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初手、平凡な疑問
僕の名前は深井 考太。どこにでもいる普通の高校二年生だ。
僕はこの16年間の平凡な人生で様々な平凡な経験をしてきた。そしてその平凡な経験から平凡な感情を抱き、平凡な感想を言った。
ある時、僕の頭の中に平凡な毎日に対する平凡な疑問が浮かんだ。それも一つや二つではなく、いくつもいくつも、非凡なほどに平凡な疑問は積み重なっていった。
それが、僕の心理にもう一つの世界が展開されるための最初の一手だった。
君たちが何者で、どうやって僕の心理世界を覗いているのかは今はあえて聞かない。そして僕の心理世界を覗くのも許可しよう。
僕がどうやって「平凡な外側」から「非凡な内側」を形成したのか。この平凡とも非凡とも言えない体験談から何かを感じ取っていってくれ。




