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#17


「・・・ん」


目が覚めて机越しに寝ている先生を確認した。


「・・・かっこいい」


っていうよりかわいい?


やっぱり、好きな気持ちは変わらない。


「・・・んん」


先生の目が薄っすら開く。私はそれと同時に先生から離れた。


「お、おはよう」


「・・・はよ」


今日は花火を見に行くことになっている。


浴衣じゃないけど、でも先生と二人で行く花火大会。


 私たちが旅館を出たのは朝の10時だった。


「りゅ・・・先生、朝暇だけどどうする?」


「んー・・・デパートでも行くか?」


「うん!」


デパートに着いたのは30分後のことだった。


私は大はしゃぎで「これかわいい!」とか「あれいいよ!」なんて言って・・・。


そんな私に優しく笑いかけてくれる先生。


その微笑を見るたび胸が苦しめられる。


いつの間にか時刻は夕方の5時になっていた。


「いい感じの時間になったな・・・、行くか」


「うん!」


花火は海の近く。浜辺から見るととても綺麗に見えるらしい。


だから私たちは浜辺へと向かった。


親子やカップル、いろんな人がいた。


時刻は7時になる。


目の前に一つの大きな花。


「きれい・・・」


告白しようと心の中で思っていてもなかなか口に出せなくて先生のことをチラ見してばかり。


「せ、先生」


私は両手を握り締めた。


「どうした?」


光に照らされる先生の笑顔。


「・・・き・・・好きです」


好きとともに奏でられた最後の花火の音。


「あ~、終わっちゃったな・・・ごめん、さっき聞こえなかった」


・・・終わった。


花火も告白も全部、全部全部。


「い、いや、なんでもないよ!か、帰ろっか」


無理矢理笑顔を作って、泣きたくて胸が苦しい・・・。


心臓が破れそう。


ねえ、先生?本当に聞こえてなかったの?


流したんじゃないの?


だって禁断だもんね・・・。先生と生徒だなんて・・・。




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