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片手の騎士と・・・  作者: 微々七巣
魔法の義手編
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第三話片手の騎士と代償と・・・

「で!!ギンロウの左腕を取り戻す方法は本当にあるのか?」

ウッドとギンロウの話を聞き、ギンロウを騎士科の授業に

説得して(無理やり)連れて行くことはやめることにした。

左腕を取り戻せればきっとギンロウは戻ってくる、そう思ったエルスは

ついついはやる思いでウッドを睨み付け、問いただす。

「あるにはある、といった所だ。確実とは言えないが、不可能とも言えない。」

睨み付けながらも、ギンロウを心配する声色のエルスに思わず苦笑しながらも説明するウッド。

「失敗する事も十分に考えられる。もう一度確認するぞ、それでもやるのか?」

ギンロウはさも当然のように頷く、

「やる!方法があるならなんだってやるさ!」

「私も手伝える事があればなんでもする。」

エルスも頷く。そんな2人を見たウッドは諦めた様子で腕を取り戻せる方法を語りだそうとしたが、

『キーンコーンカーンコーン』予鈴の鐘が響く。

「続きは放課後だ!」

ウッドの言葉に「仕方ないか・・・。」といった感じに頷く2人。


そして、放課後。三人そろって廊下を歩いていた。

「何処行くんだ?ウッド!?」

問うてくるギンロウにウッドは

「お前らもよく知るエルフの姫様に会いに行く!」

「ユフィのところへ?」

自分達の姫君を気安く呼ぶ彼を軽く睨みつけ訂正する。

「ユフィーリア様だ!!」

「で、なんでユフィのところへ?」

訂正する気のないギンロウを睨みつけながらも理由を語るウッド

「姫様は、精霊魔法だけでなくルーン魔法にも精通していらっしゃる。」

「ルーン魔法?エルフだから精霊魔法は当然としても、ルーン魔法も得意なのかユフィは?」

「???」

ウッドとエルスの会話についていけない様子のギンロウ。

この世界な魔術について簡単に説明すると魔力を呪文、魔法陣などで

炎、風などに変換させる技のことで、基本的にはどんな種族も体内に魔力を持っている。

種族や個人によって魔力の量に違いがあり、強力な呪文を知っていても魔力が少なければ

当然使えない。

魔術の中に精霊魔法と呼ばれるものがある。これは、精霊と言う存在に、呪文や魔法陣の

変わりをして貰い魔法を発動させる。

精霊はどこにでも存在はするが、自然が多く水や空気のきれいな場所を好む。

そのため、森の民であるエルフは精霊との相性が良いようで、精霊魔法を得意としている。


「以上が、魔術そして精霊魔法についてだ!あくまで簡単な説明だがな!」

そういうウッドはギンロウに「解ったのか?」と、問うような視線を送る。

「まあなんとなくは理解した。で、さっきの説明に出なかった、ルーン魔法てのは何なんだ?」

逆に問いかけるギンロウにウッドは

「ルーン魔法は古代に使われていた、ルーン文字を使用した魔法だ。文字を書き、それに魔力を通す。

 それだけで組み合わせた文字によって様々な効果が発揮される。だが・・・。」

説明するが、最後だけ言葉を濁らせた。

「何か問題が?」

エルスの問いに頷くウッド。

「ルーン文字の解読は完全ではないんだ。だから出来ることも限られる。」

納得するエルス。ギンロウはまだよくわかっていなかったが、

「結局、ユフィのところにいってどうするんだ?」

と聞く。ウッドは少し考え

「いって説明したほうが早い。」

と、歩き出す。ギンロウも、エルスも疑問は置いておきとりあえずついて行くことにした。


『ルーン文字研究室』

ウッドが立ち止まった部屋の扉に、そう書かれていた。

ウッドは部屋をノックし

「姫様、ウッド・クレインです!ギンロウを連れてきました!」

中から返答があった

