#4
始業式。お馴染みの校長先生の話の長さ。
みんなに睡魔を撒き散らす校長。
少しだけ、少しだけ寝ちゃおう。
私は瞼を閉じて俯いた。爆睡とまでは行かないけど、眠ってしまった。
でも校長の話が終わった後、直ぐに目を覚ますことになった。
だっていきなり女子の歓声が聞こえたんだもん。耳にキーンってきて・・・。
「・・・え?」
教壇に立っている人を見て私は目を疑った。
・・・あら、私、視力落ちた?
そう、あそこに立っていたのは隆ちゃんだったから。
もしかしてあの時、女子たちが話してたイケメンって・・・隆ちゃん!?
あまりの驚きにさっきの睡魔なんてどこかへ飛んでいってしまって。
それに・・・彼がまさかの担任という知らせ。
教室に戻って担任が来るのを待っていたら、そこに隆ちゃんが登場した。
やっぱり女子たちからは「かっこいい」とか「若いねー」とか。
まあ、確かにかっこいいし若い。でもね?同居してる人が担任って・・・。
禁断・・・ってやつですか?なんて一人でツッコミ。
「藤倉隆矢、今日から君たちの担任をすることになった。担当は数学」
・・・またまた私が苦手な数学。私のテストの点見て貴方はきっと驚くでしょうね。
「せんせー、いくつですか?」「彼女いますか?」
次々と質問が飛ぶ。
「全部秘密」
クールすぎない?隆ちゃん。さっきからニタニタした笑い方。
私が大好きなあの笑顔はどこへ?
っていうか家帰ったら問い詰めないと!先生と生徒が同居なんてありえないし!
ホームルーム終了後、私は由梨に先生と一緒に暮らしていることを告白した。
「はぁ!?すご!恋の予感じゃーん」
なんてのん気に言ってられない。事態は意外と深刻だったりする。
家に帰り、さすがに先生だからまだ帰って来れないことは知っていた。
だから私は部屋に行き、鞄を机の上に置いて私服に着替えた。
その後、ソファに座って寝転んでを繰り返しているうちに睡魔が襲ってきた。
時刻4時30分。
隆ちゃんが帰ってくる前に起きればいいかと考え、ソファに寝転んで眠ってしまった。