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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
2章 冒険都市ロリング
40/80

39話 報酬

 今回のオンバインさんからの依頼、結論を言うと大成功だった!

 どうやら僕の客引きが目立ってくれたらしく、沢山の人が付いてきてくれた。

 加護と水魔法、そして火魔法を使うことで上手くいった気がする。火魔法は元々適性があり、予備知識があったためなのか意外と簡単に使うことが出来た。


 朝からお客さんが途切れることなく入り続け、最後のお客さんが帰った時には、もう深夜になっていた。


「ヒナタァ! 大成功だな! ありがとう!」

「いいえ、オンバインさんの作ったものが良かったからですよ!」

「そ、そうかぁ? 猫ちゃ━」

「モコとキキョウ」

「モコとキキョウもありがとな!」

「・・・にゃ」「・・・みゃ」


 モコとキキョウはもみくちゃにされて、ぐったりしている。


 今日は大成功だったが、まだ問題は残っている。


「ですがオンバインさん、まだ問題は残ってますよ」

「? 何が問題なんだ? 今日はいっぱい客が来たじゃないか!」

「確かにそうなんですが、まず接客が下手です」

「そ、それはこれから慣れていく」

「あとは僕たちがいなくなったあと、お客さんがちゃんと来るのかです」


 もしかしたらこれが1番の問題かもしれない。

 僕たちがいなくなってから、お客さんが誰も来なくなった。でも僕たちは関係ないよ、なんて話にならない。


「なのであと2日間、僕たちは手伝いますが、その後は手伝いません」

「そ、そんな事言うなよぉ」

「これはオンバインさんのためでもあるんです、分かってください。もしダメだったら、その時はみんなでまた1からやり直しましょう!」

「・・・分かった! やってみよう!」


 そこから2日間、僕たちは手伝いをした。

 1日目よりもさらに、多くの人が来てくれたが忙しすぎて、何がなんだか分からないくらいに疲れた。


 そしてここからは、オンバインさん1人でやってもらう。


「じゃあオンバインさん、頑張ってください!」

「にゃ!」

「・・・みゃん」

「おう! ありがとな!」


 オンバインさんが1人でやる日が来た。


 ちょっと心配なので、加護で変身して外から見守る。

 どうだろう、人来てくれるかな?

 オンバインさんも中で、またソワソワしている。


 しかしそんな緊張も杞憂に終わった。

 それから3日間、見守り続けたが普通に多くのお客さんが来ていた。

 オンバインさんも最初の一日目に比べて、大分接客が上手くなっていた。


 そしてお客さんの話に聞き耳を立てていると、どうやら冒険者同士の間で結構な噂になっているらしい。


 こんなにお客さんが、来てくれているなら、恐らくこれからも大丈夫だろう。


 閉店後のお店に入るとオンバインさんがホクホク顔で見てくる。


「ヒナタ! ありがとう! 本当にありがとう!」


 と手を握ってくる。ドワーフの手ってでかいんだなぁ。


「ヒナタ、お前に頼んで本当に良かった!」

「いえいえ、これからも頑張ってください!」

「あぁ!」


 今回の依頼、いきなりの事だったので驚いたが、なんというか・・・楽しかった、楽しかったんだ。

 初めてやるお店の改善、客引き、接客どれも楽しかった。


「そういえば報酬を渡さないとな! ちょっと待ってろ!」


 オンバインさんは奥に入っていき、刀を持ってきた。


「これをやる!」


 オンバインさんが鞘から抜くと、その刀身が出てきた。

 白と黒の混ざりあった刀身、そして猫の模様が刻まれている。可愛いなぁ。

 しかしそれよりも鞘から抜かれた途端にオーラがハッキリと見える。

 あれは・・・モコとキキョウ?


「これを貰ってくれ! 銘を猫刀(みょうとう)日向(ひなた)、お前用に作ってみたんだ! 今度は、どこかに行っちまう前にな! ガッハッハ!」

「こんなすごいものいいんですか!? しかも僕、刀なんて使った事ありませんよ!」


 この刀の刀身は僕の身長と同じ位の長さがある。

 刀も使ったことの無いのに僕に使えるわけが無い。


「使わなくてもいい、俺の自己満足だ。

 ただ俺の気持ちが入った刀、受け取ってくれないか? 今度こそ渡したいんだ」

「・・・そういう事なら、ありがたく受け取ります。ありがとうございます!」

「あぁ、喜んで貰えて良かった」


 刀を手渡しで受け取る。

 よく見ると鞘にも猫の模様がある。細かい所まで手が込んでいて本当に可愛いく仕上がっている。


「じゃあ! これで依頼完了だ! ありがとな、こんな無茶ぶりに答えてくれて・・・」

「いえ、こちらも楽しかったです!」

「にゃん!」

「みゃ!」

「そうか! それは良かった、この街はまだ楽しいところがあるから、楽しんでいけよ!」

「はい!」

「にゃ!」

「みゃん!」


 こうして僕たちは店を後にした。

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