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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
リュクシルン国 王都
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46話 宿決め

 王都に着いたのはいいけど、まずは宿を決めないとな。


「モコ、キキョウ行くよ〜」

「にゃ」「みゃ」


 とは言ったものの、どこの宿がいいんだろう?

 リュジンさんとかに聞いておけば良かったな。

 とりあえず宿っぽい名前のところに総当りで入っていくしかないか〜


『ニジカラスの巣』最初はここに入ってみよう。


 中に入ると、なんか虹色のカラス? が飛んでいる。

 モコとキキョウが何か獲物を狙い目をしているがダメだぞ〜


 受付のところには10歳くらいの少年が、席に座っていた。


「すみません、宿泊したいんですけど、大丈夫ですか?」

「ごめんなさい、お兄さん、もう部屋がいっぱいいっぱいなんです」

「そうですか・・・じゃあどこか空いてる場所知らないですか?」


 少年は何秒か悩んだ素振りをして、答えてくれる。


「多分今は、シヴァン祭の影響でほとんど空いてないと思います」


 王子様の祭りはシヴァン祭って言うのか、なんでシヴァンなんだろ? 王子の名前かな?


「そうですか、ありがとうございます」

「いえいえ、お力になれずすみません」


 ・・・これからどうしようかな〜

 とりあえず回ってみよう!


「モコ! キキョウ! 宿探すぞ〜!」

「にゃ〜!」「み、みゃ〜///」


 モコは右の肉球を上に上げてくれる、キキョウも恥ずかしがりながら肉球を上げてくれる、ふたりとも可愛いなぁ〜


 その後は宿を何個か見つけては、聞いてみたが全滅。

 しかし一つだけ見つけることが出来た。


 それが『ムンフェスの口内』という宿屋さん。

 中は普通の宿というイメージだが、どこからか甘い匂いがする。なんかどこかで嗅いだことのある匂いだ。

 受付には、眠そうな顔の怖いおじさんが座っていた。


「すみません、宿泊したいんですけど空いてますか?」

「あ〜? あぁ、大丈夫だ、何泊する?」

「とりあえず1週間程お願いします」

「じゃあ金貨3枚と銀貨6枚だ」

「はい、これでお願いします」

「あいよ、部屋は二階上がって突き当たりの部屋だ、あと飯の時には鐘が鳴るからそん時に降りてこい」

「ありがとうございます」


 と鍵を渡してくれる、意外と丁寧に説明してくれるいい人だ。


 言われた通りに部屋へ行くと、結構広かった。

 それにベッドもモコとキキョウと一緒に寝ても、あまりあるくらい広い。

 しかも窓から王城が見える、もしかしたらとてもいい宿を見つけたかもしれない。


 とりあえずまだ時間があるので、街を散策する事にした。


 街を散策するために宿から出ようとすると


「おう、街に出るなら気をつけろよ、祭りの前でちょっと慌ただしくなってるからよ」

「あ、ありがとうございます、じゃあ行ってきます」

「にゃ」「みゃ」

「おう、行ってこい」


 やっぱりいい人だなこの人。


 街に出て周りを見渡すと、やはり西洋の街並みの雰囲気がする。


 赤の屋根に、青の屋根、黄緑の壁に、白の壁、様々な色が入り乱れているのに、変に一つだけ目立つ感じがしない、むしろ統一感まで感じてくる。建物の形かな? それとも材質?

 見てるだけでちょっと楽しい気持ちになる、そんな街並みだ。


 そのまま街を散策していると、色々なお店があった。


 例えば『ブルブリ専門店』と書いてあるお店。

 中に入ると、枕を売っていた。

 枕を触ってみると、プルプルの感触なのだが、しっとりと手を包んでもくれる。ひんやりと気持ちの良い枕だった。思わず買ってしまった。今日の夜使ってみよう。


 他にも『マー婆の錬金所』という名の怪しい雰囲気のお店。

 売っているものは、薬品? が入った瓶。下には効果が書いてある。解毒剤だけでも数種類ある。普通の頭痛薬みたいなものも売っている。


 本当に様々な店が出ている。

 そんな感じに街を散策していると、すぐに夜になった。

 街も日が暮れると同時に街に光が灯る。僕たちも宿へ帰る。

 宿に着くとおじさんがお出迎えをしてくれた。


「おう、飯できてるぞ」

「は、はい」

「猫どももな」

「にゃ!」「みゃん」


 席に着くと、僕たちの他にも数人が席に着いている。

 モコとキキョウと待っているとすぐに食事が運ばれてきた。


「お待たせしました!」

「あれ? おじさんじゃない?」


 運んできてくれたのは、茶髪の少女だった。


「はい! そのおじさんは私の父です!」


 おじさんとは全然顔が似てない、おじさんも顔は怖いがイケおじの部類だ、しかしこの子はかわいい系? 奥さんに似たのかな?


「あ! 今似てないって思ったでしょ! お父さんに言っちゃおー!」

「え!? いや、ちょっと」

「冗談です! お父さんの顔のせいでお客さんが少ないんです! ささ! 冷めないうちにどうぞ!」

「ありがとう」

「猫ちゃんもどーぞ!」

「にゃ」「みゃん」


 食事はトマトで煮たロールキャベツのようなものが運ばれてきた。

 食べてみても味はロールキャベツで肉の旨味がとても強いのだが、トマトのおかげでさっぱりしていて美味しかった。


 モコとキキョウには、小さいリンゴのような物と魚の刺身が運ばれてきた、一応猫カラコンで食べられるかを確認したので大丈夫。


 食事を終え、ちょっとゆっくりしてから部屋へ戻る。

 部屋に戻り、身体をタオルと水魔法で洗う。


 ふと窓の外を見ると、窓からは月に照らされる城が見える。なんか幻想的。


 少しの間、城を眺め、眠たくなったのでベッドに入る。

 昼間に買った枕を出して頭を乗せてみると、ひんやりとしていて気持ちいい。気づいた時にはそのまま寝てしまっていた。







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