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第7話 キノコ料理と武器適性

「おおっ!?」


 テーブルに並んだ料理を見て思わずうなり声を上げてしまった。

 幾つもの更に多種多様な料理が盛られている。

 汁物までついているではないか。


「えへへ……まあ、そんな大したものじゃないよ。」

 いやいやリゼットさん、これは大したものだ。


「さぁ、さぁ、座ってよ。」


 促されるまま椅子に着く。

 両手を合わせ『いただきます』。

 リゼットが不思議そうな顔をしていたが説明はそのうちしよう。

 文化として食前の祈りとかそういうものがないか一瞬頭をよぎったがそういうものは無いようで良かった。 

 まず取っ手付きのカップに注がれたスープをすする。

 程よい温度で飲みやすい。

 具としては何かの根菜とキノコ類と思しきものが入っていた。


「それはオロックテールっていう野菜とっていうカタカタダケっていうキノコのスープだよ。」

 

 一瞬、大丈夫かそれって思う名前のキノコだったが美味いので問題はない。

 他にもプロセリという薄い葉物野菜でキノコを巻いたもの。

 玉子焼きの様なものにキノコを混ぜたもの。

 そして……


「あのさ、モリモリ食べてるのは嬉しいんだけど、そろそろ『キノコばっかりじゃねーか』というツッコミは無いのかな?」


「え、何か問題が?」


 俺の反応にリゼットが目を丸くする。


「いや、安い食材ばっかりで何と言うか……」

 

 まあ、キノコは安いからな。

 だが美味い。


「キノコは栄養も豊富でしかも美味い。それにリゼットが作ってくれたんだから更に美味いぞ。」


 その言葉にリゼットの顔がみるみる赤くなっていく。

 む、やらかしたようだ。

 自然と思うままに言葉を紡いだが冷静に考えよう。

 今の言葉は危険だな。軽い口説きに分類されるかもしれん。

 

「参ったな……そんな風に言われるとどう反応すれば……」

 ごにょごにょと呟きながらリゼットはスープを飲んでいた。

 この状況を変える一言、何か気の利いた言葉が必要と見た。

 しかし、何を言えばいいものか……


「このキノコのソテー、最高だな。感動した。きっといい嫁さんになるぞ。」


「ぶーーーーっ!!」


 リゼットがスープを盛大に吹き出しテーブルに突っ伏した。

 ああ、やってしまったか……

 それからリゼットはテーブルを拭き、何かをぼしゅぼしゅ呟きながら俯いて食事をしていた。

 


「なあ、冒険者ギルドっていうのにはどうやったら登録できるんだ?」

 

 食事が終わりしばらくして。

 ようやく平常運転に戻ってくれたリゼットに質問を投げかけた。


「え?冒険者登録のこと?えーと、試験を受けるんだよ。最下級モンスターの討伐とか、納品とか。それがクリア出来たら5等初級冒険者になれるんだ。お兄さん、冒険者になるの?」


「どうにかして金を稼がないとと思ってな……」


 今のままだと完全にヒモ状態だ。

 何かしら生活の基盤を作る必要があるだろう。


「え、まさかお兄さんここを出てどこかへ?」

 

 リゼットが不安げな表情を浮かべる。


「いや、そういうわけじゃない。だが寝る場所や食事まで提供してもらってるからな。その分は金を稼いで渡さないと。」


「あ、ああ。そういう事か。びっくりした…あまりにもボロいから嫌になったのかと心配しちゃって。」


 リゼットの表情がぱーっと明るくなる。

 何だこのかわいらしい生物は。

 

「それじゃあ、明日は朝イチで武器屋に行かないとね。」

「武器屋?」


「そう、冒険者は自分に合った武器を扱うんだ。適性は人それぞれなんだけど武器屋だとそれを調べることができるんだよ。」


 リゼットが説明を始めた。

 それによると適性はAからEまでの数段階あり、これは熟練度も兼ねているらしい。

 元々、剣の適性が高い人はCかDくらいからスタートするそうだ。

 ていうか普通にアルファベットを使ってるな。

 共通する文化要素があるのは助かる。

 リゼットは元々は槍の適性がDで短剣はEだったらしい。

 だが「何か尖り具合が怖い」とかいう謎の理由で短剣ばかり使っていたところ、今や短剣はC適性まであがったらしい。

 継続は力なり、というやつだろう。

 さて、俺はどんな武器に適性があるのだろうか……


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