「どうぞ、おはいり・・・。」

『ガラガラガラ』と返答の前に扉を開く音がした。

エルフの姫君は扉を開いた人物が誰かわかると笑みを浮かべた。

彼女の名前はユフィーリア・フォレスティア。

長い白銀の髪は少しウェーブがかかっていて、光の反射でキラキラと輝く。

エルフ族特有の透明感のある肌で顔立ちは美しく、微笑む様子は優しさと愛らしさを含んでいた。

胸はエルスには負けるが1m近くはあるだろう。大きな胸を揺らしながら椅子から立ち上がり、

扉を開け入ってきた人物に話しかける

「相変わらず自由な人ですね?ギンロウ様。」

「様付けはやめてくれ、ユフィ!」

ユフィの発言に文句を言うギンロウの頭をエルスがはたく、

「せめて返答を待ってから開けろ!ちなみに私もいるぞユフィ!!」

いつもどうりな二人のやり取りに笑みを浮かべながらエルスに挨拶を返すユフィ

「エルスも元気になったようですね。最近、いろいろ悩んでいたようですが?」

「こいつの馬鹿を見ていると、悩んでいるのが馬鹿らしくなってしまったよ!」

力強い笑みのエルスに微笑み返すユフィ。

そんな会話の中、突然な事態にしばらく固まっていたウッドが呟いた

「仲がいいのは知っていたが、ここまでとは・・・。」

「そんなこといったら俺とお前がこうしているのも不思議だけどな!」

そういうギンロウに思わず吹き出し

「確かにな!」

ウッドの相槌に頷き返し、改めてユフィのほうを向き

「で、どうやったら俺の左腕を取り戻せるんだユフィ!?」

と言うギンロウに、「おや?」と思いウッドをの方を見るユフィ

「もう説明したのですか?ウッド?」

ユフィに問われ慌てた様子で

「いえ!!まだ何も!!」

「とにかくユフィのもとへ行けば分かるとしか聞いてないよ。」

緊張しすぎのウッドの返答に、それを補うエルス。

「てっきりウッドがこれからユフィに頼むものと思っていたが・・・、

 どうやら違うようだな?いつから気付いていたんだ、ギンロウ?」

「ウッドからユフィの名前が出たときかな?こいつがユフィに頼み事をするはずないんだよ!

 だから俺の左腕をどうにかする方法も、むしろユフィが見つけてウッドに相談してたんだろ!

 んで、こいつが口を滑らしたんであらかじめユフィには俺が来ることを連絡していたんだろ?」

相変わらず微笑みながらも少し申し訳なさそうにユフィは

「本当でしたら、もっと詳しい事が解ってから連絡しようと思っていました。」

と言った。

「失敗するかもって話も関係してるのか?」

問うギンロウに、ユフィは言葉を濁し

「それもありますが、もし成功しても・・・」

「成功しても?」

「二度と魔術が使えなくなります!」

思わず口を噤んでしまうエルスに対しギンロウは

「で、どうするんだ!」

迷いなく言った。半ば予想していたのかユフィは問う

「よろしいんですか?」

「構わない!俺は胸を揉めてついでに剣が振れればいいんだ!

 もともとこんな体にならなければ正直、魔術も勉強する気はなかったしな!!」

ギンロウの言い草に思わず頭を抱えるエルス。ユフィも少々呆れた笑みを漏らす。

ちなみにこの世界の騎士はどんなものでも簡単な初級魔法ていどは使えるのが常識だ。

一番の理由は魔物の脅威に対抗するためだ。弱い魔物の中にも斬撃や打撃を無効にしてしまう

特殊な敵もいる。魔術師が一緒にいればいいが、いない場合にも対応できるのが騎士というものだ。

そんな騎士の常識を気にするユフィに対して、もう一度はっきり告げるギンロウ

「俺の事を考えてくれるのはありがたいが、それでも俺は左腕を取り戻したいんだ!!

 なぜなら・・・。」

瞬間、ユフィの目の前からギンロウが消える。そして、ユフィの大きな胸を後ろから揉んでいた。



なんとか更新できました。

次話はユフィとの出会いを

書こうと思います。


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