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片手の騎士と・・・  作者: 微々七巣
魔法の義手編
19/27

番外編カエデとネートとギンロウと・・・

カエデとネートの番外編です。

今年最後の更新です。

拙者の名はカエデと申す。この日は拙者は慌てていたので御座る。ネートが医術科の実習中に行方不明になったとの知らせを受けたからで御座る。教員と騎士科で捜索隊を作ることとなった際に、選ばれた騎士科の上級生が拙者に知らせてくれたので御座る。拙者は慌てて探しに行こうとしたで御座るが、その場に一緒に居たギンロウ殿やエルス殿に止められたので御座る。

「焦るな、カエデ!まずは状況の確認が先だ!闇雲に探しても見つかる物も見つからない!」

「ギンロウの言う通りだ!それから探索の許可を学園に貰わなくてはな!」

「しかし・・・。」

「とにかく落ち着け!エルス、学園の許可をもらって来てくれるか?カエデは俺と一緒に医術科のクラスで話しを聞きに行くぞ!」

「分かった!」

「分かったで御座る・・・。」

拙者とギンロウ殿はネートと同じクラスの者に詳しい話を聞いたで御座るよ。実習の内容は薬草の採取で御座った。学園近くの森で薬草を採取するだけで御座るが、ネートは一人で探していた様で、実習終了時間になっても帰って来なかったので御座る。その話を聞いてギンロウ殿は何かを思い出した様で御座った。

「もしかしたら彼処か?よし、いくぞカエデ!」

「ギンロウ殿!ネートがどこに居るのか心当たりがあるので御座るか?」

「ああ!前にネートが話していただろ、良質な薬草が大量に有る洞窟を見つけたって!」

「そういえば!しかし、本当にそこにいるので御座るか?」

「十中八九間違いないな!今回の実習で採取した薬草がどうなるか知っているか?」

「は?・・・あ・・・。」

「分かったか?身寄りのない子を集めた施設なんかに無料で寄付するんだ!ネートの性格ならなるべく多く集めようとするだろ?」

「それはわかるで御座るが、それならばなぜ一人で?」

「その洞窟って壁とかが脆い材質で出来ていて、崩れやすく危険な場所みたいだからな。そんな危険な場所に誰かを誘う奴か、ネートは?」

違うで御座る。強くそう思ったで御座る。その瞬間、ギンロウ殿に腕を掴まれ引っ張られたで御座る。

「それじゃあさっさと探しに行くぞ!」

「え?学園からの許可は・・・。」

拙者はそれ以上何も言えなかったで御座るよ。ギンロウ殿が握る腕の強さ、そして焦ったような横顔、それで気付いたので御座る。ギンロウ殿も本当は直ぐにでもネートを探しに行きたかったので御座る。しかし闇雲に探してもネートを見つけられるわけでは無いので御座るから、一旦冷静になって情報を集めたので御座るな。そんなギンロウ殿を愛おしくも頼もしく思ったで御座るよ。そして同時にある事に気付いたで御座るよ。

「もしかて始めから学園の許可は取らずに・・・だからエルス殿にいかせたので御座るな?」

「エルスは真面目だからな。まあ許可は後でもいいだろ?」

そう言う悪戯っ子の様な笑みも、魅力的に見えてしまう・・・本当に拙者を惑わす困った御仁だ。


ん・・・ここは・・・どこ・・・?私・・・ゆれてる・・・?違う・・・誰かの背におぶさっている・・・?

「ん・・・え・・・?」

「お?起きたか?」

それはとても優しい声でした・・・。

「ギンロウさん・・・?」

「ああ、そうだよ!あ、まだ動くな。」

「でも・・・その・・・あの・・・私・・・。」

「いいから!怪我人はじっとしていろ!」

「そうで御座るよネート!」

「カエデ・・・ギンロウさんも・・・ごめんなさい・・・。」

私はゆっくりとだけど自分の状況を思い出しました・・・。確か実習中に薬草をたくさん取るため洞窟に一人できていたはずです・・・。そこで足を踏み外して3mほどの高さから転落して・・・そこからの記憶が無いので恐らく気を失ってしまったんだと思います・・・。それでギンロウさんたちが救出してくれたのかな・・・?

「謝るぐらいなら、無茶をするな!」

「そうで御座るよ!でも、無事で良かったで御座る・・・。」

「うん・・・ありがとう・・・あれ?・・・カエデが手に持っているのって・・・。」

「うむ!薬草で御座る!ギンロウ殿に言われネートに簡単な治療をする間に、集めておいたで御座るよ!」

「どうして・・・?それからこの傷の治療もギンロウさんが・・・?」

「ガキ共にたくさん届けないとないけないからな!まあ、簡単な治療なら俺でも出来るよ!ガキの頃から怪我が多くてな・・・親に治療の仕方を徹底的に仕込まれたからな〜・・・。」

「そうだったんですね・・・。それに薬草も・・・ありがとうございます・・・。子供たちも喜んでくれると思います・・・。」

「ネートは施設の子供たちと知り合いなので御座るか?」

「うん・・・実習で施設に行った時、仲良くなったの・・・。」

そんな話をしているうちに、私はいつの間にかギンロウさんの背中でまた眠ってしまっていました・・・。ギンロウさんの背中は大きく暖かくて、とても安心出来ました・・・。その後、学園に到着後、たくさんの方にお叱りと無事を喜ぶ言葉を頂きました・・・。その日以来、私はギンロウさんに甘える事が多くなりました・・・。頭を撫でられたり・・・褒められたり・・・時々、Hな悪戯もされるけど・・・とても嬉しかったです・・・。


あの日から色々あって・・・今では恋人と呼ばれる関係になりました・・・。そして今日は初デートの日・・・嬉しいけど恥ずかしいので・・・、

「あれ?カエデに・・・ネート?なんで二人なんだ?」

そうなんです・・・。昨晩・・・カエデとデートに付いて話していたら・・・カエデもデートの経験が無いので、どうすればいいのか分からない・・・とゆうことでした。そこで二人で相談して二人一緒にデートすることにしました・・・。

「そうか・・・んじゃ、今日は三人でデートだな!」

「いいんで御座るか?」

「いいんですか・・・?」

「別に問題ね〜よ!一人一人のデートはまた今度な?」

「はいで御座るよ!」

「はい・・・。」


来年より新章開始です。

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