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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
リュクシルン国 王都
44/80

43話 盗賊討伐と出会い

「ふぁ〜あ」

「に“ゃ“〜」「み“ゃ“〜」


 久しぶりの睡眠は、すごく気持ちよかった。

 睡眠ってやっぱりいいものだ。あのピエロの言ってた事も少し分かる気がする。


 その後は、軽く朝食をとり、出発する。

 ちなみに朝食は、保存食のトマト缶とモコとキキョウには猫缶を食べてもらった。


 そのまま旅は順調に進む。

 たまにキキョウが動物を咥えている事があったが、特に問題は起きなかった。


 お昼頃になり、そろそろ食事を取ろうかなと思っていたところで、前方でなにか揉めているのが見えた。


 モコに乗り、そのまま近づいてみると、豪華な馬車が襲われているのが見える。

 守っているのは騎士のような姿をした人達が3人。

 襲っているのは・・・野蛮そうな姿をした人が8人ほど。

 見る限り、騎士3人は馬車を守るので精一杯の様子だ。


 流石にこのまま素通りは出来ないし、モコとキキョウと一緒に助けよう。


「モコ! キキョウ! 助けよう!」

「がう!」「がぉ」

「だけど、出来るだけ手加減してね!」


 モコとキキョウはやる気満々のようだが、人殺しにはなって欲しくない。

 前方の馬車に追いつくと、騎士と野蛮そうな人達もこちらに気づいた。


「モコ! キキョウ!」

「がう!」「がぉ!」

「お"お"お"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"」


 モコとキキョウが掛け声に合わせて、野蛮そうな人達に体当たりをする。叫び声と共に野蛮そうな人が4人飛んでいった。


 シーン


 静寂な空気が流れる。

 あれ、死んでないよな・・・?


 その後は、僕もある程度応戦をしたが、そんなに強くない気がした。

 ほとんどモコとキキョウが残りの人達も倒し、ちゃんと手加減してくれたようで誰も殺さず縄にしばりつけることが出来た。


「いや助かったよ〜」


 馬車から、豪華な服装をした青髪の大人の男性が降りてきた。


「リュジン様! 馬車の中へお戻りください!」


 騎士の1人が中へ戻るように懇願している。

 まぁ、傍から見たら怖いかもしれないけど! 可愛いぞうちの子は!


「いや、礼は自分でしなくちゃ、ダメだろう?」

「ですが!」

「うるさいなぁ、アロンは」


 とそのまま続けてこちらへお礼を言ってくれる。


「改めて、ありがとう! 私の名前はリュジン・ルクレシオン! 君の名前を教えてもらえるかい?」

「僕の名前は日向、こちらの猫はモコとキキョウって言います」

「がう」「がお」

「猫? 猫なのかい? それにしては大きいね!」


 そういえば変身を解いていなかった。うちの子の可愛い姿も見てもらおう!


「モコ、キキョウ、変身を解いてもらえる?」

「がう」「がお」


 そういうとモコとキキョウは、変身を解いてくれる。


「にゃ〜」

「みゃ〜」


 やっぱり、うちの子可愛い!


「おぉ! なるほどそういう事か・・・うん! とても可愛いね! ならうちの可愛い子も紹介しないとね! 出ておいで〜!」


 言葉に答えるように、馬車の中から大人の女性と女の子が降りてくる。


「先程はありがとうございました、私はカイナ・ルクレシオンと申します」

「え〜とマリーはね! マリー・ルクレシオン! 助けてくれてありがとう! お兄ちゃんと猫ちゃん!」

「いえいえ」

「にゃん!」

「みゃ!」


 大人の女性は、すごい金髪美人でちょっと尻込みしてしまう。

 女の子の方は、金と青が混じりあった髪でアイちゃんと同じくらいの年齢だろうか?


「ねぇねぇ! お兄ちゃん! 猫ちゃんと遊んでもいい?」


 マリーちゃんはどうやらモコとキキョウに興味津々らしい。


「もちろんいいよ! モコ、キキョウ行っといで」

「わぁ! ありがとうお兄ちゃん!」


 マリーちゃんはモコとキキョウを優しく撫でたりしている。


「うちの子は可愛いだろう! もう可愛すぎて、目に入れても痛くないんだ! 」


 あ〜この人親バカだ。自分の子が産まれたらこうなるのかな? まぁ僕には縁のない話だけどね。


「ところでこの人たちはどうするんですか?」


 と僕は野蛮そうな人達を指を指す。


「あ〜その人たちは連れてくよ? あと3日もあれば王都に着くしね」


 あと3日もすればもう着くのか、やっぱりモコとキキョウは速いんだなぁ。


「そういえばヒナタ君は、これから王都に行くのかい?」

「はい、そうですが何かありました?」

「もし良かったら一緒に行かないかい?

 まぁ正直言えば娘が喜ぶ。あんなに可愛いうちの子を見れるのは至福の時なんだ! いつも可愛いが猫ちゃん達が合わさることでこんなに可愛くなるとは、ぜひ一緒に行こう!」


 おうおう、圧がすごいな。

 この人もしかして・・・変態(ノーフェイス)の加護持ってる?

 まぁ冗談はさておき、別に一緒に行くのは良いかな?


「はい、大丈夫ですよ! 一緒に行きましょう!」

「おぉ! それは良かった! じゃあ君たちも自己紹介しなさい〜」


 と騎士たちの紹介もしてくれる。

 3人の騎士が順番に挨拶をしてくれる。


「俺はアロン、先程は助かった、ありがとう」


 アロンさんは茶髪のガタイのいいおじさんのような見た目だ。ちょっと雰囲気がガリスさんに似ている。


「申し遅れました、私はマリンと申します、先程はありがとうございました」


 マリンさんは水色の髪の色をしていて、立ち姿がすごく綺麗だ。


「マリンは元々メイドやってたんだよ!」


 とリュジンさんから補足説明が入る、メイドさんだから立ち姿が綺麗なのかな?


「最後はワシじゃな、さっきはありがとうのぉ、ワシはグレンじゃ、よろしくのぉ、それにしてもこの身体も落ちぶれたものじゃ」


 最後は白髪のおじいさん、なにか優しそうな雰囲気が全身から出ている。なんか変に落ち着く・・・そんなような感じだ。


 自己紹介が終わり、リュジンさん達も昼食を取ってないらしいのでこのまま昼食タイムとなった。

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