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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
リュクシルン国 王都
46/80

45話 到着

 リュジンさんに質問責めをされながら、日が暮れてきた。


「そろそろ、ここら辺で野宿しますか」


 アロンさんが野宿の場所を決める。

 そのまま騎士の人達はテキパキと、テントの設営をしている。

 出来上がったテントは、それは大きいサイズのテントだった。形は長方形でちょっとしたコンビニくらいある。


 今回の夕食は、僕の持っているお肉を使ってもらった。お昼はご馳走してもらったしね。


 マリンさんがお肉をステーキにして、焼き上げてくれる。

 ステーキの焼き方も僕が焼いた時より、全くの別物になっていた。より柔らかく肉汁がしっかり閉じ込められている。焼き方のコツを聞いてみると、やはり慣れだそう。慣れって難しい。


「じゃあヒナタくん、私たちはここで失礼するよ」


 とリュジンさんたちはテントの中へ入っていく。


「ヒナタさん、夜の警備は任せて安心して寝てくれ」


 アロンさんたちが夜の警備をしてくれるらしい。

 僕たちは今まで警備をした事がない。魔物避けの水をテントの周りにかけるだけだった。

 多分、盗賊たちの見張りも兼ねているのだろう。


「じゃあお先に失礼します」

「にゃ」「みゃあ」

「おやすみヒナタさん」

「おやすみ〜ヒナタくん」

「ヒナタ殿、おやすみなさい」


 僕たちはテントに入りそのまま眠りについた。


 朝になり、モコとキキョウにおはようをしてから、テントから出ると、騎士たち3人とリュジンさんがもう起きていた。


「おはようございます」

「にゃあ」「みゃん」

「おはようヒナタくん、よく眠れたかい?」

「はい! おかげさまでぐっすり」

「それは良かった」


 騎士さんたちは、これから進む道の確認をしているようだ。問題がなければ良いが。


「おはよう! お兄ちゃん! モコちゃん! キキョウちゃん!」

「おはようございます、ヒナタさん」


 と後ろから声をかけられる、恐らくマリーちゃんとカイナさんだろう。


「おはようございます、カイナさん、マリンちゃん」

「にゃん!」「みゃ」


 その後は朝食をみんなで取り、早速出発する。


 出発したのはいいのだがマリーちゃんが暇を持て余しているらしく


「ヒナタくんなんかない?」


 とリュジンさんが馬車の窓から無茶振りをしてくる。

 何かない? って言われてもな〜なんかあるかな?


「じゃあ娘に魔法を見せてやってくれないか?」


 リュジンさんが提案をしてくる。

 確かに魔法なら多少出来るかな? 水魔法も結構上手になってきたしね。操水の指輪のおかげでもあるけど。


「お兄ちゃん魔法使えるの!?」

「うん! じゃあちょっとやってみるね?」

「うん!」


 期待の眼差しを向けられたので、勢いでOKしてしまった。

 でも何をしようかな? 火魔法は危ないからダメとして、水魔法で危なくないもの・・・あ〜あれにしよう!


 水魔法で魚を作り出し、マリーちゃんの馬車の周りに魚を泳がせる。水に太陽の光が透けて、すごく綺麗な景色になっている。


「すごい! すごい! お兄ちゃん綺麗だね!」

「綺麗だね〜」


 やっぱり子供は無邪気なくらいが丁度いいね。

 リュジンさん達も「ほぉすごいな」「綺麗ね〜」などと言っている。気に入ってもらえて良かった。


 そのまま旅は順調に進む。

 途中キキョウが癖になっているのか、動物を口に咥えていて、みんな驚いていたが、それ以外は問題がなかった。


 そして王都が見えてくるが、壁の大きさもほかの街とは全然違う。

 しかもここからでも見えるあのお城! もう大きいとかのレベルでは無い!


 そのまま王都にたどり着いた、王都の壁は首を上に向けても見えない。大きいなぁ。

 門も他の街と比べて大きい物になっている。

 門番の数も10人はいる。


 盗賊を門番の人に受け渡しをする。

 どうやらこの人達の被害は結構大きかったらしく、門番の人から感謝された。


「では身分証の提示をお願いします」

「はい」


 門番の1人に冒険者カードを見せる。


「はい、確かに、ではこのままお通りください」

「ありがとうございます」


 リュジンさんたちは、先に顔パスで入っていった。


 王都の中に入ると、まだ祭りは始まっていないはずなのに、すごく盛り上がっている。あちこちで紙吹雪が舞っている。

 街並みもすごく西洋風でファンタジーを感じる。なんか興奮してきた。


「じゃあヒナタくん、ここでお別れだね!」

「あ、はい、そうですね」


 街に見とれていると、リュジンさんから話しかけられた。


「もし良かったら、これを持って、明日の朝にここに来てくれないかな?」

「これは?」

「私たちの別邸の地図と門を通るのに必要なカードだよ」


 なんでそんなものをくれるのだろう? 何か用事でもあるのだろうか?


「なんでくれるんですか?」

「お礼をしたいのはもちろんだけど! 私たちが君を気に入ったからだよ!」


 正直お礼は要らないのだが、まぁ貰っておいても損はないかな?


「またねヒナタくん! また会おう! ハッハッハ〜」

「じゃあねお兄ちゃん!」

「ヒナタさん、また明日」

「はい、ではまた」

「にゃん!」「みゃ」


 明日の予定も決まってしまったが、貴族様の御屋敷にそう簡単に行っていいのだろうか?

 まぁ考えても仕方ないし、明日行ってみよう!



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