第一話片手の騎士と下着選びと・・・
今回の内容は番外編でもよかった・・・。
その日、ギンロウはシキとのデートを楽しんでいた。
「何だか嬉しそうだね?」
「美女とデート中だからな!」
「昨日も、一昨日も、その前の日も美女とデートだったんだよね?」
「そうだな!んで、今日もだからよけいに嬉しいんだよ!」
「君はプレーボーイの自覚を持った方がいいな。どうせ色んな女性にそんな台詞を言ってるんだろ?」
「さ〜.あ〜ね〜?それより次は何処に行きたいんだ?」
誤魔化す様な言葉に飽きれながらも、シキはどうしようか考えようとした時に風が吹いた。
その風はシキのスカートを大きくて捲る。幸いな事に彼女のスカートの中を見たのは
ギンロウだけだった。しかし彼が見たスカートの中は肌色一色だった。
「シキ・・・お前、下着は?」
「下着?ああ、人間が服の下に履いてるアレだね?履いてないよ!」
「履いてないってお前・・・。」
シキの堂々とした物言いに今度はギンロウが呆れる。そもそも精霊であるシキに服を着る習慣が無い。
ギンロウ達と会った時に着ていた服も、適当な物を魔力で作っていただけなので裸とあまり変わらない。今回のデートでは制服を着ていたものの、下着の事など意識すらしていなかった。
「よし!次何処に行くか決まったな!」
「何処かな?」
「下着売り場だ!」
「で、私たちが呼ばれたわけか?」
下着売り場の前にはギンロウ、シキの他にエルス、ユフィ、カエデ、ネートが呼び出されていた。
「すまんな!でも俺だけだとどんな店で、どんな物を買えばいいのかわかんね〜だよな!」
「それは構いませんけど・・・でどうします、エルス?」
「取り敢えず個室を用意してもらおう!この人数で店内を見るのは、お店の邪魔になるからな!」
そう言いエルスは店と交渉しに行った。許可はすぐに出て、一行は個室に移動した。
「それじゃあまずは、みんなの下着を見してくれよ!」
ギンロウの一言にシキ以外が固まる。
「この場でか?何のためだ?」
「単純に興味があるのと、選ぶ参考にするためだ!」
エルスの問いにギンロウはハッキリと答える。エルスはユフィ達の様子を伺う。ユフィは苦笑、
カエデは呆れ顏、ネートは恥ずかしそうにだったが全員が頷き返すのを見て、エ
ルスは観念したように告げる。
「分かった!まずは私から・・・。」
そう言ってスカートを捲るエルス。スカートの中を覗き込むギンロウとシキ。
「へ〜!以外だな!」
彼女の下着はシンプルなものだった。薄いピンクで真ん中に小さなリボンがついている。
真面目な彼女に似合ったいるが、少々子供っぽいとギンロウは感じた。
ギンロウの言葉にエルスは顔を曇らせる。
「変か?」
「いや、もう少し大人っぽいのを穿いてると思ってたからな・・・でも似合っているぜ!
かわいいしな!」
「そ、そうか?」
ギンロウに褒められエルスは油断していた。突然ギンロウに下着ごとお尻を揉まれる。
「こら・・・あ・・・何するんだ!!」
「え?ああ、下着の感触を確かめようと・・・。」
「軽くでいいだろ!!」
下着を見るためしゃがんでいたギンロウは、脳天をおもいっきりエルスに殴られる。
エルスは怒りながらギンロウから離れる。入れ替わるようにユフィがギンロウの前に立つ。
「いて~・・・次はユフィか。」
「はい!恥ずかしですけどしっかり見てください。」
ユフィがスカートを捲る。
「おお!」
エルスと違いユフィの下着は大人ぽかった。色は白だが豪華な刺繍が入っており、
ガーターベルトが付いている。
「どうですか?」
「うん・・・よく似合ってるぜ!セクシーだしな!それじゃあ感触を・・・。」
言いながらユフィの尻を揉むギンロウに対しエルスは顔を真っ赤にしているだけで特に何もしない。
「あれ?怒らないのか?」
「ん・・・まあ、多少の事は恋人になったんですから許します。ただし・・・。」
「ただし?」
「私たち以外の子に何かしたら・・・分かっていますね?」
ユフィの発言とその迫力に思わず手を離してしまうギンロウ。
「わ、分かってるって・・・・」
「よろしいです・・・では次ですね?」
そう言いながらユフィはギンロウから離れ、カエデが彼の前に立つ。
「うむ!次は拙者の番で御座るな!」
カエデはスカートを捲る。その下着は・・・。
「は?カエデ・・・?」
ふんどしだった。
「どうしたんで御座るか?」
「いや・・・お前っぽいけど・・・これって東の国の男が穿くものだよな?」
「うむ!そうで御座る。しかし拙者は父からこれを穿くように、幼いころから
言いつけられているで御座るよ!」
「そうか・・・まあ似合っているし、結構エロいな!でも普通のも見たいから、今度選んでやるよ!」
「本当で御座るか?ぜひお願い・・・あ・・・ん、いきなりで御座るな・・・。」
喋ってる途中でギンロウにお尻を揉まれるカエデ。しばらくされるがままされた後、
ネートと交代する。
「次は・・・私です・・・。」
ネートも直ぐにスカートを捲るが前の3人より恥ずかしがっている。
下着は青のストライプ柄だった。
「よく似合ってるぜ!ネートにぴったりだ!」
「ありがとうござます・・・あん・・・いきなりですね・・・。」
感想を言うとギンロウは、ネートのお尻をいきなり揉んだ。
「嫌か?」
「いいえ・・・ひゃん・・・あ、でも恥ずかしいです・・・。」
顔を真っ赤にしながらも抵抗しないネート。
「ふ~ん!下着って色々有るんだね!」
自分の下着選びに来ているのに、一番他人事なシキだった。
その後なんとかシキの下着を買った一同。
「よし、後はどうしようか?」
エルスの問いに一同は考えていると・・・エルスの伝聞石に連絡が入る。
伝聞石とは手のひらサイズの魔法の石で、登録してある他の伝聞石と連絡することが出来る。
石を持ちながら登録した相手の事を思い浮かべることで連絡を取り合うことが出来る。
「すまない・・・ちょっと出るぞ?」
「ああ良いぜ!」
エルスは皆に了解をもらい伝聞石に出る。
「もしも・・・ああセシリアか。どうしたんだ?ん・・・。」
「セシリアって誰なの?」
シキの問いにユフィが答える。
「この国の王の娘・・・つまり姫君ですね。昔からエルスとエルスの両親は、
王家の方々と親しい様なので知り合いでもおかしくありません。」
そんな会話をしているとエルスと姫との会話が終わる。
「わかった!すぐに行くよ。ああ気にしなくていい、それじゃあ後で。」
「どうした・・・何かあったのか?」
「ギンロウ・・・すまない、セシリアに・・・姫に呼ばれた。すぐに行かなくては。」
「そっか!こっちは問題ないから・・・一応気を付けて行けよ?」
「ああ!行ってくる!」
この連絡が彼らを騒動に巻き込むことをまだ誰も知らない。
次回、姫様登場です。