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僕の青春  作者: しらたま
第七章 僕の合唱コンクール
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第七十七話 偽装ヘッドスライディング

やっぱりかと言わんばかりの顔で瀬川さんは答えた。


「さっき、きららさんがいないから探してくるって」

「そんなことだと思ったけど、どうしよ始まっちゃうよ」

「とりあえず、こっちはうちがどうにかしとくから、ちょっと二人を探してみて」

「おっけい」


何がおっけいなのかはわからないが

僕は舞台裏から飛び出し、A組がまだ席に向かって歩いているのを確認しながら体育館の端を駆け抜けた。

よし、時間がないから行く場所は一点にしぼろう。


僕はその場で頭をフル回転した。

結論、とりあえず本校舎から体育館までの動線を走ろうと思ったと同時に体が動いた。


目を左右に動かしながら、いそうなところを隈なく流した。

体育館近くのトイレの前で僕は急停止した。


「いた!ゆっちゃんときららさん、やばいもうはじまるよ!」


トイレの手洗い場できららさんを説得しているゆっちゃん


「ほらきらら、もういこ!」

「えーでも、まだ…」


事態をなんとなく察した僕は…


「大丈夫これ使って!大きいかもだけど……」

「え?いいの?」

「…」


その後すぐに三人は体育館の端を駆け抜けていた。

A組は着席し、もうB組の合唱がいつ始まってもおかしくない状況だった。


ブーーーーー!


ブザーがなり、幕が開いた。


「やばい!」


ブザーを聞いてより僕たちの焦りが加速した。

ここで僕は二人と別れ舞台の正面に向かった。


「大丈夫、僕がどうにかするから裏から行って」


軽く頷いて二人は舞台裏へ向かった。

二人の目からは信頼と不安を混ぜ合わせたようなものを感じた。

その時、幕が開き挨拶が始まった。


「私たちB組は団結力が武器です。今回の合唱コンクールも力を合わせて練習してきました。練習の成果を皆様に届けられるよう精一杯歌います。B組は「きみにとどけよう」です。よろしくお願いします!」


瀬川さんが挨拶をしているのをまさか下から見るなんて状況全く想定していなかった。

それに本来はゆっちゃんが代表なんだけど…もうなにもかもメチャクチャだ。


挨拶が終わっても、指揮者と伴奏者がいない状況に会場は少しざわつき始めた。


よし、いっちょ行くか。部活で培ってきた怒られないための偽装ヘッドスライディング。

それとほぼ同時に僕は舞台の表の階段から勢いよく登り最後の一段あたりで転んだ。


ドテ―――!!


痛そうな音が鳴り響くと同時に会場の注目が僕に集まる。

もちろん、時間稼ぎというかわざとだったけど、自然に転びすぎたからか結構派手に転んだ。

クー地面がかてー…

痛いからなのか恥ずかしいからなのか、全身がものすごく熱い。


その隙に何事もなかったかのように指揮者、伴走者はスタンバイを終えた。

僕もすぐに自分の配置についた。


「心臓とまるかと思った。梵くんナイス!ってか大丈夫?」


瀬川さんがこそこそっとささやいた。


「大丈夫大丈夫!全く問題ない」


膝の骨の部分が痛かったけど、息を軽く切らしながら僕は答えた。

一息ついて正面を見た。

真っ暗だけどわかる。この圧倒的な人の注目。僕はここであんな恥ずかしいことを…。

後ろを見ずに突っ走ってきて正解だった。

もし、この光景を知っていたらできなかった。

全身再沸騰。


照明がやたら強くて汗が止まらない。

走ってきたのと、この舞台に立ったことで心臓が鼓動がすごいことになっていた。


きららさんとゆっちゃんが目で呼吸を合わせ

指揮者であるきららさんが構えの姿勢をとった。


はじまる・・・

僕たちのB組の最後の「きみにとどけよう」が…


つづく

ここまで読んでいただきありがとうございます。

今後もよろしくお願いします。

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