22話 次の街決め
「ゔ〜」
朝起きると身体のあちこちが痛い。筋肉痛だ。子供たちと遊びすぎたのが原因だろう。
そういえば、猫たちがいない、いつもは僕の上で寝ているはずなんだが。
部屋を見回すと、窓の縁にモコとキキョウが対面して座っていた。
こちらに気づいたらしく、窓の縁から降りて寄ってきた。
何を話してたんだろうか。
まぁ可愛いからいいか!
「おはよう、モコ、キキョウ」
「にゃん!」
「みゃん」
そのまま2匹と食堂へ行くと、カールとアイちゃんが食事をとっていた。
「おや、ヒナタさん、おはようございます」
「お、お、おはようございます」
「カールにアイちゃん、おはようございます!」
「にゃ!」
「みゃ!」
モコとキキョウもカールとアイちゃんに挨拶をする。
可愛いなぁ。
「おや?そちらの黒猫ちゃんは?」
カールが質問してくる。
アイちゃんは先程からキキョウをキラキラした目で見ている。
「キキョウって言うんです、この前保護したもので」
「そうですか、可愛いですねぇ」
「・・・」
アイちゃんは何かモジモジしている。
多分、モコやキキョウと遊びたいが恥ずかしがり屋さんだから、言えないんだろう。
「モコ、キキョウ行っておいで」
と小声で伝えると、キキョウは首を傾げているが、モコが「にゃにゃ」と言ってキキョウとアイちゃんの所へスリスリしに行った。
「わ、わ・・・可愛い・・・」
アイちゃんは、嬉しそうにモコとキキョウを撫でている。
よかったよかった。
「そういえばヒナタさん、ヒナタさんは旅をしていると行っていましたが、次はどこに行くつもりですか?」
そういえば、色々ありすぎて考えてなかった。
「まだ、決めてないんです」
「でしたら!」
とカールさんの目が輝く。
「一緒にオルリヤに行くのはどうでしょう!」
「オルリヤですか?」
「はい!オルリヤは水晶都市と言われていて、とても綺麗な街並みなんです!」
水晶都市オルリヤか、確かに次の街を決めていなかったから、一緒に行くのもありかもしれない。
そういえば、サバイバルブックのサフィラに一応聞くのもありだな。
「そうですね、考えさせて貰っても大丈夫ですか?」
「はい! お待ちしています!」
そのあとは部屋に戻り、サバイバルブックを開いた。
「サフィラ━━」
「サフィちゃんです」
相変わらずいい性格している。
「サフィちゃんや、水晶都市オルリヤってどんなところ?」
「はい、水晶都市オルリヤ、その名の通り、水晶産業により発達した都市です。街並みが壮観だと言われています。
しかし、現在地からオルリヤへ直行するのはあまり推奨しません、水晶だけに」
え?推奨しない?水晶だけに?そんな事もできるのかサフィちゃんは
でも何故だろう?
「なんで?」
「はい、現在地タナシバからオルリヤへ行くには、複数の都市を見逃す事になります。
私は日向様の旅をサポートするためにいるので、魅力的な都市を見逃すのは少々残念です。」
なるほど、オルリヤへ行くには魅力的な場所を見逃す事になるのか。それはちょっと嫌だな。
「ちなみに次に推奨する、場所はどこ?水晶だけに」
「はい、次に推奨するのは」
「え!?無視!?」
「冒険都市ロリングを推奨します。冒険都市と言っても子供の用のアミューズメントパークの様な場所であり、大人にも子供にも人気がある都市です」
へーそんな所があるのか、遊園地みたいな都市ということだろうか?
行ってみたいな!異世界の遊園地!
「モコとキキョウもそこでいい?」
「にゃ!!」
「みゃん!」
「決まったようですね、出発の準備が出来ましたらまたお呼びください」
「はい、ありがとうサフィちゃん」
そう言うと、サバイバルブックがひとりでに閉まる。
本当にあってよかったサバイバルブック
よし!次の目的地は冒険都市ロリングだ!
そうなるといろいろ準備しないと!食料にテントに・・・忙しくなりそうだ!
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