36話 大改造
掃除の後は、武器の見せ方だ。
正直よく分からないが、窓からカッコイイ武器、カッコイイ鎧なんかが見えた方が、入りたくなる気がする。
「オンバインさん、何か派手な武器、鎧はありますか?」
「派手な武器ぃ? 派手ねぇ、実用的な奴なら沢山あるんだが、派手な武器はあったっけなぁ?」
とオンバインさんは考え込む。
確かに武器は実用的な方が確実に良いだろうが、目に入る武器は、やはり派手な方だろう。
「あ! そういえばあるな! あれ!」
どうやら店には出していないらしく、店の奥でガチャガチャ音が鳴っている。
オンバインさんが奥から戻ってくると、布に包まれた、大きなものを1つと小さなものを1つ持ってきた。
「これだ! 昔、ある人に向けて作ったんだがな、結局渡せないまま、眠ってた長刀と短刀なんだ」
布を取ると大きい方は2mを優に超える長さ、小さい方は60cmくらいだろうか?
こんなのを2つ同時に使いこなせる人なんかいるのだろうか?
「この長刀、銘を陽枯終国、短刀は夜枯戦刻って言うんだ」
すごく難しい名前だ!
17歳の僕としては、すごくかっこいい名前だと思う。
「まぁこの刀身を見てくれよ!」
鞘から陽枯終国が抜かれる。
刀身は、驚く程に白く、まるで濡れているかのようにも見える。よく見ると少し紅色に発光している。
夜枯戦刻も鞘から抜かれる。
こちらの刀身は、逆に真っ黒だが濡れているようにも見える。こちらも少し紫色に発光している。
なぜ発光しているんだろう? なんかヒカリゴケみたいなものでも入ってるのかな?
「なんでこれは少し発光しているんですか?」
「ふっふっふ、それはだなぁ! 魔玉を混ぜてつくったからだ!」
オンバインさんがドヤ顔を見せてくる。
魔玉! イケメンさんがキンクイキメラに入っているって言ってたやつだ!
正直これが窓から見えたら、僕は興奮間違いなしだろう!
「これを作るのに3年かかっちまってな! あの人はどこかへ行っちまったんだハッハッハ!」
3年もかかっているのか! これならインパクト的にも申し分ないだろう!
「これ! これを置きましょう! これで間違いなしです!」
「お、おう、分かった」
窓から見える位置に2本とも設置する。
「あとは他の武器の置き方ですね!」
「とはいっても、そんな変えれるとこあるのか?」
「あります! あります! まずは武器毎に分けないと分かりづらいでしょう!」
「そうかぁ?」
「そうです!」
樽に入っている武器を種類毎に分別していく。
短剣に、大剣、斧、槍、一般的な奴からハルバード、モーニングスター、トンファー、コアな奴も混ざっている。
分別が終わり、武器の置き方を考える。
まずは樽に入れるのをやめよう。
「樽に武器を入れるのは、そんなに見栄えが良くないと思います」
「そうか?」
「そうです」
かと言って案がある訳ではないのだが・・・う〜んどうしようか。
ここはタリバさんのお店の真似をするのはダメなんだろうか?
「オンバインさん、タリバさんのお店の真似をするのはどうでしょう?」
「真似? 真似かぁ」
「あ、い、嫌ですか?」
「嫌じゃないが、そんなに変わるか?」
「だいぶ変わると思います」
「そうか、なら頼む!」
「分かりました」
タリバさんのお店は、確か壁に飾ってあったりしたなぁ。
思い出せる限りやってみよう!
確か武器毎に綺麗に並べてあったな、大きなものを壁に飾ってあった気がする。鎧は感覚を空けて置いてたかな? そういえば所々に投げ物なんかも置いてあったな。
と思い出しながらやっていくと、元々の置き方より、だいぶ見やすくなった。
「おぉ、分かりやすいな!」
「そうですね!」
結構変わったな、このお店。
汚かった店内は、大理石の様な壁でとても綺麗に見える。雑に置いてあった武器は、並べる事でとても見やすくなっている。
あとは客引きか、正直ここが1番の問題だ。
確かに陽枯終国と夜枯戦刻で目を引かせる事は出来ると思うが、やはり客引きがいた方が絶対良い気がする。
付いていきたくなるような客引き?
僕なら猫に付いて行っちゃうな!
「にゃん!」
・・・そうじゃん! それでいいじゃん! いるじゃん! 最強の客引き! 誰もが目を引く客引きがここに!
やってもらうか! モコとキキョウにリアル招き猫!
「にゃん?」「みゃ?」
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