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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
2章 冒険都市ロリング
32/80

31話 遊び尽くせ!

 よし! 遊び尽くすぞ!


 出口はどこだろう?

 周りを見渡すと、出口と書かれた看板を見つけた。


『ここに立て』


 と壁に下矢印で書いてある。

 立つと上から巨大な口が現れ、いきなり食べられた。


「ばぐ!!」

「え?」「にゃ?」「・・・」


 もう驚きすぎて、言葉がえ? 以外に出てこなかった。


「ぶべぇ!」


 口から吐き出された。

 確かに地上には出られたが、身体がヨダレでベタベタする。

 でも、何故か甘い優しい匂いがする。

 ほんとによく分からないなこの街は!


「そこの猫ちゃんとお兄さん! スウィートマウスでベタベタの体を水でさっぱり流さないか!? 」


 マーメイドのような姿をしたお姉さんに誘われてしまった。しかしさっきのスウィートマウスって言うのか。


「どう? お兄さん?」

「せっかくなんで乗りたいんですけど、猫は大丈夫ですか?」


 猫を残して、僕だけ乗るなんて絶対にダメだ!


「あれ? お兄さんもしかしてこの街ははじめてだろう?」

「はい、でもなんでわかったんですか?」

「そりゃわかるよ! この街でそんな質問する奴いないからね! 安心しな! この街の物は全部猫ちゃんと乗れるから!」

「そうですか、じゃあ乗ってみます」


 マーメイドのお姉さんがニカッと笑う。


「じゃあ、行ってらっしゃい!」


 そう言うと、宙に浮いている水をまるで引っ張ってきたかのように操り、僕たちを水で包む。


 水で包まれているのだが、息はできる。

 猫たちも問題ないようだ、キキョウは・・・水中でへっぴり腰になっている。


 そのまま宙を舞う様に水に流される。

 とても不思議な感覚だ、水に包まれて、ヒンヤリした感覚はあるのに、見る限り服は濡れてない。


 それよりも、宙に浮いていることもあり、街を一望できる。

 どこもかしこも明るくイルミネーションの様に綺麗だ。

 特に気になったのは遠くにチラッと見えた、でかい魚の建物。モコとキキョウも気になったらしく、じっとその建物を見ている。後で一緒に行こう。


 そのまま街を眺めていると、最初のマーメイドのお姉さんの所へ帰ってきた。


「どうだった!?」

「とても楽しかったです、しかもサッパリしました!」

「にゃ」

「みゃん」

「そうか! そうか! なら良かった!」


 またお姉さんがニカッとしている。

 水の中を流されたおかげか、さっきのヨダレが取れている。遊びながら綺麗になれるって良いな!


「そこの兄貴! 水で流されたあとは、ハラハラする様な楽しいことしようぜ〜!」


 次はハンターのような姿の男の人に声を掛けられた。

 建物自体は何か冒険を想像させる形をしている。

 ここは何をするところだろう?


「ここは何をするところなんですか?」

「おう! ここは簡単に言えばだな! 竜に乗って冒険をする、とても危ない乗り物なんだ! もう危なくて乗れたもんじゃないが! 勇気ある若者よ、ここの門を通るが良い!」


 多分、安全なジェットコースターのようなものだろう。


 中に入ると、本当に結構大きい竜のようなものが用意されていた。竜はしっかり鱗まで作り込まれており、男の子が興奮するほどかっこいい。

 そして座席のようなものも付いている。


「竜に乗ったらそのままにしてろよ! 猫ちゃんも大人しくしててなぁ」


 座っている背の部分から、勝手に体にフィットするベルトが体を固定してくれる。モコとキキョウの方もしっかり体にフィットしている。


「じゃあ空の旅へ行ってこい!」


 と辺りがいきなり明るくなる、さっきまでのライトの明るさではなく、太陽の明るさが広がる。


「ギャオゥ!!」


 と乗っている竜が動き出し、いきなり建物を壊しながら飛び立った。


「えぇ!?」


 建物、壊しちゃった。 まぁ良いのかな?


 その後はすぐに竜が天高く舞い上がった。

 すごいな、こんな天気のいい日に空高くから下を見下ろせるなんて。

 遠くに湖も見えてきた、さっきは動物の群れみたいなものも見えた!

 空を飛ぶってこんな感覚なのか! 多くの人が空に憧れるのもわかったような気がする。

 高度も高いおかげで太陽にも近い様な気がする。モコとキキョウも眠たそうにポカポカしてる。


 景色を楽しんでいると目の前が真っ赤に染る、どうやら竜が炎を吐き出したようだが全然熱くない。すごいかっこいい! やっぱり竜はかっこいいな!


 その後は竜が高度を落としていき竜が壊した建物まで戻っていく。

 あれ? なんで戻ってきたんだろうと考えていると、辺りがいきなり暗くなる。


 ・・・もしかして・・・まだ夜?


  建物も壊れたと思ったし!! 太陽とかも再現できるんだ!!

 魔法ってすげぇ、異世界すげぇ!!


「どうだった! 兄貴!」

「すごい綺麗でした! 楽しかったです!」

「そうか! 他にもいろんなのがあるから、見てっていくといいぞ!」


 その後も色々なものに誘われてしまった。

 海中を探索するような体験、口から雷を出させられる体験、ほんとに色々なものがあった。


 結局朝まで遊び尽くしてしまったが、“何故か”全然眠たくない。


 しかしまだまだ全然街を回りきれていない。

 大きい魚の建物にも行けてないし、ジャンセルさんの言ってた隠し○○も見つけれていない。


 まぁすぐにでも次の街に行く訳じゃないし!

 ゆっくりこの街を楽しもう!!




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― 新着の感想 ―
[良い点] 冒険都市ロリング楽しそう! テーマパークのアトラクションの様な街ですね。 行ってみたいものです。 [一言] ロリングの街巡りって無料なんですか? こんな場所本当にあったらいいですね。 素晴…
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