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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
2章 冒険都市ロリング
38/80

37話 開店準備

 モコとキキョウに客引きしてもらえばいいじゃん!


「にゃ?」「みゃ?」


 モコとキキョウは、困惑しているがやってもらう事にしよう。


 とりあえず、客引きするなら、おめかししなくちゃ!


 カール商会で買った衣服を一通り着せてみた。


 可愛い! すごく可愛い! 3時間は見れるのだが! 何か違う気がする・・・

 そういえば、竜に乗せてくれた人も、水の中を滑らせてくれた人も、それに関係のある衣装を着ていた気がする。


 このお店に関係のある、衣装ってなんだろう?


「ヒナタ、ちょっと良いか? 」

「はい? なんですか?」

「お前が客引きやれば良いんじゃないか?」

「え! 僕!?」

「あぁ、お前が俺の作った鎧と武器を身に付けて、客引きすれば良いんじゃないか?」


 僕が客引き・・・考えてもなかった。

 確かにモコとキキョウにだけやらせて、僕が何もしないのはちょっとおかしい気もする。

 依頼を受けたからにはやってみよう!


「そうですね、僕もやりましょう!」

「よしきた! じゃあちょっと待っててくれ」


 オンバインさんが鎧を持ってくる間に、どう客引きすればいいのか考える。


 なんて言えばお店に入ってくれるだろう?

 頭の中でイメージする。

『いい武器あるよ〜どうお兄さん?』なんかチャラい?

『なぁ、そこの兄ちゃん! 新しい武器欲しくない?』う〜んチャラい!

『お前も力が欲しいか』これはなんか闇堕ちしてるなぁ。


 どうしようか、と考えているとオンバインさんが鎧を持ってきてくれた。


「さぁ着てみてくれ!」

「はい!」


 どれもかっこいいものばかりだ。

 赤い龍のような鎧。黒い騎士のような鎧。翡翠色の綺麗な鎧。どれも素晴らしいと思う。


 だが僕には重すぎて着れなかった。


「すみません・・・」

「いやいいんだ・・・」


 本当に申し訳ない・・・この鎧たちが勝手に動いてくれればいいのに・・・


 ・・・鎧が勝手に・・・動けばいい。


 そうだ! 操水の指輪!

 水に鎧を着せて、動かせばいいんだ!


 早速やってみよう!


「なんか思いついたのか?」

「はい! 見ててください!」


 鎧の中を水で満たし、動かしてみる。

 足も腕もしっかり動く・・・のだが


「ヒナタこれ・・・動き方変だぞ・・・」


 そう、変なのだ。

 可愛いといえば聞こえは良いが、右手と右足が同時に出ている。

 ――――――――――――――――――――――――

 あの後、1時間ほど練習して、やっと普通に歩けるようになった。


 あとは商売文句を考えなければいけない。


 しかし、これは鎧を動かす時に一緒に案が出てきていた。

 恐らくこれで、お客さんは来てくれると嬉しいのだが、実際にやってみないと分からない。


「ヒナタ! 今日はもういい時間だから、遊んでこい、明日の朝、店を開くから、その時来てくれ!」


 外を見ると、すっかり夜だった。お腹もぺこぺこだ。


「じゃあそうさせてもらいますね、じゃあまた明日!」

「にゃん」「みゃん」

「おう、楽しんでこいよ〜」


 オンバインさんのお店を後にする。

 とりあえずお腹が空いたので、何かを食べたい。


「お? ヒナタじゃん!」


 周りを見渡してみると、僕を冒険者ギルドに連れて行ってくれたジャンセルさんがいた。


「何してんだそんなところで」

「お腹が空きまして、何かいいお店知らないですか?」

「それなら! あそこの魚見えるか?」


 魚? 指を指された方を見ると、水の中から見た事のある魚が見える。


「あそこの魚料理が美味いぞ!」

「そうなんですか! ありがとうございます、早速行ってきます!」

「おう」


 言われた通りに大きな魚を目印に、目的のお店に着いた。


 近くで見ると、魚がさらに大きく見える。

 と僕が魚を見ていると

 モコとキキョウはルンルンの足取りで僕より先に中へ入っていった。


 中へ入ると、個室へ案内された、どうやら従魔を連れていると個室に案内されるらしい。


 店内は、あらゆるところに水の球体が浮いており、中に色々な生きた魚が泳いでいる。

 特に大きい球体には、龍が泳いでいる。竜ではなく龍だ! すごくかっこよく! 強そうだ!


 とりあえず、メニューはオススメを頼んでみた。

 正直、名前を見てもよく分からなかった。


 モコとキキョウは、料理が届くまで、水の球体の中の魚を見て、ソワソワしていた。

 可愛いなぁと、眺めているとすぐ、料理が届いた。


 これは・・・寿司? の様だがシャリの部分が・・・水? いやよく見たら透明な米粒みたいだ。


「いただきます」


 口に入れてみると、食べたことの無い魚の味だったがマグロに似ている。下のシャリは、噛むと出汁のような物が弾けて、口の中でネタと混ざり、とても美味しい!

 他にもいろいろなネタがあり、大満足だった。


 モコとキキョウは、刺身を満足そうな笑顔で頬張っていたので良かった。


 そしてお会計は高いのかな? と思っていたが、意外とリーズナブルな値段だった。


 さて! まだ時間はある! 遊ぼう!


「モコ! キキョウ! 遊ぶぞ!」

「にゃん!」「・・・みゃ」


 結局朝まで遊んでしまった。



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