#12
翌日から私は隆ちゃんとの仲を直していこうと努力した。
でも隆ちゃんの帰りも遅くて、朝と言っても時間がなくて・・・。
とうとうテスト当日がやってきてしまった。
隆ちゃんが教卓の前に座って、ずっと生徒の方見てるし・・・。
数学のときなんか「出来てるかなー」みたいな感じで確認しに来るし・・・。
「全然集中できないよ!数学ボロボロだよ!」
なんて由梨に八つ当たり。由梨は「うふふ」って笑ってばっかり。
「・・・全然面白くないよ?」
ねえ、由梨はこの時から知ってたのかな?
私の未来を予想できていたのかな?
テストが終わって下校の時間。
結局、あれから西と関わることは一切無くなった。
それはそれでよかったけど、隆ちゃんとの関わりはどんどん薄れていくばかりだった。
「ただいまー」
帰っても寂しい家の中。
「テストも終わったことだし、寝ようかな」
遊ぶ約束もないし、鍵閉めて、ベッドへダイブ!
直ぐに睡魔が襲ってきた。制服のまま寝ちゃってもいっか・・・ちょっとだけ・・・。
「きゃああああ!誰か!誰か!」
え、真っ黒な不審な人物!しかも左にナイフ持ってる!
やばいよ!
「美咲!」
え?隆ちゃん!?
その時、私の目の前が真っ赤に染まった。
不審者が・・・犯罪者が隆ちゃんにナイフを振り落としたから・・・。
私はただ立ち尽くしてるだけで・・・、足が震えてる。
「っは!」
なんて目が覚めて夢か・・・なんて思わなくたって夢だってわかってる。
でもすごい心臓がバクバクしてる。怖かった・・・。
ガチャッ
・・・ん?隆ちゃんかな?でも・・・さっきあんな夢見たばかりだし・・・。
でも鍵掛けたし・・・うん!大丈夫!
でもドアに耳を澄ましている自分がいて情けない。
そしていつの間にか携帯を所持。連絡先は隆ちゃんだった。
プルル、プルル、プッ
『もしもし?』
「りゅ、隆ちゃん?い、い、いい今どこ?」
『え?家だけど?』
恐る恐る戸を開ける私。壁に手を添えてゆっくりリビングへ。
そこには携帯を耳に当てて立っている隆ちゃんの姿。
る、涙腺緩んだ!
「・・・美咲、なんで電話・・・って何泣いてんだよ」
「りゅ、隆ちゃ・・・うっ・・・」
ダメだ。隆ちゃんを見ると胸が苦しくなる。
この夢は、実際に私(日向依莉)が見た夢です(2012年1月23日より)。




