表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/22

#3


 ガシャンッ


「何事!」


物音がして私は咄嗟に目を覚ました。


私はリビングに向かうとキッチンに隆ちゃんが立っていた。


「・・・何してるの?」


「え、朝食」


・・・黒い、目玉焼き?ってこれ目玉焼き?


時刻は朝の5時。目覚まし時計より早く起きてしまった。


「もう、隆ちゃん料理下手!」


その発言の後、久々に口にした「隆ちゃん」って言葉に異常に反応してしまった。


「わ、わ、わ私するから、会社に行く準備でもしてて」


慌てる私を見て彼はまた、あの笑顔。


「ほんと変わんねー、はははは」


どうしてだろうね。この笑顔を見るとこっちまで笑顔になれる。


私はキッチンに立ち、朝食と弁当の用意をした。


隆ちゃんはソファに座って、テレビをつけ朝のニュース番組を見ていた。


小さい頃から思ってたけど、やっぱ・・・隆ちゃんってかっこいい。


なんていうか、尊敬っていうか・・・憧れかな?


なんて思いながら私はお母さんに仕込まれた手料理を着々と進めていった。


「できたよ~」


まあ、朝食だからパンに目玉焼きにサラダという簡単なメニュー。


「うお、さすが美咲のママ」


「いや、作ったの私だから」


それにしても、隆ちゃんとは何年ぶりなんだろ?11年ぶり?


「おおー、うま!久々にマシな飯食った!」


・・・そりゃあ、よかったです。今まで何食べてきたんですかね?って突っ込みたい。


私も朝食を食べ終わると学校に行く準備をした。


「よし!いってきまーす」


「いってらっしゃい」


とっても新鮮。お母さんじゃなくて、隆ちゃんが・・・あの隆ちゃんが送り出してくれる。


学校まで約30分。


私は久々の学校にドキドキしていた。春休み明けが一番苦痛。


学校に着くと靴箱の前にクラス表が貼られていた。


「みーさーきー!」


そう叫びながら私に抱きついてきたのは小学生からの付き合い、親友の白石由梨だった。


「私たち同じクラスだよ!やったよ、やったよ~!」


そうはしゃぐ由梨。確かに由梨がいてくれて助かる。


それに相談事・・・隆ちゃんのことも言おうと思っていたし。


私たちのクラスは2年C組。そういえば、明後日は入学式だった・・・。


私と由梨はC組の教室の戸を開け、中に入る。


・・・新鮮。こんな人いたっけ?って人とかテンション高いなーって人とかいっぱいいる。


「そういえば、新任の先生がすっごいイケメンって聞いたんだけど」


そこらへんの女子の会話から聞こえる。


そんな情報どこから仕入れているんだか・・・。


なんてのん気な考えをしていた私がバカだったんだよね・・・?


この情報をもっと深く考えるべきだったんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