4話 加護
「にゃ〜良い星を選んだにゃ〜ね、ここはいいところだにゃ〜」
『これでもう転生させてもらえるんですか?』
「にゃ〜焦りゃない焦りゃない、これから加護について説明させてもらうにゃ〜よ」
まだこれから加護について説明があるらしい。
まぁこういう場合の加護といえば、めっちゃ強いチート的なやつが貰えるのが定番だが・・・
「加護っていうのはそんな直接的なものじゃにゃいにゃ〜」
なんと、じゃあ僕つえ〜は出来ないようだ。
「確かになんでも出来るように強くなれる加護を与えることはできる、でも僕たち神は絶対にそんな強い加護を与えない。」
ニールちゃん毅然たる態度、眼差しでこちらを見てきた。
「そんな加護を付ければどうなるかを何度も僕たちは見てきた。」
「確かに人間は強い加護を付ければなんでも出来る気がするだろう。それは本人だけでなく周囲にも影響を及ぼし、加護を“絶対”としようとする。加護がついた人間を“神格化”しようとする。・・・そこからは酷いものだよ・・・」
ニールちゃんはどこか寂しそうな目をしている。
恐らく直接見てきたから、、、見てきたからこそ、人間を見ていられなくなっていくのが余程辛かったのだろう。
「ということでそんな強い加護はあげることはできにゃいにゃ! ごめんにゃ〜」
ニールちゃんは先程までの事が無かったかのような元気な声に語尾のにゃ、そして笑顔をこちらに向けてきた。
これ以上聞くのは野暮だろう。
『それならどのような加護を貰えるのですか?』
「そんだにゃ〜まぁ“君たち”には色々な加護があるにゃ〜けど、どんにゃのがいい?」
『例えばどんなのが貰えるのですか?』
「う〜ん例えばにゃ〜旅をしたいらしいから焚き火の加護とか? 名前のまんまでめっちゃ焚き火が上手くなるにゃ」
そんな加護があるのか・・・結構いいな焚き火の加護。でも地味だ。すごく地味だ。
「まぁそんにゃ感じで色々あるから適当にこのニールちゃんに言ってみるといいにゃ〜よ〜」
そうなるとどんな加護がいいだろう?
旅をするとなると、、、水を綺麗にするとか?
モコの方を見ると「にゃ〜〜」と言ってるので何か考えているらしい。
そういえばレオテイスはエルフとかドワーフとかいるのだろうか?
『ニールちゃん、レオテイスにはエルフとかドワーフ的なのとかいるのでしょうか?』
「いるにゃ〜よ、エルフにドワーフはもちろん、魔族や鳥猫族なんてのもいるにゃ」
鳥猫族! 是非とも会いたいが今はもっと聞きたいことがある。
『種族によって入れない国とかありますか?』
そう! これが一番の問題である。せっかく旅をするのだから全部を回ってみたい、そこで入れないなんてなったら悲しくなる。
「そうにゃ〜ね〜、確かに他種族お断りみたいな種族はあるにゃ〜」
そうかあるのか・・・なら加護は変身や変装的な加護がいい。
『ニールちゃん! 変身の加護はありますか!?』
「変態の加護ならあるにゃ〜よ」
変態の加護・・・変態!?
いやここで言う変態は違うだろ・・・さすがに
『・・・ニールちゃん・・・』
「にゃ〜?」
『その・・・変態とはどういう加護ですか・・・?』
「姿·形を変える加護にゃんよ、でも自分より質量が大きいものには姿を変えられにゃいにゃ、あと変態にもなる」
なるほど姿を変えれるのか、ならそれがいい・・・・・・変態にもなる!?
『・・・それはどういう?』
「にゃ〜んとね〜好きなものに対する執着がちょっと強くなるくらいだから安心するにゃ〜」
なら安心か、猫への執着は元々強いし、安心安心。
『ではニールちゃん! 自分は変態の加護にしてもらいたいと思います。』
「にゃ〜い、わかったにゃ〜よ。じゃあ日向くんもモコちゃんも決まったと言うことで早速付けるにゃ〜よ」
『モコももう決まってるんですか?』
「にゃん、さっき決まったにゃ、後で“実感”するといいにゃ〜よ」
実感する?どんなものだろう?
「じゃあ、いくにゃ〜よ〜」
そう言うとニールちゃんは肉球を僕たちの前に出して、不思議と身体に光が集まってくる。落ち着く暖かさだ。
ニールちゃんは詠唱のようなものをしている。
「にゃんにゃんにゃにゃにゃ〜にゃん♪」
随分可愛らしい詠唱である。
詠唱が終わると共に手に暖かさが残る。
よく見ると僕は右手に猫の印、モコはおでこに太陽?の印が、浮かび上がる。
「それで加護付けは終了にゃ〜後はレオテイスに行くだけにゃ!」
おぉやっと行けるのか!
「じゃあ、ここでお別れにゃあけど日向くんもモコちゃんも2人で頑張るにゃ〜よ」
『はい! ありがとうございました!』
『にゃんにゃおん!』
「うんうん! じゃあ行ってくるにゃ〜!」
ニールちゃんに2人でお辞儀をすると、足元が虹色に光り始める。
すると視界が次第に光に埋め尽くされる。
「次は幸せになるんだよ」
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