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片手の騎士と・・・  作者: 微々七巣
姫と武闘祭編
26/27

第六話エロ騎士と親と怒れる姫君とメイドと・・・

タイトル通りの話です。

「それで、エルスの相談ってのは何なんだ?」

シズネたちの報告を聞き終え、ギンロウはエルスの相談の内容を問うた。

「そうだな・・・まずは、・・・。」

エルスはセシリアの事情を含め全てを説明した上で、武闘祭への選手として

参加してくれるかどうかをギンロウたちに確認した。

「ふ〜ん、なるほど!それでか〜・・・。」

エルスの話を聞き、シズネはなにかを納得する。その様子を疑問に思うギンロウ。

「なにがそれでなんだ?」

「えへへへ、ひ・み・つ!」

シズネのその答えに、なにも答える気がない事を理解したギンロウは諦めて

エルスに自分の意思を告げる。

「俺は問題ないぜ!まあ今の俺の実力だとかなり厳しい祭りになりそうだが、

それでもいいなら力を貸すぜ!」

「当然、私も・・・。」

「拙者でよければ・・・。」

「ちょっと・・・怖いですけど・・・。」

「私自身、参加するのはいいんだけど、精霊は参加できるのかな?」

全員が参加する事に同意をしてくれたことに、取り敢えずの安堵をするエルス。

「みんな、ありがとう!シキのことだが、まあ大丈夫だろう。精霊が参加することを

禁じてはいなかったはずだ!」

「それは禁止してないだけで、そもそも精霊の参加自体が異例なんじゃないかしら?」

「まあ、何とかなるだろ!」

ギンロウの楽天的な意見に皆が頷く。かくしてギンロウたちは武闘祭への参加を決めた。


その日、ギンロウの屋敷に泊まることとなった一行は、シズネを除いた女性陣だけで

お風呂に入っていた。

「ん〜〜!大きなお風呂だな!」

「確かに、これならゆっくりくつろげますね!」

「ふ〜〜!お湯もちょうど良い湯加減で御座る!」

「・・・♪」

「ふひ〜〜!」

思い思いにくつろぐ女性陣。そんな中に堂々と現れるギンロウ。

「俺も一緒にはいるぞ!」

あまりに堂々とした態度だったことと、ある程度そう来るだろう予想していたこともあり

女性陣の動揺は少なかった。

「このスケベ!少しは遠慮しろ!っ・・・あ、んん・・・く、いきなりすぎだろ・・・あっ!」

ギンロウに一応の文句を言おうとするエルスに対して、彼は彼女の胸を揉みしだき黙らせ様とする。

「・・・・・はぁはぁ、あ、んむ・・・・。」

それでも文句を言おうとするエルスをギンロウは口付けで黙らせる。まだ文句を言いたそうな視線を

彼にエルスは送るものの、結局なにも言わずに火照った身体を鎮めるために湯船から一旦上がる。

エルスが、そばから居なくなったギンロウは次の標的に狙いを定めるのだった。


全員の体の感触とキスを楽しんだギンロウは満足そうに風呂に浸かっていた。

「ふ〜、満足、満足!」

その周りには顔を赤くして疲れた様子の女性陣がいた。

「お前らのぼせないように注意しろよ!」

全員が「誰のせいだよ!」と思ってはいたが、口に出せないほどクタクタだったので

軽く睨みつけることで意思を示した。そんな風呂場にシズネも入ってきた。女性陣の様子を見て、

「こら!あんまり女の子をいじめちゃダメよ!」

とギンロウを叱りつける。

「いじめてなんかないさ!愛してただけだ!」

シズネの言葉にも自信満々に返すギンロウの顔面をシズネが思いっきり蹴飛ばした。

「ぐはっ!」

「いいから!あんたはとっとと出なさい!」

ギンロウは蹴られたところ押さえながら、

「なんでだ?」

と問う。

「ちょっと女の子たちと秘密のおしゃべりをするから、男子は立ち入り禁止よ!」

シズネにそう言われ渋々ながらも風呂から出て行くギンロウ。

