第八十四話 僕の青春
コンビニ前
僕はコンビニの前に到着した。
コンビニは一階にあり、上はアパートとなっている。
梵 あきのライン
梵 「着きました。」
着いたと言ったが正確にはコンビニが見える位置に着いた。
わからないけど、待っているのを見られるが微妙に嫌でつい集合場所から距離置いてしまう時がある。
既読はすぐについた。
そして、そのコンビニがあるアパートのエントランスから姫川さんが出てきた。
制服の上からパーカーを着ていた。
僕がコンビニの目の前にいないからか、周りを見渡していた。
すぐさま駆け寄った。
「姫川さん!」
「あっ梵くん! ごめんね急に」
「いえ、全然大丈夫です。というか自分が言ったので」
なんかとてもよそよそしく会話だった。
話すのってこんな緊張したっけ?
会ってからどうするか何も決めてなかった。
「とりあえず、少し歩きますか?」
「そうだね」
僕たちは無言のまま川沿いを歩いた。
気まずい時間が続いた。
「あっそういえば指揮者賞おめでとうございます。」
「あーそうだったね!ありがとう!」
「優勝もですね。おめでとうございます。」
「えへへ!ありがとう。B組もすごくよかったよ!」
「ありがとうございます。」
「あっ!そういえば舞台で転んだのってもしかしてわざと?」
「えっ??いやーまあなんというか。誰か言ってました?」
自分でわざと転んで時間を稼いだなんて言ってカッコつけるのは…
と僕は答えに迷った。
「なんか梵くんが必死な時って大体なんか理由がある気がして」
「あーそうなんですね。でもガムシャラなだけです。」
「そうなんだ。でもガムシャラに頑張ってたってことだね」
「あーまあそうですね。ハハハ」
姫川さんに認めてもらうのは何よりも嬉しかった。
僕は口では謙虚な態度を見せたけど内心はパラダイス気分だった。
「指揮、なんであんなにすごいんですか?」
「指揮?あーあれは上手い人の真似しただけだよ。だから実際は大したことない」
「そんなことないです。誰でもできることだとは僕は思いません。」
少し驚いた表情を姫川さんはしていた。
変なこと言ったかな?
「やっぱ梵くんは梵くんだ」
「???どういう意味?」
「…梵くんのそういう熱いところがうちは好きだなって」
「(…す…き…?)」
その言葉ともにお互いは向かい合った。
僕の収まりかけていた心臓は爆発した。
そして限界まで心臓の鼓動を高めた場合、思考すること不可能らしい。
裏路地のようなところ。人目もつかないような場所に着いた。
10秒ほど見つめあった。
10秒は短いが今の10秒は今までで一番長かった。
「僕は姫川さんが好きです。」
「うん!」
「僕と付き合ってください!」
「…………」
「…………」
「私でよければ…」
僕の心の中に生まれた感情は安堵なのか、喜びなのか。
言葉に収めることができないほど複雑で大きな感情が爆発的に膨れ上がった。
音が何も聞こえない。
僕たちは一歩ずつ前に進み近づいた。
2人とも黙ったまま。
言葉は要らなかった。
………………………………………………。
僕は中学生にして女の子の温もりと唇の柔らかさを知った。
これまで必死に考えていた青春とはなんだったのだろうか。
その答えが直接頭に入ってきたような感覚だった。
様々な情報が同時に僕の頭に入ってきたような…。
目を開けた。
いや、いつから目を閉じていたか…
どのくらい閉じていたのか…
もはや、わからない。
「これから、よろしくね。あきくん」
「はい……さき…ちゃん」
人生というのはいい事もあれば悪い事もある。
それはそうだ。
でもそのタイミングは神様の気まぐれで僕の心構えは関係なく訪れる。
僕の青春(中学生編)
完
ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。
何もかもわからないまま、ここまでとりあえず書いてみました。
ひとまず『梵あき』の中学校編はこれに完結にしようと思います。
元々ここがゴールではありました。
頭の中では大学生編までなんとなく構想はあります。
引き続き、作品は書きますが次は別のジャンルも書いてみようかと思います。
またよろしくお願いします。




