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「えっと…………そのですね…………」
黒板に書かれた問題に和成は頭を抱えた。
清々しいぐらい答えが出て来ない。
「2」
「へっ？」
ベッと悪戯っ子のように舌を出してそう言ったのは和成の隣の席に座るショートカットに左の方の前髪にピン留めをしているのが特徴的な少女の中野歩だった。
「えっ…………答え…………2？」
「合ってるが何で疑問系なんだ」
和成に不信感を抱きながらも前田は授業を進めた。
ホッと胸をなでおろし和成は歩にお礼を言った。
「サンキュー、歩！」
「これに懲りたらちゃんと授業聞くのね」
ふふんと歩は口元を上げ、和成を見下したように笑った。
（これさえなきゃ可愛いのになこいつううぅ）
和成的にはクラスメイトの中でも歩は一番と言っていいほど可愛いと思う見た目をしていた。
