第一章9 女神と初めての魔物討伐(1)
階段を下りて壁越しに魔物を観察する。
名前はグーグリオというらしい。
ワニとトカゲの間のような外見と大きさだ。
分類するなら爬虫類か?
俺はギルドでもらった「はじめからわかる魔物の生態」を開く。
索引からグーグリオを探す。
えー、21ページっと。
えーっと……。
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『グーグリオ』
強さ:1/5
生息域:温暖な地域 ハローラ王国周辺に多く生息
生息する階層:1~2層
グーグリオは、四足歩行で地面をはって進む魔物だぞ!
表面は硬いうろこにおおわれているんだ。
戦闘のコツ
まずは落ち着いて前足を狙おう。
動きを封じたあとは、魔法で胴体を裏返してとどめを刺そう。
グーグリオの体の裏側は表側と違ってうろこにおおわれていないから、攻撃が通りやすいのだ。
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「わかりやすい!」
「素晴らしい教材ね」
「さあ、戦闘に入るわよ」
……。
「どうしたの?」
「いや、実際に戦うとなると、ちょっと緊張しちゃうなって……ははっ……」
「なっさけないわね」
うるさいな。
こちとら異世界にきて一日目だぞ。
それに、温室育ちの十七歳。
魔物が怖くたってそれはふつーー
「あーもうっ」
リリアのドロップキック。
「うわぁぁ!」
前転を繰り返し、魔物のいる通路に弾きだされる。
グーグリオがびっくりしてこちらを見る。
俺のことを認識したようだ。
最悪だ。
「魔物があなたを認識したわよ。手順通り戦いなさい」
リリアの声が聞こえてくる。
赤い眼で俺を睨みつけるグーグリオ。
一歩、また一歩と俺に近づいてくる。
「む、むり……!」
俺は少し後ずさる。
「なんで後ろに下がるの!剣を構えてじっと待つのよ」
「無理無理無理無理!」
「無理じゃないっ」
「怖すぎるっ」
「ああ、もうっ。グーグリオは極低級魔物よ。あなたの装備があれば絶対に勝てる相手だわ。落ち着きなさい」
「うぅっ」
「情けないわ」
「こわいよぉ!」
俺はどんどん後ずさる。
そして、その場に座り込んだ。
女神は頭を抱える。
「どうしようかしら……」
「無理だよう」
「頑張るって約束したじゃない」
「した覚えがないよう」
「しました」
「だとしても無理なものは無理かも」
「……そうだわ!」
リリアは何か思いついたようだ。
「……頑張ったら……その……」
おっ?
「頑張ってそのグーグリオを倒したら……」
おっ?
「…………なんか……ご褒美あげるわよ」
「抽象的だなあ」
「パッと思いつかないわよ」
「具体的に示してくれないと、頑張れないなー」
「そんなぁ。えーっと、何か、ご褒美……」
リリアはこれまでの天界生活を思い出し、母親からもらったご褒美を思い出してみる。
リリアは思いついた。
「あ、添い寝とか」
そいね?
そいね……添い寝?!
「……言ったからな」
「い、いや、そういうのがあったなって思っただけで、ほ、他のものにしましょ、ね」
「じゃあ頑張れないなー」
「あーもう、なんでよぉ」
「……」
「ほら、なんだろ、あの、お小遣いとか、あげるわよ」
「……」
「あぅ……。そ、それなら、このポーションとか?これ、魔力たっっくさん回復できるの。ほら、さっき探索魔術を使った時に、魔力を使ったでしょ。この戦闘でも魔力を使うことになるわ。だから、このポーションはとても役に立つわ!」
「……」
「……だめ……?」
「……だめかも……」
「もう、なんでよぉー!」
「……」
「……」
「……」
「……いいわよ。もう、別に……」
やったあ!
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