小さな1歩
「ただいまリュー」
「おかえりなの」
帰って誰かに、迎えてもらったのはいつぶりだろう。高校を卒業してからの3年間、ろくに休みも取れなかったので実家にも帰れなかった。
少しむず痒くなった。
「リュー俺、レベル上がったんだ」
しかも必要な経験値の上昇がなかった。そう伝えるとリューは驚いた表情で何かを探し初めしばらくして1冊本を俺に持ってきた。
「これは?」
「英雄譚なの、ここからずっと東のガルダンの街で生まれた歴代最高レベル、ガイアのお話なの」
リューは俺に、その本を読んでくれた。
ガイアは俺の同じく、必要経験値の異常を起こしていた。幼い頃からいじめられて初期値は18000だったそう。だがあきらめずガイアはレベル上げに励んだ。そしてレベル2になった時、必要経験値が増えるのではなく減っていたそうだ。ここからガイアは必死でレベル上げ勇者と呼ばれるようになったと。
だがこの世界には魔王がいた。ガイアが魔王と戦った時のレベルは1891、その時レベルアップに必要だった経験値はたったの1だった。ガイアは魔王を倒しレベルアップと同時に消滅したのだそう。
そしてガイアは万能の勇者として、語り継がれた。
リューはもし俺が、これから先も経験値の上昇も減少も無ければガイア以上の英雄になれるかも知れないといった。
「でも、ただのおとぎ話なの」
「上げて落とすのやめてくれる?」
この時俺は、ワクワクが止まらなかった。なってやる絶対、万能の勇者に。
「頑張ってなの」
そう言ってリューはニコリと笑った。
ありがとうリュー、これもリュー助けてくれたおかげだ。だが表情読むのやめてくれー!
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次は長めの話になります