・
ほんと! 異世界最高!!
面白いと思ったらブックマーク、評価をよろしくお願いします!ฅ•ω•ฅ