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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
2章 冒険都市ロリング
28/80

27話 初めての鹿肉

 喋るゴリラを初めての見た!

 というかゴリラを初めて見た!

 でもなんか危険は無さそうな気がするなぁ。


「モコ、キキョウ、大丈夫だから変身を解いて」


 モコとキキョウは、腑に落ちない様子で変身を解いた。


「いやはや、いきなり話しかけてしまいすみません」

「いえいえ、こちらこそすみません」


 何だこの丁寧なゴリラは、しかも、今気づいたが紳士服まで着てる。


「私は、ガイガンと言います、以後お見知り置きを」


 お辞儀までしてくる。紳士だなぁ。


「あ、ご丁寧にどうも、僕はヒナタって言います、こっちはモコとキキョウです。」

「にゃん」

「みゃ」


 挨拶で返す。

 どうしよう、お辞儀した方がいいかな?



「ところでそちらの桜鹿(さくらじか)の解体を手伝わせて貰ってもよろしいですか?」


 サバイバルブックを使っても分からなかったから、願ってもないとこだ!


「はい! ぜひともお願いします!」

「その代わりなんですが・・・桜鹿を分けてもらってもよろしいですか?」

「それくらいなら、大丈夫ですよ」

「ありがとうございます! ではまず解体の仕方なんですが━━━━」


 ガイガンさんはとても丁寧に教えてくれた。

「このやり方は他の動物でも同じ」「ここの部位の間接は外すのが難しいのでこっちから━」

 サバイバルブックに書いてある事だけではなく、コツなんかも教えてくれた。


「いや〜しかし良く桜鹿を仕留められましたなぁ」

「僕じゃなくて、キキョウが仕留めたんですけどね。」

「そうなんですか!」


 ガイガンさんの視線がキキョウに向く。

 でもよく仕留められたって事は珍しいのかな?


「桜鹿って珍しいんですか?」

「それはもちろん! 桜鹿は姿を消すことが出来て、見つけること自体難しいんですよ! 」


 そういえばモコから降りた時に周りには何もいなかった。

 でも味はどうなんだろう?


「美味しんですか?」


 珍しいものは美味しいと昔、誰かが言ってた気がするようなしないような。


「味は保証しますよ! そして! 解体終了です!」


「おぉ」と声が出てしまった、ガイガンさんと一緒にやると、意外と簡単だった。

 しかし美味なお肉! 早く食べてみたい!


「ガイガンさん! 早速食べましょう!」

「はい!」

「どう味付けします?」

「私のオススメは塩だけで焼くのが、肉の旨味を感じられて美味しいです!」

「じゃあ塩焼きにしましょう!」


 アイテムボックスからフライパンと無限マッチを取り出して、昨日と同じように木の枝を集めて、水を抜き取る。


「ヒナタさん、いい物をお持ちですね」

「そうなんです! 貰い物なんですよ!」


 木の枝に火をつけ、鹿肉に塩をかけ、フライパンで表面をさっと炙るように焼く。ガイガンさんが言うにはレアが美味しいとの事。

 モコとキキョウには、塩をかけていない物を焼く。


 焼いたお肉を皿に乗せ、ナイフとフォークを用意する。

 では早速!


「じゃあいただきます!」

「にゃお」

「みゃ」

「大地の神に感謝を」


 ナイフで切ると、中は綺麗なピンク色をしている。

 だから桜鹿って言うのかな?


 口に入れると、とても柔らかく、しかし、しっかりとした噛みごたえがある。

 鹿肉を初めて食べたが、臭みなんかは全然なく、赤身の旨味がとても強い! 確かにこれは塩が正解だ!


「確かにこれは美味しいですね」

「ですね、私も久しぶりに食べました」


 ガイガンさんもニコニコで食べている。

 ・・・意外とゴリラも可愛いかも。


「モコとキキョウはどう?」

「にゃん!」

「みゃん!」


 うんうん! 美味しそうに食べている! 良かった良かった!


 食べ終わると、もう無くなってしまったのかと皆で同じ顔をしていた。


「片付けしますか・・・」

「そうですね」


 片付けは水魔法で皿を洗う、最近はちょっとしたシャワーくらいに出来るようになった。


「そういえばヒナタさんたちはどこに行く予定なんですか?」

「僕たちは、冒険都市ロリングに行こうと思ってました」

「そうなんですか、いい所ですよね〜ロリング」

「行ったことがあるんですか?」

「はい、まぁ1度だけですが、とても楽しかった思い出があります」


 それはより一層楽しみになってきた!


「ガイガンさんはどこに行くんです?」

「私は、カライアス国にある紅茶神殿に行ってみたいなと思っています。」

「紅茶神殿? そんなものがあるんですか?」


 紅茶神殿・・・紅茶で出来た神殿だろうか?


「はい! カライアス国は世界中から紅茶を好む人が集まる国なんですけど、その人たちの間で紅茶神殿の紅茶が1番美味しいと噂なんです!」


「世界一美味しい紅茶・・・いつか僕も飲んでみたいです」


 話を聞いていると、いつか紅茶神殿の紅茶を飲んでみたくなった、絶対に行こう!


「ではヒナタさんここでお別れですね」

「はい! またいつか会えるといいですね!」

「にゃん」

「みゃ」


 ガイガンさんと別れ、僕はまたモコの背に乗って、ロリングへの旅を続ける。


 喋るゴリラというかゴリラを見るのは、初めてだったけど良い人だったな。


 旅っていいなぁ! 色んな人と出逢って話して仲良くなれる!

 ほんと出逢いって素敵だね。


 あ〜あ、もうトールさんたちに会いたくなってきた。


「がう?」

「ん? 大丈夫だよ、またいつか会えるからね!」


 モコが心配そうに見てきたが大丈夫、いつかまた会えるんだから。

 

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