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愛する猫と異世界へ  作者: 絵濡亥 家尾
1章 異世界で初めての街
21/80

21話 トールと楽しい場所?

「ヒナタ! ここだ!」


 トールさんに連れられるがまま、着いた先は教会? のような学校? の様な場所だった。


「その様子だと、ヒナタはこういう場所は初めてみたいだな。

 ここは、まぁ簡単に言うと孤児院って奴だな。」

「はぁ、孤児院ですか」


 孤児院は初めて見たので、正直よく分からないがトールさんの楽しい場所がここなのかな?


「あ! その顔はあんまり、ワクワクしてないな!しょうがないなぁ〜

 スゥおーい! ハヅキ! カイト! マナ! アキト! チカ! ルカ! ライム! ナビト! イヴァン! 遊びに来たぞ〜!」


 トールさんがおそらく孤児院の子供たちの名前を呼ぶと、地響きの様な揺れが近づいてくる。

 すると、わぁっと蜘蛛の子を散らした様に孤児院の扉から子供たちが出てきた。


「トールだ!」「トール兄!」「トールさんだ!」「こんちにわトール兄さん!」「遊べ〜!!」


 トールさんに子供が群がる、相当好かれているのが見て分かる。


「トール兄さん、こっちの人と猫ちゃんは?」


 と1番上の子と思われる、男の子がこちらに気づいて質問をトールさんにする。


「おう! このお兄ちゃんはヒナタ! そっちの可愛い猫ちゃんはクリーム色の方がモコちゃんと黒色の方がキキョウちゃんって言うんだぜ!」

「はい! 僕はヒナタって言います、みんなよろしくね!」

「にゃん!」

「みゃ〜」


 と僕達の紹介をトールさんがしてくれる。


「・・・新しいお兄ちゃん?」


 とまだ幼い女の子が首を傾げて言ってきたので、思わず


「そうだよ〜」


 と言ってしまった。これはしょうがない事だ。子供は可愛い!


「ヒナタ兄って呼んでも・・・いいですか?」

「もちろん!」

「ずるい! 僕もヒナタ兄さんって呼んでもいいですか?」

「もちろんいいよ!」


 その後は、子供たちのお兄さん認定されてしまった。悪い気はしないがちょっと照れくさい。


「ヒナタ兄さん、猫ちゃん達と遊んでもいいですか?」

「いいよ! ただ、キキョウはまだ小さいから気をつけてね! この約束を守れる人〜?」

『はーい!』


 子供たちは、嬉しそうにモコとキキョウに駆け寄るが、優しく撫でるなど、とても可愛がってくれている。


「ヒナタ兄、これ使って猫ちゃんと遊んでもいい?」


 子供たちの1人が猫じゃらしを手に持って、聞きに来る。

 この世界にも猫じゃらしあったのか・・・あとでどこにあったか教えてもらお〜


「うん! 使っていいよ!」

「わーい!!」


 なんか無邪気に遊ぶ、子供と猫は絵になるな!


「ヒナタ俺はちょっと院長と話すことがあるから、子供たちと遊んでてもらってもいいか?」

「はい、大丈夫ですよ!」

「ありがとな」


 トールさんはそう言って孤児院の中に入っていった。


「ヒナタ兄、ヒナタ兄! 遊ぼ!!」

「いいよ〜何して遊ぶの?」

「マンドラゴラが泣き叫ぶやろ〜」


 女の子からすごい単語が飛び出してきた。

 マンドラゴラが泣き叫ぶ? なんだその物騒な物は?


 よくよく話を聞いてみると、だるまさんがころんだだった。

 マンドラゴラが泣き叫ぶをやってみたんだが、子供ってすごい。

 全力疾走した後にピタッと止まれるんだもん。ちょっとずるい事をしようとする子もいるけど、それも可愛い。


 一通り子供たちと遊び尽くした後に、トールさんが年配の女性と孤児院から出てきた。


「ヒナタ! ありがとな! こっちのばあさんは、孤児院の院長してる、ババンさん!」

「こんにちは、孤児院の院長をやっているババンと言います。ヒナタさんの話はトールからちょくちょく聞きますよ」

「こんにちは、ババンさん! 改めて僕はヒナタって言います、こっちのクリーム色の猫はモコ、黒色の猫はキキョウって言います!よろしくお願いします!」


 そのあとは、孤児院で食事を一緒に取らせてもらえる事になった。


 出てきた食事は、温かいスープ、黒パン、リンゴのような果物、あと牛乳?質素と言えば質素なのだろうが、とても美味しかった。

 特に牛乳?は濃厚で味が濃く美味しかった。

 猫には別にご飯を用意してもらった。ほんとにありがたい限りだ。


 食事の後、子供たちは睡魔に襲われたのかすぐに眠りについてしまった。子供は寝るのも大事な仕事だ。


 子供たちが寝た後は広間のソファに座りながら、トールさんとババンさんと話すことになった。

 モコとキキョウは僕の隣で寝ている。モコが丸まって寝ている上にキキョウが仰向けでお腹丸出しで寝ている形だ。

 いつも通り可愛さ全開である。

 丸まっているモコも可愛いのだが、キキョウのポンポコお腹も可愛い!


「ヒナタ、今日は本当にありがとな、あいつら猫と遊びたい、遊びたいってずっと言ってたんだ」

「いえいえ、こっちも楽しかったです」

「そう言ってくれるとありがたい」


 その時のトールさんは、いつもと雰囲気が違かった。

 すごく真剣で感じだった。よく分からないがそんな感じだ。


 そのあとは、モコとキキョウを起こさないように抱き抱えて、宿屋までトールさんに送ってもらった。


「じゃあ俺は今夜は孤児院に泊まるから、ゆっくり休めよ、ヒナタ」

「はい! トールさんも!」

「ヒナタ・・・いやなんでもない、おやすみ」

「?おやすみなさい」


 トールさんが何かを言いかけたがなんだろうか?

 まぁなんかあったらいつか言ってくれるだろう。


 そのまま部屋のベッドでモコとキキョウを起こさないように僕も眠りについた。


牛乳で思い出したのですが、猫ちゃんは牛乳に含まれる乳糖を分解できないらしいので、猫の健康のためにあげるのはやめましょうฅ•ω•ฅ

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