第七十話 すぐに画面上部のラインのバナーを閉じてしまったが、
その後の練習、僕は全く集中できなかった。
なぜかは言うまでもない。
帰宅後、夕飯を済ませた僕は明日に向けて早めに寝ようと布団に入った。
スマホでYouTubeを見ることにした。
最近ハマっているのは、ゲーム実況だ。
自分が好きな戦争ゲームの実況を見ている。
ゲームの中のモードで4vs4で爆弾を設置し爆破するか、相手を全滅させた方が勝ちというモードがあって
ちょうど、その実況動画を見ていた。
上手い人のプレーはとても参考になるような、ならないような。
普通に倒すどころか少しカッコをつけて倒すいわゆる魅せプのようなことも、してのけたりもする。
まるで相手の位置をわかっているかの如く立ち回るのだ。
ちょうど動画では残り人数が1vs1になり、緊迫していた。
やはりハイレベルの戦いになるとお互い位置を特定しきれないのか硬直が続く。
試合の展開から倒すのではなく爆弾を仕掛けて勝つ方にシフトした。
確かに、今のタイミングならと僕も思った。
その瞬間
バン!
ピロロン!
角待ちショットガンとラインが同時に鳴った。
色んな意味でびっくりした。
すぐに画面上部のラインのバナーを閉じてしまったが、姫川さんからであることがわかった。
動画の対決の行方は角待ちショットガンの銃弾を伏せで回避してそのまま逆に倒すという神プレーを見せた。
さすがだった。画面には勝利の文字。
角待ちショットガンは成敗して欲しかったから僕は気持ちが良かった。
動画の続きはさせおき、僕はラインの内容が気になったのでラインを開いた。
梵 あきのライン
姫川「いよいよ明日だね、緊張してきた!」
と書いてあった。
どちらかと言うと自分からラインすることが多かったし、こういう何か業務連絡以外の内容からラインが始まるのは珍しい。少し嬉しかった…いやめっちゃ嬉しかった。
梵 あきのライン
姫川「いよいよ明日だね、緊張してきた!」
梵 「指揮者の姫川さんほどじゃないですが僕もです!」
姫川「だよね〜!指揮者賞とかもあるみたい 取れるかな?」
梵 「姫川さんなら絶対取れる!と思います。応援してます!」
姫川「ありがと。でもB組の人に怒られるよw」
梵 「そうですね。ゆっちゃんが怒りそうですね笑」
姫川「確かにねwじゃあ明日頑張ろうね!」
梵 「頑張りましょう!」
姫川「うん、おやすみ」
梵 「おやすみなさい」
「ふぅー。」
僕は一息ついた。
たかがラインかもしれないが僕にとっては貴重な時間なのだ。
既読とか未読とかめんどくさいのは嫌いだけど、家で誰かと連絡を取れるのは楽しい。
小学校の時は夜が友達との時間を引き裂いていくように門限になっらた離れ離れになっていつも少し寂しかった。だからこうして、繋がれることが何気に嬉しい。欲を言えば電話だったらもっと良かった。
いよいよ明日は合唱コンクール。
体育祭の時もそうだったけど、明日になれば確実に一つイベントが終わってしまう。
なんというか、どうやっても止まらない時間の流れが憎くてたまらない。
最近はその時が来る前にこういうことを考えてしまう。
これは今が楽しくてたまらない。ということなのか僕にはまだわからない。
体を勢いよく起こし、
パチッ!
部屋の電気を消し布団をかぶった。
つづく
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今月は投稿が遅くなります。ごめんなさい…。
今後もよろしくお願いします。




