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第42話 リゼットが色々と動揺しまくった件

 それにしても人間と生物の融合か。

 人間のサイズで元となった生物の特性を持つというのは驚異かもしれん。

 例えばノミが人間サイズならどれだけの跳躍力を持つというのだろう、とかな。

 こいつに力を与えたという存在も気になる。

 何と言うか大事に巻き込まれてる感が半端ない気がする。

 とりあえずまずは様子見でローキックを脚目掛けて放つ。


「痛っ、脚痛っ!痛いわ!!」


 普通に効いてるな。

 なんかこのまま普通に攻撃しても勝てるかもしれんが……


「ええい、脚ばかり狙って卑怯者めが!!」


 ベルグのボディ表面がぶつぶつと噴き出しそこから俺目掛け無数の種が飛んできた。

 種は俺に着弾すると爆発を生む。


「むぅ……」


 至近距離で受けたというのもあるが地味に痛い。

 

「もう一杯もらっていけーー!!」


 再度種が飛んでくる。

 すると紅色刃の装衣を纏ったリゼットが前に出て種をナイフでひとつ残らず弾き落とした。


「何ィ!?」


「お兄さん、迂闊に近づきすぎ!いくらダルガルマの戦い方とは言え危ないよ!!」


 いや、だからダルガルマとかそういうのじゃないんだがな俺。

 それにしても装衣使いか。

 先の戦いまで隠していたというリゼットの戦闘スタイル。

 非常に珍しいスタイルらしいがいったい彼女は何者なんだろう。

 それに記憶が一部戻った際にアイテムが出て来るシステム、通称俺ガチャから出たという金色の鍵。あれはどんな効果があるのだろう。

 恐らくは新しい装衣とかそういうものなのだろうが……


「すまん。しかしふざけた見た目の割にこいつ厄介な能力だな」

「これがレギオンの力というものだ!種爆弾は撃ち落とせたかもしれんがこれはどうかな?」


 言うとベルグのあごのあたりからボコボコと液体が噴き出す。

 もしや最初に俺達に放ってきた攻撃、即ち消化液攻撃か?


「熱いっ!あごが熱い!!ちょっと溶ける!!」


「馬鹿だよ!お兄さん、やっぱりこいつ馬鹿だよ!!」


 激しく同意だ。

 何と言うか色々と残念な合体だな。


「ええいっ、食らうがいい。放物線を描き迸る情熱!!」


「絶対ヤダ!本気で喰らいたくない!!」


 ベルグの言う通り放物線を描きながらばら撒かれる消化液を斬り落とすわけにもいかず、リゼットは逃げ回る。

 うわぁ、何かすごく嫌な光景……


「近づけない!こうなったら……」


 リゼットが金色の鍵を取り出す。

 お、使うのか!

 リゼットが空に鍵を掲げ円を描く。

 すると空間が開き空色の装衣が姿を見せた。


「行くよ、飛天の……」


 言った瞬間、恐らく飛天の装衣なのだろう。

 それはリゼットに覆いかぶさるのではなく好き勝手に空中を飛び回り始めた。


「うぇぇぇぇっ!? ちょっと、こっち!こっちだから!」


 しかし装衣は言うことを聞かず自由気ままに飛んでいる。

 ていうか意思とかあるんだな装衣って……


「お願い!いい子だからこっち来てぇぇぇっ!!」


「フハハ、何だそれは!自分の装備に振り回されているとはとんだお笑い種だな。とは言えよく見ればそれなりに整った顔はしている。どうだ、お前俺の2号さんにならないか?」

「どうぇっ!?」


 おいおい、結婚式直前にほかの女を口説き始めたぞこいつ。


「俺の夢はハーレムを作ることでな。その2番手にお前を据えてやろうというわけよ。どうだ?」


「君、それ本気で言ってる?色々とマジでドン引きなんですけど……」


 激しく同意その2だな。


「というかハーレムとか言ってるけどそもそもお前、本人の意思フル無視してるよな……」


「俺がハーレムに入れてやると言ってるのに断る理由がないだろう。」


「お前、本当にメンタル強いな。ある意味尊敬するわ……」


「ていうかお前、どこかで見た顔だと思ったらようやく気付いたぞ。最近活躍してる期待の大型新人じゃねぇか。そう、ナナシとか言うやつだ。」


 期待の大型新人ねぇ。

 単に個人的興味と生活の為に色々な依頼を受けまくってるだけなんだがな。


「なるほど、確かお前もハーレムを持ってたな。つまりそいつはお前の女というわけか。」


「うぇっ!?うぇぇぇぇ!?ちょ、ちょっと待って。ボ、ボク!!?あわわわ……」


「落ち着けリゼット。頭がおかしいやつのたわごとだ。そもそも俺はハーレムを持ってない。確かに女性3人と同居しているが清い関係だハーレムではない。それに犬もいる。」


 いや、ある意味ハーレムな気もせんでもないがパーティなんで別に恋愛関係にあるわけでもないし……うん、ハーレムじゃないな。


「そ、そうだよね。ボク達は仲間。ハーレムじゃない。うん、うん……」


 胸に手を当てリゼットが深呼吸する。


「お前……犬もイケるのか?それは引くわ。」


 ベルグが驚きに満ちた表情で俺を見ていた。


「お前、本気で馬鹿だろ……とりあえず、だ。お前みたいな馬鹿はぶっ飛ばしてやらんといかんな。」


「そ、そうだよね。ていうか飛天の装衣ってばそろそろこっち来てよぉ!!」

 

 すると装衣は空中で動きを止めしばらく考える仕草をした後、仕方がないという感じでリゼットの元へ飛んできて覆いかぶさる。

 空色をした装衣を纏うと同時にリゼットの獲物がナイフから長剣へと変化した。

 装衣が変わると武器も変わるのか。


「よしっ、それじゃあ魅せてあげるよ。この子の能力をね!!」

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