下積みも悪くない
「よっしゃー!やってやるぜ」
俺はリューに見送られ2度目のレベル上げにでていた。
あのスライムにはメタリンという名前をつけお供として連れてきている。洋服もスーツからリューに貰った服に、剣と盾も借りてきた。
準備は万端だ。
「とりあえず足でいいか」
そして俺は真っ先に確かめたい事があった。それはリューに借りた本の中にテイムした魔物から得られる特殊効果があるというもの。
例えば青いスライムだと速さ上昇『微』、緑だとHP上昇『微』らしい。
これは魔物をテイムした時点で発動はしているが、魔物をテイムした状態で経験値を獲得した際に初めて何の恩恵かわかるのだそう。
そしてメタリンの効果は、恐らく防御上昇だろう。俺はスライムを踏みつけステータスを開いたそのには
メタリンの特殊効果【獲得経験値+100%】の文字。
まさかの斜め上だった。だがこれは俺にとっては最高の恩恵。日頃の行いがいいからだなきっと!
「メタリンお前は最高のパートナーだよ!もう大好き愛してる。」
メタリンは体をプルプルさせている。多分喜んでいるはず。多分。
それから俺はひたすらスライムを狩り続けた。
目に見えるスライムを狩り尽くした俺はステータスを開いた。職業の欄は未だに『なし』、だがその横に今までに無かった文字があった。
「スライムキラー?」
その文字をタップすると説明らしき物がでてきた。
スライムキラー
発動条件 武器を使わずにスライムを500匹倒す。
効果 スライム系に与えるダメージ+100%
スライムからのダメージ半減
会社で変な資格取らされて、結局何の役にも立たなかったことを急に思い出した。だってスライムレベル1でも一撃で倒せるし。
気を取り直しスライム狩りを再開する。まぁ俺?スライムキラーだから?この辺のやつ狩り尽くしちゃうよ?なんてばかにしながらスライムを踏みつける。
「え、全然力いらないじゃん」
スライムキラー舐めてましたすみません。効率が上がった俺はその後もスライムを狩りまくった。
そしてついに
「こいつでやっとレベルアップだ!」
スライムの核を踏み抜く。すると今までに無い力が内側から湧いてくるような感覚。これがレベルアップか。
ワクワクしながら俺はステータスを開いた。
名前ー桜海アキト 性別ー男
職業ーなし 称号ースライムキラー
メタリンの特殊効果【獲得経験値+100%】
LV.2 SP2
HPー41 MPー20
力ー16 防御ー19
知力ー18 器用ー11
速ー14 運ー36
次のレベルまで10000EXP
「ほんとに上がってる。すげぇ…」
運と防御が結構上がってるようだ。他はあんまりだが、少し豪華になったステータスと初めてのレベルアップに感動している。だが1つ異変に気がついた。次のレベルに必要な経験値が増えていないのだ。
「これってもしかして」
俺はここで初めて自分の秘めた可能性に気づいた。
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