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メスガキ女神と異世界生活!  作者: ぱすたん
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第一章13 女神と冒険者と新たな仲間(2)

パーティーに勧誘してみたところ、スイは快諾してくれた。


「私もパーティーを一緒に組んでくれる人を探していたんです。でも冒険者の知り合いがいなくて途方に暮れていたんです……」


「それはちょうどよかったわ! 運命の引合せってやつかもしれないわ」


手を取り合って新たな出会いを喜ぶスイとリリアを見て俺の頭に一つの疑問が浮かぶ。


転生者だということを隠しながら、スイとともにパーティーを組むことは可能なのだろうか。

この世界の人々には正体を明かしてはならないとリリアは話していた。

俺や女神のチートスキルを見たら、ただの冒険者でないことがばれてしまうだろう。

ダンジョン崩壊については、ダンジョンの経年劣化のせいにして丸く収めたけれど、そのようなごまかしがいつまでも通じるとは思えない。

どうすれば……。


俺は女神を木の陰に連れていく。


(どうしたのよ、ハルト)


俺はリリアに耳打ちする。


(そうね、彼女がパーティーメンバーになったら、彼女に私たちが転生者と女神だということを隠し通すのは難しいわ。彼女には正直に話すしかないわ)


(だよな……)


(心配なのは、彼女がこの世界の他の住民に私たちの正体を明かしてしまうことね。より多くの人が私たちの正体に気づくほど、この世界線が崩壊するリスクが大きくなるわ。彼女だけに知らせるなら問題ないけれど、彼女から私たちの情報が拡散されるのは避けたいわ)


(そうだな……)


(でも安心してちょうだい。私、いいもの持っているの)


リリアは鞄の中を探る。


(てっててー! 黙ってチョーカーよ)


リリアの右手には禍々しい紫色のオーラを放つチョーカーが握られていた。


(な、なんだそれは……!)


(魔道具の一種よ。チョーカーをつけたものが、つけられたものに「禁句」を設定することができるの。禁句を口に出そうとしたら、チョーカーが絞まるのよ。そして、チョーカーをつけたものが触れない限り絞め続けるの)


(お、恐ろしい魔道具だな。使うのは気が引けるが仕方なしか)


(ちなみに、この魔道具は私の妹が作ったのよ)


(どんな育て方をされたらこんな鬼畜魔道具を思いつくんだ……)


チョーカーの留め具が外れた音がする。


(お前、妹いたのか)


(ええ。言ってなかったわね。私、妹3人いるの)


(マジかよ。めっちゃお姉ちゃんじゃん。妹三人はお姉ちゃんすぎる)


(ええ、お姉ちゃんすぎるのよ、私)


(こんなので、か?)


リリアは俺にチョーカーを見せつける。


(すみませんでした。お姉様)


(よろしい)



リリアがスイに駆け寄っていく。


「すいちゃーん! すこうしだけ、目を閉じててもらえるかな」


「はいっ! わかりました!」


リリアがぎゅっと目を固く閉じたスイの首の後ろに手を回す。


「いい?ルイン・ネア・スイ、約束よ。 ーー『私とハルトの全てについて、他人に話すことを禁じるわ』」


チョーカーが閉じる音が、スイの頭に響いた。


「さて、これでようやくお互いに自己紹介ができるわね」



沈みゆく太陽に照らされながら、リリアと俺はスイにこれまでの経緯を話した。

俺たちの話が終わる頃にはすっかりあたりは暗闇に包まれていた。

焚き火が、スイの驚いた顔を照らし出す。

「ま、魔王討伐ですか?! す、すごい重大な任務じゃないですか……! わたしにはとてもやり遂げる自信がありません……」


うつむくスイ。


「スイ、私たちは気まぐれであなたをパーティーメンバーに誘ったわけじゃない。スイ、君は勇敢だ。得体のしれない怪物に立ち向かう勇気を持っている」


確かに、スイはあのとき正体を知らない俺に立ち向かおうとしたんだ。


「リ、リリアさん、ハルトさん……!」


スイは顔を上げて、俺とリリアの顔を見る。

覚悟を決めたようだった。


「さあ、一緒に魔王を倒そうじゃないか」


リリアが立ち上がってスイに手を差し出した。


「は、はいっ!」


固い握手を交わす三人であった。



〜〜〜〜〜〜〜


ギルドへパーティーの登録を済ませた俺とリリアとスイ。

ギルドを出た頃にはすっかり日が暮れていた。

ギルド近くで空いている宿を見つけた俺たちはそれぞれの部屋へと向かう。

部屋に入った俺は靴を脱いで、荷物をベッドの横におく。


「はあ、つかれたぁぁー! この世界へ来て一日目だというのに、イベントが多すぎて一週間分の体力と気力を失った気分だ……」


宿のベッドへダイブする。

そのまま寝てしまいそうになる。

なんとか起き上がった俺は、階段を降りて備え付けの温泉へと向かう。


湯上がりの爽快感に包まれながら部屋のドアを開けると、寝間着姿のリリアと蔑んだ目をしたスイが俺のベッドに腰掛けていた。


「遅かったじゃない。さあ、寝るわよ」


「……年下の女の子に添い寝してもらいたいとか、最低な人ですね」


リリアを抱き枕にして、耳元でスイに子守唄と罵倒を交互に囁かれながら眠りについた。



<<<<<<<


Q. 「なあ、リリアの妹の作った魔道具って他にないのか?」


A.

「あるわ。転んだら激痛が走る靴下とか、三回使ったら血を吐いて死ぬ魔法の杖とか、被ったら死ぬまで離れないマスクとか。天界に帰れば妹の作った魔道具なんて数え切れないほど見つかるわ」

次回更新予定は未定です

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