第32話 昇り龍⑦
ね、寝てないよ?
「周りが見えない……これ入るべきじゃ無かったのか?」
やっぱり中は暗かった。
「どうしようか……戻ってみるか」
感覚を頼りに走った道を歩いて戻る。
「あれ?ここら辺に扉があったはずじゃ?」
もしかして鍵をかけられたのか?まずい、戻れなくなったぞ!
「どうしようか……戻れないし、先に進むしかねぇのか」
暗闇の中を進まなければ行けなくなった。
「ゆっくり歩いてみるか」
もし走って何かヤバいやつに触れたら今は俺一人だからだいぶキツいしな。
カチッ
「え?今なにかに触れて……」
爆弾とかヤバい物だったらどうしよう、俺死んでしまうぞ。
バシュッ
周りが急に明るくなる。
「うおっ、眩しっ!」
でも良かったぁ、全然だいじょ……
「な、なんだよここ……」
周りに培養液に漬かっている動物や、2匹、3匹ぐらいが結合したモンスターなどが沢山いた。
「まさかここって……どう言えば分かんねぇけど、ヤバい研究所か!」
だったら不味いぞ、恐らくここは大分放置されているから老朽化があるはずだ……しかも全てのモンスターが凶暴化しているからその気になれば出てこれるかもしれない。
「後ろはドアが閉まってるから……逃げ道は前に進むしかないか」
モンスターを刺激しないように……ゆっくりと……
バリン!
「ガラスが割れたような音……ま、まさか」
後ろを振り返ってみると、やはり改造されたモンスターがいた。
「ちょっと待て……もしかしてまだ気づいていないか?」
それだったら……
ビーッ!ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「アラーム?何が起こってるんだよ?」
『実験体が逃げ出しました!今すぐ実験棟にいる者は速やかに避難してください!』
「やべぇな、後ろは閉まってるから前に行くしかねぇか」
モンスターに刺激を与えないようにゆっくり歩く。
『実験棟を閉鎖します』
「閉鎖?不味い!走らないと!」
出口が閉められたら一巻の終わりだ!
『ガァァァァ!!』
やっべそりゃ気づかれるよな!
バリン!バリン!
「どんどん割れてく!でも後ろは見ない!」
後ろを見た瞬間殺されるような気がしてやまない。
「見えた!出口がある!」
でも閉まって行ってる!急げぇ!
「ウオラァァァァァ!!」
あとちょっとしかない!飛び込め!
「ラァァァ!がぁ!」
何かに爪で切られた、でも、ギリギリ入り込めた。
「あー、痛ってえ……ていうか、この空間なんだよ?」
大きな穴みたいな……上を見てみると空が見える。
「なんだ?ここ」
ピピッ
電子音が鳴る。
『古代研究所をクリアしました……』
「古代研究所?」
『クリア報酬としてアイテム、精霊樹の液を獲得しました……クリア者を転移させます』
体がふわりと浮く。
「ちょ、状況が上手く読み込めない!」
『クリア結果として、イベントを開始します……』
「え?イベント?」
『クリア者を転移させます……』
視界が白く染まる。
「どういうことだよ!」
ごめんね




