ぴんくのりぼん。
朝のごはんの後、お昼寝・・・ううん、朝寝して、少しだけイフさんのお部屋の端にかかってたイフさんのものであろうマントにじゃれついてた。
それから、ほんのちょっぴり叱られて、お部屋にきたエイルさんにもふもふされて、それからまたお昼ごはんにおいちー焼き魚食べて、ほんのちょっぴりブロッコリーもどきに挑戦した。
ブロッコリーもどきは次に出てきてもなんとかきっと食べられることが判明♪
実はほんのちょっぴりだけ、んにゅ?けっこういける??とか思っちゃった。
そんなこんなで今はイフさんの自室?執務室?に帰ってきたんだけど・・・エイルさんはニコニコしながら片手にピンク色のリボンを持っているわけで・・・。
「さぁユキちゃん。もうすぐ謁見にお出かけしなければなりません。せっかくですからおめかしして行きましょうね。」
そう言われて私の首にピンク色の少しだけボリュームのあるリボンを付けられてしまった。
近くにあった銀器の水入れで確認したら、真っ白でふあふあな毛並みにチェリーピンクの瞳とピンクのリボンをつけた私が映る。
あっち向いたりこっち向いたりでいろんな角度からその姿を確認していた私にエイルさんとイフさんは笑っていた。
「そんなに見直さなくてもよく似合っている。」
「ふふ。ユキちゃんはやっぱり女の子だったんですね。姿を確認する仕草は人間の女性と変わりません。」
えー・・・?
人間の女の人ほどお化粧したりおしゃれしたり、私は時間かかってないと思うんだけどなぁ・・・。
それにリボン用意してつけてくれたのはエイルさんだもん。
じーっと鏡を見ていて、ふと懐かしさを感じる。
あの世界で付けていた首輪には、小さくてまんまるな鈴がついていた。
私は今と同じくらい小さかったから、ご主人様が見つけやすいようにって鈴のついた首輪をつけてもらったことがある。
私が歩くとりんりんと鳴るあの可愛い鈴の音が大好きだった。
いつだったかなぁ・・・いつの間にか鈴はなくなっちゃって、私の首には薄汚れた赤い首輪だけが残ったんだっけ・・・。
その首輪もこの世界に来る前には擦り切れてちぎれてしまってなくなっていた。
もうこの首には付けることはないと思っていたのに、ふわふわのピンクのリボンが私の首には飾られている。
なんだかとってもくすぐったい気持ち。
じーっと自分の姿を見つめていたらイフさんが私の頭に手を置いた。
「気に入ったか?」
「みゃぁっ。」
「イフ様。よかったですね。顔を真っ赤にして選んだかいがありましたね。」
「・・・一言多い。」
「それは申し訳ありません。ふふ。」
イフさんが選んでくれたりぼんっっっっ!!
ぱぁぁぁぁ・・・。
瞳を輝かせて溢れた嬉しい気持ちを持て余して走り回ったらエイルさんとイフさんは優しく笑って見守ってくれた。
とっても嬉しいにょっっ。
ピンクのふわふわリボンでおめかしした私はイフさんに連れられて、イフさんのいた建物から続く長い渡り廊下を渡って、ごはん食べる建物を通り過ぎて、更にその先に続いている大きくてながーい渡り廊下を通って、そして今、とてつもなく大きな建物の前にきた。
ほわぁ・・・おおきいにょ。
ぽかんと口を開けたままの私をだっこしたまま、イフさんは迷いなくその建物の中へと足を進めた。
もしかしてここが王様のいるところなのかな?
私の中の小鳥のような心臓がバクバクうるさい。
膨らんだしっぽが気持ち悪い・・・。
イフさんは私の膨らんだしっぽを見て目を丸くしているけど、そんなこと気にしていられるほど落ち着いていない私はふるふると震えていた。
大きな扉を潜って入ったお部屋はとてつもなく大きなお部屋で、奥には両サイドに階段があって二階へと続いていて、更にその奥にはまたまた大きな扉が見えた。
階段の下には大きな赤い立派な椅子があるけど、王様はあそこに座るのかな?
すでに来ていたアルフさん、マナさん、ジンさんは、穏やかな表情でそこにいて、マナさんとジンさんは入って左側に、アルフさんは右側に向かい合うように立っていて、守護精様のそれぞれの後ろの壁際には補佐役のリアンさん、ルイさん、アクラムさんが控えていた。
遅れて入ってきた王立研究院のリーフさんも、私をチラリと見て微笑んだ後に入ってきた扉の横に移動してそこに控えた。
イフさんはゆったりとアルフさんの隣りまで進むと、みんなと同じようにマナさんたちと向かい合うように横を向いて、小さな声で大丈夫だと言ってくれる。
どきどきしながら待っていると、奥の階段の上の扉が開いて、サラサラの黒髪に黒い瞳の20代後半くらいの綺麗な男の人と、金色の髪に空のような青い瞳の20代半ばほどの男の人が階段をおりてきた。
金色の髪の男の人は、頭の上に大きすぎないシンプルな、でもとても綺麗な冠をのせていて、ひと目で王様だと分かったけど、あの黒髪の男の人は誰なんだろう。
イフさんの補佐をしているエイルさんみたいな存在なのかな?
どきどきしながら見ていたら、イフさんたちも、補佐の人たちも、リーフさんも、目を伏せて片手を胸に置いて少し頭を下げた。
私もしたほうがいいのかな?ってそんな器用なこと出来ないけど・・・。
王様だろう男の人はそんなイフさんたちを見渡して穏やかに微笑みを浮かべて小さく頷いている。
黒髪の男の人は王様の座っている椅子より少し前に歩み出ると、よく通る綺麗な声でリーフさんを呼んだ。
「王立研究院、長、リーフ殿。前へ。」
「はい。」
呼ばれたリーフさんは静かにイフさんたちの間にある赤い絨毯を歩いて王様の前で静かに礼をすると、王様へ顔を向けた。
・・・ぅぅ。
なんだかしーんってなってる場所って苦手だ。
緊張するにょ。




