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夜明けの疾走  作者: 村松康弘
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62


素早く弾倉を閉じて撃鉄を起こす。ダブルとシングルでは、銃爪の重さがまるで違う。


・・・階段の中間あたりで、右腕をつかんで喚いている日本刀男の顔面にとどめの一発をぶっ放す。


熟れたトマトを潰したように、肉や骨が四方に飛び散る。距離が近すぎるので、首から上が破裂して跡形もなくなった。


軽い編上げ靴で、血や脳漿や頭蓋骨の破片で汚れた階段を駆け上がる。踊り場から上は硝煙だらけで良く見えない。


・・・手すりの陰からそろそろと半身を覗かせた瞬間、マシンガンや拳銃の銃弾が跳んできた。何丁の銃から発せられたものか判らないが、間断なく掃射されてきた。


打ちっぱなしのコンクリートの壁が一瞬にして蜂の巣になり、中の鉄筋がむき出しになっている所もある。


跳弾やコンクリートが鋭利な破片になって飛んでくるので、腕で顔をガードしながらポケットを探る。


・・・西田の店のガンロッカーから持ち出したそいつを右手で掴み、ピンを抜いて2階のフロアーに目掛けて放り投げた。


一瞬銃撃が止む。


・・・次の瞬間、建物全体を揺るがす大音響と震動が伝わった。ガラスが割れる音が聞こえる。


2階の窓という窓は全てふっ飛んだだろう、天井に吊る下がっている物が次々に落ちてきた。


凄まじい衝撃で俺は身を屈めた。爆風は埃を巻き上げて煙になり、踊り場まで流れてくる。


俺は立ち上がり煙の中を3階へと駆け上がる。もうもうと煙にまみれた3階には、人の気配は感じられなかった。


パイソンを構えなおして4階へ上がる。ターゲットはあの腰抜けの副会長だ。


4階はパーテーションで仕切られた個室のドアが並んでいる。



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