第一章1 メスガキ女神と異世界転生
…………。
……ここは、どこだ……?
中世ドイツのような街並みのなかを、見たことのない服装を着た人々が行き交う。
なかには、獣のような耳や尾を持つ人?もいる。
これは、もしかして……!
「異世界転生……?!」
平凡な高校生だった俺、佐藤 遥斗は、どうやら異世界転生をしてしまったようだ。
生きている意味がなく、死ぬ意味もなかった日々におさらばできるみたいだ。
ああ、神様、ありがとう!
この世界に来たきっかけは覚えていない……きっと不運な事故にでもあったのだろう。見かねた神様がこの世界へ転生させてくれたのだ!
さあて、異世界転生といえば……。
「チートスキル!」
愛読書、「異世界でも浪人生活」で異世界転生の基本は履修済みだ。
いきなり大声を出した俺にびっくりする通行人。
俺は彼らに頭を下げ、そそくさと路地裏にはいる。
さあ、見せてみろ、俺のチートスキル。
魔法系か?それとも身体能力強化か?
俺はとりあえず唱えてみる。
「スキル、オープン!」
ブォォォン、という無機質な効果音とともに、夢にまで見た光景が広がる。
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ライゼ・ハルト
レベル 1
スキルデータ
運 lv.4
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…………。
えっ?
あれっ?
ああ、収まりきらなくて二ページ目に入ってるやつですか。
びっくりさせんなよー。
えっと、二ページ目とかってどうやってめくればいいんだ?
……右下の三角ボタンを押せばいいかな?
ファァン、と音が鳴り、表示が更新される。
あーもう、びっくりしたじゃないか。
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スキルデータ
虫除け lv.9
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いやー、実は虫が大の苦手でさぁ。
アウトドアとかすっっっごい苦手なタイプなんだよ。
異世界生活って自然と触れ合うこと多いと思うし、これはありがたい、ありがたい……。
「ありがたい訳あるかぁぁーー!! 剣聖 lv. maxとか、魔力 lv.100とかくれよぉ!!」
っ!まだ、次のページがある!
もうボケはいらないからな。
神様、お願いします。
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スキルデータ
IQ 5
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ほへぇ、あぅ~!
あいあー。
うーう!
……。
はぁ??
「なんなんだよ!! もうスキルでもなんでもないじゃないか!! おい、出てこい、神様ぁ!」
突如隣から女の人の笑い声が飛び込んでくる。
「はぁっはっはっはあっ、ふへえ、あぅー、だって、はあっはあっ」
俺は驚きもしなかった。
勢いよく振り返り、いかにも女神な格好をしている輩にボディーブローをお見舞いする。
「うぼぉっ」
女神は体を二つに折る。
腹を抱えて悶える。
俺は女神を睨みつける。
……あれ?
イメージしていた女神と違うなぁ。
なんか、大人な、お姉さんをイメージしてたけど。
この女神、なんか、少女っていうか……。
だいぶ幼い見た目をしている……。
「いったぁーいじゃないのっ!」
よろめきながら立ち上がる女神。
その身長は、俺より随分と小さい。
あれぇ?
おれ、こんな幼い子供に暴力ふるっちゃったのか?
もしかして、警察に行くべきかな?
「あのねぇ、女神だからって、痛みは感じるの。もう二度と暴力なんか振るわないでちょうだい!」
「……はい」
「わかればいいの」
「はぁ、自己紹介が遅れたわね。私、女神。あなたをこの世界に転生させた女神よ。名前はリリアよ。よろしく」
女神リリアは、右手を差し出す。
「俺は、佐藤 遥斗。よろしく」
俺は差し出された手を強く握った。
「別に、あんたの自己紹介なんていらない。あんたのことはすべて知ってるもの」
……。
Q. さあて、私が次に繰り出す技は何でしょう。
「や、やめなさい!暴力はダメって言った!」
A. 正解は、背負投げでした!
「あ゛うっ!」
第一章2「可愛い女神と暴力男」 は 2/2 16:00 に更新します!