「さて!あ、そんなに硬くならなくてもいいわよ。」

恋人の母親から秘密のおしゃべりをすると言われ、思わず緊張君になってしまう一同に

シズネはそう声をかけた。しかし、まだまだ緊張が抜けない一同を微笑ましく思いながらも

シズネは真剣な表情に変わる。

「ます、みんなにお礼が言いたいの。ギンロウのことを今まで支えてくれてありがとう!」

シズネに頭を下げられ、お礼まで言われた一同は驚いてしまう。

「いきなりこんなこと言ってごめんね。でもちゃんと言っておきたかったから!

あの子が腕を無くした時、私たちはそばにいてあげられなかった。

だけど、帰って来て見たあの子の表情に落ち込んでいる様子がなかった。

むしろ前以上に生き生きしてるぐらいだったわ!きっとあなたたちのおかげね!」

シズネの言葉を聞き、そう言われ皆嬉しそうな表情だ。

「そう言ってもらえるのは、大変ありがたいのですが、

彼なら私たちがいなくても立ち直れてたと思います。」

「それだけじゃないわ!彼の腕のこともどうにかしてくれたのでしょ?

あなたたちのような子がいてくれて本当に良かったわ!」

シズネからの母親としての感謝の言葉を受けて、みな心が暖かいものに包まれたように感じた。

その後、シズネと女性陣は秘密のおしゃべりに花を咲かせるのだった。


一方、風呂から上がったギンロウは父親であるシンと話をしていた。

「ギンロウ・・・お前自身も言っていた事だが、今のお前たちの実力では武闘祭を

勝ちあがるのは難しいだろう!」

「分かってるよ。それでも勝たなきゃならん!まずは特訓だな!」

ギンロウの言葉にシンは頷く。

「そうだな・・・しかし、武闘祭にでる選手は皆、この時期は自分の技を磨いていて当然だ!

生半可な特訓ではだめだろうな!」

「それじゃあ・・・?」

「俺たちが特訓をつけてやる。まあ、かなり厳しいものになるがな・・・それでもやるか?」

シンの問いにギンロウは嬉しそうに返す。

「ああ!あ、でも他の皆にも聞かないとな?」

「確かにな。まあそれは、明日でもいいだろう。今日はゆっくり休め・・・とゆうか早く寝ろ!」

「へいへい。」

そう言いながら寝室へと向かうギンロウの肩を、シンが掴む。

「ちょっと待て・・・そっちはお前の部屋じゃないだろう?」

「いやだって、今日はエルス達と寝ようかと・・・。」

「あほか!だから寝ろと言っただろうが!いくらお前らが恋人同士でも、少しは節度をわきまえろ!」

シンはギンロウの首根っこを掴みギンロウの部屋へと引きずっていく。

「くっ、無念!」

ギンロウは諦めたようで大人しく引きずられるのだった。こうして夜は更けていく。


次の日、エルスは一行をセシリアに紹介するため王城へ向かう

「親父たちも一緒に来るのか?」

シズネやシンも同行することに疑問を感じたギンロウが二人に聞く。

「うん!まあ、私たちは別件だけどね!だから途中で別れるわ。」

シズネの答えに納得したギンロウに今度はシンが問う。

「それはそうと昨日の件はもう話したのか?」

「いいや!姫さんと会った後に話そうと思ってる!」

ギンロウとシンのやり取りに全員が疑問符を浮かべる。

「昨日の件とは何で御座るか?」

「後で話すよ!」

ギンロウの返しに納得いかない表情だったが、今聞くのは諦めて再び王城へと進む一行だった。


シズネとシンと別れた一行は、セシリアの部屋へと来ていた。

「昨日、相談したばかりでもうメンバーを集めてくれるなんて、さすがはエルスですわね!」

「ええ!そうですね!」

セシリアとレイラに褒められて、照れた様子のエルスだったが直ぐに真剣な表情に変わる。

「メンバーは集めたがほとんどがまだ学生だぞ・・・良かったのか?」

「仕方がありませんわ。現状ではこうするしか手がありませんし・・・

それにあなたが連れてきてくれた者ならば信用できますしね!・・・あら?

