表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メスガキ女神と異世界生活!  作者: ぱすたん
4/4

第一章4 文無し女神と優しい女神

ギルドを出た俺とリリアは、武器屋へ到着する。


「いらっしゃいませー」


リリアは言う。


「好きなのを選びなさい」


「やったー」


ところ狭しと並ぶ武器をじっくり眺める。


あれもいいな。

これもかっこいい。

短剣にしようかな。

でも、両手剣も捨てがたい……。


「30」


女神のカウントダウンが始まる。


「29、28……」


「いやいや、制限時間短すぎるだろ」


「はあ? 女神様が待ってあげているのよ。我慢しなさい」


「25、24……」


俺は店内を走り回る。


あった。

これだ。


俺は一際大きい大剣を手に取る。


俺の身長と同じくらいの刀身。

どんな魔物も一発で倒せそうだ。


「いいじゃない。似合ってるわよ」


「そうだろう? かっこいいだろ?このギラギラした刀身。たまんねえな」


「いかにも、男子が好きそうな見た目」


うるさいっ。

わかるけども。


「それで決まりでいいわね」


「はい、女神様」


「装備とかはもう選んでおいたから」


「へえ、どんな装備?」


……この短時間で?

……嫌な予感がする。


差し出されたのは、平凡な鉄の装備。


これ、店頭に置いてあったやつじゃない。

半額シールついてるし。

絶対適当に選んでるじゃん。


「女神様、これはよくない」


「はあ? どこがだめなのよ」


「転生者は、格好良くないと」


リリアは呆れた顔をする。


「装備は身を守るためにあるの。かっこよさなんていらないわ」


「いります」


「いりません」


「いります」


「いりません」


このまま言い合っていても埒が明かない。


「自分の装備は自分で選ばせてください」


「……わかったわよ」


心底面倒くさそうな女神リリア。


よし、次は装備だ。


俺は装備コーナーを見て回る。


武器は見た目で選んじゃったけど、装備は性能も考えて選ぼう。

どれどれ?


「足音軽減、負のオーラ、魅了チャーム……発光、軽量化…………速度増加……」


効果の種類が多すぎる。

どれを選べばいいのか全くわからない。

ああ、誰か頼れる人は……。


……そうか。

店員さんにおすすめを聞けば……。


「すみませーん」


「はーい」


「少し、お尋ねしたいことがあるのですが」


「今行きまーす」


店のバックヤードから声が返ってくる。

どたばたとした物音。

出てきたのは端麗な容姿のお姉さん。


「装備を探しているのですが、決められなくて……」


「そうなんですね。私でよければお手伝いさせていただきますよ」


「ありがとうございます!」


「もしかして、初めて装備を買われるのですか?」


「はい。ついさっきギルドに登録したばかりで」


「なるほど。それでは、魔物と戦闘した経験ないということですね?」


「ないですね……」


「それなら……」


お姉さんが手にしたのは、一着のマント。


「こちらは、羽織るだけで効果が得られる装備ですので、扱い易くて人気ですよ」


「おお! 装飾はシンプルだけど悪くない。人気な装備ということは、性能もいいのですか?」


「はい。装備したときに得られる効果は、身体能力強化と探索スキルの付与の二つです。始めたての冒険者にはぴったりですよ」


「俺が求めていた性能だ。ありがとうございます。これ、買います」


「お力になれたようで、なによりです」


微笑むお姉さん。

ああ、これが本当の女神。


「……あんた、値段見た?」


「見てないよ」


「これ、かなりいいものよ」


まあ、作りがしっかりしているし、スキルも有用だし。


「でもさ、リリアが払うんでしょ」


「……」


「女神なら、お金なんていくらでも持ってるでしょ」


「……」


「まっさかあ、武器や装備すら買えないなんてことはないでしょう?」


「……」


俺を睨むリリア。


……あれ。

あれれえ?


「……私のお小遣い、月千円なの」


「そんなぁぁ」


終わった……。


「悪かったわね、神様のくせに貧相で」


「うわぁ、大剣が、マントがぁ」


気に入ってたのに……。


「何とかできないの?」


「うーん……」


「武器や装備は大切だよ」


「そうね……」


「武器や装備無しだったら、俺の命が危ないし」


「それは確かに……」


「なんとかしてよ、女神様、リリア様」


「……わかった」


何か手があるのか?

俺に隠してた秘策が。


「お母さんに聞いてみる」


「へえぁ?!」


「お母さんに頼んだら、買ってくれるかも」


「マミーですか」


「そう。困ったときは連絡してって言ってたし。何とかしてくれるかも」


「お願いします、お母さん」


リリアはポケットから何かを取り出す。

小さなスマホのような機器。

それを操作して、耳に当てる。

俺はかがんで、それに耳を近づける


(ちょっと、近いわよ)


(別にいいだろ)


(よくない!離れてっ)


鳴り続ける着信音が、ぷつっと切れた。


「もしもし、リリア?」


「まま!」


まま、だと?


「あのね、少し話す時間ある?」


「えぇ、ちょうど今暇になったところよ」


「困ってることがあって」


リリアはここまでの流れを説明する。


「そうだったの。それは困ったわね」


「それで、武器や装備を買ってくれないかなって」


「わかったわ」


まさかの快諾。


「やったぁ! ありがとう、まま」


「いいのよ、また困ったことが起きたら電話してちょうだい」


「うんっ」


「それと、ついでにリリアの装備品も買っておきなさい」


「え?! いいの?」


「いいわよ。装備品をいいもので揃えるに越したことはないわ」


「やったあ! ありがとう」


「ふふっ。ちゃんとお店の人に相談して買うのよ」


「はーい」


「気をつけてね」


「うんっ。またね」


通話が切れる音。


「いいままだな」


「でしょ」


「優しいままだな」


「そう、世界一優しいの」


「いいままを持ったな」


「……お母さんね」


「まま、ままーって言っちゃって。かわいかったなあ」


「お、か、あ、さ、ん。ほら、買うわよ」



~~~~~~~~


「お買い上げありがとう御座いまーす」


「……武器や装備ってこんなに高いのね」


「ああ、見たことない値段だったよ……」


「これほど分に過ぎるもの、実戦で使うのに気が引けるわね」


「そうだな……」

次回 第1章5 「賢い女神と変態男」は 2/5 20:00 更新予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