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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
2章 冒険都市ロリング
33/80

32話 隠し〇〇

 日が出てもう朝なのだが、全然眠たくない。


 次は何に乗ろうかな〜?

 そういえばジャンセルさんが隠し扉とか、隠し〇〇があるって言ってたな。


 昼頃に冒険者ギルドに行くには時間があるし、探してみよう!


 怪しいところはどこだろうな?

 怪しいと言えば、変にカラフルなのゴミ箱、口から本を吐き出す顔だけの置物、泥を握り宝石に変えている手。

 やばい!全部怪しく見えてきた!


 ほらあそこにも、扉がない建物がある。


 ・・・扉がない建物・・・さすがに怪しくない!?


 近づいてみるとほんとに扉がどこにもない。

 と思ったがよく見てみると、薄〜く何か書いてある。


『信ずるもの騙されたまへ』


 と声に出して読むと、分かりやすく扉のシルエットが出てくる。

 もしかしてこれ、飛び込んだら中に入れるやつでは?

 有り得る・・・この街なら・・・


「モコ! キキョウ! 行くぞ!」

「にゃ!」

「・・・みゃ」

「せ〜の!!」


 扉へ飛び込む。


「ぐへぇ!」「に“ゃ“」「み“ゃ“」


「痛ってぇ!」


 ただ壁にぶつかっただけだった。

 周りの人の目もなんだか優しい。見るな! 僕を見るな!

 壁に文字が浮び上がる。


『信ずる痴れ者あぶり出したり!!』


 え? もしかして馬鹿にされてます? おぉーい! 建物の中に人いるだろこれ!


 絶対に中に入ってやる!


「モコ! キキョウ! 建物の周りをくまなく探すぞ!」

「にゃん!」

「みゃん!」


 モコとキキョウもやる気満々だ。


 さて! どこが怪しいかな!

 また同じ壁に文字が浮び上がる。


『再び信ずるもの勇気持ち扉へ飛び込め』


 またか!

 待てよ・・・逆に本当のことを言ってるのでは?


「モコ、キキョウ、付いてきてくれる?」

「・・・」「・・・」


 ちょっと遠くに離れていくモコとキキョウ。


「そうか・・・僕に任せて!」


 助走をしっかりとり、扉へ飛び込む。


「グベェ!!」


 ・・・やってくれたなぁ!! もう怒った!!


 加護を使って本気で壊そうかな・・・でかい竜の手でも作れば・・・


『待って待って! 怖い顔しないで!』


 と壁に文字が出てくる。

 今更なんなんだ! 壊してやる! 17歳の純粋な心を弄びやがって!


『こっち! こっちに入り口あるから入って!』


 こっちと矢印が出てくる、それはさっきまであった扉の隣を指している。


「嘘だ! また騙す気だろう!」


 周りの人のクスクス声が聞こえてくるが知ったこっちゃない!


『嘘じゃないから! お願い!』


 ・・・ほんとか?


 ゆっくり手を伸ばすと、手が中に入る。

 ほんとに中に入れる!


「モコ! キキョウ! 今度こそ行くぞ!」

「にゃ!」

「みゃ!」


 と飛び込むと今度こそ中に入れた。


 中に入ると、中央に大きなフラスコがあり、外の光景を監視しているモニターの様なものもある、恐らくあれで外を監視していたのだろう。

 なんか最先端の研究所って感じだ。


「ようこそ! ロリングの魔法の研究所へ! 私はハクと言います、お見知り置きを」


 髪の毛が白髪ロングの白衣を着た女性がこちらへ歩いてくる。


「さっきはごめんね〜面白くなっちゃって! てへぺろ」

「モコ・・・キキョウ・・・ヤッテモイイヨ」

「にゃ!?」「・・・みゃ」


 モコは動揺していたが、キキョウは変身しようとする。


「待った! 待った! ごめんて! 」

「・・・はぁ、それでここは何をするところなんですか?」


 とりあえずもう怒っても仕方ない、そして何よりちょっと気になる。


「良くぞ聞いてくれた! ここは君だけのオリジナル魔法を作るところだ! どうだ興奮してこないか!」


 ・・・僕だけのオリジナル魔法?


「それって・・・どういう?」

「まぁ正確には魔法が出る指輪を作るところだけどね」


 魔法が出る指輪・・・??


「実際にやってみた方が早いだろう」


「さぁ純情な少年よ、私に君の光を見せてくれ」


 と腕を広げ、ニヤけるハクさん。

 その顔は少年より無邪気で純粋な興味で満ち満ちていた。


「さぁさぁこっちにおいで!」

「は、はい」


 と中央の大きなフラスコの前に案内される。

 フラスコの前には石碑のようなものがあり、プレートが埋め込まれていた。


「ここに手をかざしてくれ」


 とプレートを指さす。

 言われた通りにプレートに手をかざす。


 するとプレートが光り、目の前のフラスコの中に綺麗な色の猫が出てくる。

 すごい綺麗だ、ステンドグラスの様に淡くて綺麗な色の猫。


「ほぉ、これが君の光か! 面白い!」


 フラスコの中の猫は、楽しそうに遊んでいる。それも1匹じゃない、色々な猫がいる。

 最後は猫が1つの光の球体のように集まり、フラスコを飛び出し花火のように綺麗に弾ける。


「手を前に出して〜」


 ハクさんに言われた通り手を前に出すと、弾けた中から出てきた何かが僕の(てのひら)に落ちてきた。


 指輪だ! それも猫の顔が付いている!


「それに魔力を流すと、さっきのフラスコの中の物と同じ物が見れるよ〜」


 ほほぉ〜! いつでもあの光景が見れるのか! それは良いな!


「さて! 次はどっちの猫ちゃんがやるのかな?」






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