なんだか一人足りないのではありませんか?」

セシリアにそう言われ一行はお互いを見合う。確かに一人足りない。

さっきまでそこにいたはずの人物が居なくなっていた。そのかわり別の場所に人影があった。

レイラの真後ろだ。人影は素早い動きでレイラの胸を揉みしだく。

「え・・・?ふあん・・・く、このぉ!」

いきなりの事で変な声を出してしまったことに頬を染めながらも、後ろの人影に向かって

回し蹴りを放つレイラ。しかし、人影はそれを躱すと突然の事態に呆然としている

セシリアの後ろに立つ。当然のようにセシリアの胸を揉む人影。

「ひゃ、あん・・・や・・・ん・・・くっ、この無礼者!」

なんとか硬直を解いたセシリアは腰のレイピアを抜き、人影に向かって突きを放つ。

人影は突きを躱すとセシリアの正面に移動する。

「あなた!いったい何者ですか!?」

セシリアの問いに人影は答え・・・ることは出来なかった。何故なら五つの殺気によって

人影はボコボコにされたからだ。


全員が落ち着いたところで、ボロボロの人影もといギンロウを置いといて話を再開する一同。

「なんなんですのあの方は?」

落ち着いいたものの怒りが抜けないセシリア。レイラも横で同意するように頷いている。

彼女たちの怒りはもっともなので謝るしかない一同。

「すまない!こんな事する・・・・奴だったことを忘れていた。」

「言い訳になってませんわ!」

「うう・・・本当にすまない。ほら、ギンロウも謝れ・・・?あれ、どこ行ったんだ?」

倒れていたはずのギンロウはいつの間にかいなくなっていた。

「先ほどの男性なら部屋から出ていきましたけど。」

レイラの言葉にセシリアは呆れたようにため息をつき、エルスに疑惑の視線を投げかける。

「ふ~・・・エルス!本当にあの方がメンバーで大丈夫ですの?」

セシリアの疑問に苦笑いしか返せないエルスは取り敢えず他のメンバーを紹介していくのだった。


一方、セシリアの部屋から思わず逃げ出してきたギンロウは城の廊下を適当に歩きながら、

自分の先ほどの行動について考えていた。

「なんでだろ~な~?」

先ほどからギンロウに頭の中にはこの疑問でいっぱいだった。

確かにギンロウにとって美人で胸の大きな女性の胸を揉むのは当然の行動だった。

以前までの自分なら。しかし彼女たちという恋人が出来てからは、

彼女たち以外の女性の体を触りたいとは思わなくなったし、実際にしていなかった。

だから今日セシリアやレイラに対して沸き起こった感情がよく分からなかった。

その為、思わず逃げてきてしまったが、彼は後悔していた。

「は~・・・やっちまったな。せめて姫さんたちにちゃんと謝らなきゃいけなかったな・・・

あいつらの怒りももっともだしな~・・・こうゆうのも浮気に何のかな~・・・

よし!謝りに戻るか!・・・ってゆうかここはどこだ?」

色々考え込んでしまい気付けばよく分からない場所にいたギンロウ。

するとタイミングがいいのか目の前を誰かが歩いていることに気付き声を掛ける。

「お~い!悪いんだけどよ、ここがどこか教えてくんね~?」

「ん?」

声を掛けられた相手が歩みを止め振り向く。振り向いた相手は、

この国の王子にして王位継承権第一位を持つ、ユリウス・セイクリッドだった。



次回、決闘です。

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