30話 ロリングの冒険者ギルド
ほんとにどこを見ても、楽しそうに遊んでいる人が目に入る。
でも冒険者ギルドとかないのかな?
モコとキキョウが倒した、魔物とかを売らないとアイテムボックスがパンパンだ。
どこにあるのかな〜と周りをキョロキョロする、ほんとに色々なものがあるなここは
「えいえいえい! そこのオッドアイの兄ちゃん! キョロキョロしてどうした! 」
と僕に話しかけてくる赤髪で目元に傷がある怖い男の人がいるが、オッドアイ?
・・・そういえば、猫カラコンで今はオッドアイという事を忘れていた。
「おい! 兄ちゃん! 大丈夫か?」
「あ、あぁすみません」
赤髪の男が心配してきてくれた、案外良い人なのかもしれない。
「なんで謝るんだよ、変な兄ちゃんだな! ガッハッハッ!」
いや笑い方怖いなこの人。
「でどうしたんだ! 兄ちゃん!」
「冒険者ギルドに行きたいんですけど、どこにあるんですか?」
「なるほどな! いいぜ! 案内してやる付いてきな!」
「ありがとうございます!」
と赤髪の男について行くと、何も無いレンガの壁の前で立ち止まった。
「よし! ここだ!」
「え? 何も無いですよ?」
「まぁ見てろって! それともうちょいこっち来い!」
「はい? モコ、キキョウおいで」
「にゃ」
「みゃ」
赤髪の男がレンガの壁の一部を押すと、地面がいきなり消える。
「え?」「にゃ?」「みゃ?」
「ハッハー! 身を構えろよ! 楽しい楽しい滑り台だ!」
「えー!?」「ぎにゃー!」「・・・」
地面がいきなり消えたと思ったら、滑り台のように地面の中を滑らされる!
正直言うとめっちゃ楽しい!
「お? 兄ちゃん楽しそうな顔をしてるな!」
「はい! めっちゃ楽しいです!」
「そりゃよかった、だがそろそろ着くぞ!」
恐らく結構長い滑り台のはずなのに、短く感じた。
もう終わりなのか。
たしかに奥に光が見えてきた。
え? やばいやばい! このスピードで放り出されるのはやばい!
『ぼふんっ』『ぼふんっ』『ぽふ』『ぱふ』
柔らかいクッションが敷き詰められていた。なんだこの柔らかさは! 大きいマシュマロ・・・いやそれよりもふわふわだ!
逆に立てないレベルのふわふわ!
「おつかれ! そしてようこそ! ロリングの冒険者ギルドへ!」
おつかれと手を伸ばされ、何とか硬い床にたどり着いた。
視線をあげると、洞窟の中のようだけど、ライトが吊るしてあり、お酒? が流れている滝が中央にあった。
そういえば、モコとキキョウはどこだろうと、後ろを見てみると、クッションに2匹の猫の後ろ足だけ見えた。
「モコー!! キキョウー!!」
と何とかクッションから引き上げると、モコは満足気な顔をしているが、キキョウは涙目になっている。
「キキョウ、大丈夫?」
「みゃぁお・・・」
と自分に擦り寄り抱っこを要求される。
可愛い! こんな可愛く要求されたらもちろん抱っこするに決まっている!
キキョウを抱っこすると、顔を服になすり付けてくる。
え? デレキキョウ可愛いなぁ!
「申し訳ないことをしたな!」
「いえいえ、でも凄いですね!」
「当たり前よ! ここは冒険都市ロリング! 他にも色んな隠し扉とか、隠し○○があるから楽しんでけよ! 受付はあっちだ!」
「はい! ありがとうございます! 僕の名前はヒナタ、こっちはモコとキキョウです!」
「おぉ! 俺はジャンセル! よろしくな!」
「はい! よろしくお願いします!」
ジャンセルさんに言われた、受付の方へ行くとドワーフのお姉さんが受付してくれる。
「御用はなんですか?」
「あの、魔物の買取をお願いしたいんですけど」
「はい、数はどのくらいですか?」
「え〜っと、いっぱい?」
「・・・あちらの机に乗りますか?」
と指を刺された方向には、標準よりちょっと大きいくらいの丸テーブルがあった。
もちろん乗り切らない。
「いや、乗り切らないですね」
「分かりました、ではあちらの受付へお進み下さい」
「はい」
案内された受付に行くと、耳が尖った金髪の色白イケメンの人がいた。
もしかしてこれがエルフ? かっこいい人だなぁ。
「あの〜何か顔についてますか?」
「い、いえ、エルフを見たのが初めてだったので」
「あ〜僕はエルフじゃないですよ」
「え!?」
声が出てしまった。エルフじゃないならすごい失礼をしてしまった。
「す、すみません」
「いえいえ、よくある間違いです、僕はリンガル族っていうエルフ族の親戚なんです、だから間違いではないんですよ」
とこちらのフォローまでしてくれる、これがイケメンか・・・
「改めて、御用はなんですか?」
「あの、魔物の買取をお願いしたいんですけど」
「分かりました、ではこちらで出してもらっても大丈夫ですか?」
と結構大きなテーブルの前に案内される。
これなら乗り切りそうだ。
魔物をアイテムボックスから次々と出していくと、イケメンさんがぽかんとした様な顔をする。そんな顔をしてもイケメンだ!
「こ、こちら全部倒したんですか? 凄いですね!」
「いえ、こっちのモコとキキョウが倒してくれたんです!」
「へぇ〜! 見かけによらず強いんですね! さすがにこの量は一日で終わらないので、このカードを持って、明日の昼頃にまたお越しください!」
カードを渡される。ガラス板のようだが、青白く光っていて、所々キラキラしている。
「はい! じゃあまた明日来ます!」
と受付を後にする。
が後ろに見ると、先程のイケメンが顔に似合わず、次々と魔物を解体している。すげぇ。
よし! アイテムボックスの中も出したし! 遊ぶぞー!!
「モコ! キキョウ! 遊ぶよ!」
「にゃん!」
「・・・・・・みゃ」
キキョウは無理かも・・・
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