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僕の青春  作者: しらたま
第七章 僕の合唱コンクール
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第六十七話 あーどうして夜に一人で聴く音楽は人の感性をこんなにも刺激するのだろうか。

D組は担任がうちの野球部の顧問でもありシンプルにしつけというか何事にも厳しい。

だから、少し完成度って意味でも気になっていた。

もちろん、一番は姫川さんの指揮者姿だ。

D組の曲は『空駆ける天馬』という曲だ。

なんか面白い曲名だな。

姫川さんが指揮者の台を登ると一気にD組の生徒の顔が引き締まった。

姫川さんが構えるとまるで軍隊のように皆が足を開いた。


♪〜〜


曲が始まった。

あまりにも凛々しい彼女の後ろ姿に僕は一人でに惚れ直した。


独特のリズムで進行していく。

ただ、まず感じたのはB組の課題でもあった声量が他のクラスよりも2回りくらい上回っていた。

そして、男子と女子が交互で掛け合っていくパートの完成度が高くそれを完璧にコントロールしている姫川さんが何よりもすごい!

指揮者なんて手を振っているだけだと思っていたけど、そうじゃないと初めて思わされた。

曲の締めまで含めて圧倒された。

本人たちも自信があるのか、自分たちの完成度にかなり満足げな表情だった。


「すごい!」


目を輝かせていたのはきららさんだった。


「うちらもあれくらい頑張ろうよ!」


一度火がついたら、多分止まらないのが学生ってもん。

やる気のなかった全男子たち、控えめだった静かな女子たちの心にも響いたみたいだ。


D組の合唱を聞いて対抗心を燃やしたのは他のクラスも同じみたいだ。

これで予行演習は終わりとなったが、ある意味いい予行演習になったと思う。


D組…さすがは鬼顧問のクラスだ。一体どんな指導をしたんだ。

まあ、同じ空間にいるだけで、まずふざけることはできなそうなのは予想がつくが…。


その後、各教室に戻った僕たちB組の熱は冷めずどうやったらもっといい合唱ができるか真剣にみんなが話していた。

体育祭の時に感じた団結感と似たようなものを感じた。

この感じが僕はとても好きらしい。

いつも見たく騒がしい教室を眺めていると…


「どーしたの?黄昏ちゃって」

「ん?いやー、別に」


きららさんが話しかけてきた。


「なんかみんな盛り上がってるね」

「他人事みたいに。きららさんが火をつけたんですよ?」

「確かにD組のはすごかったわ。あきもあっちに行こ!盛り上がってるし。てか来い!」

「えー、僕はいいよ」


と言いながらも、きららさんの言葉に連れられて盛り上がりに混ざった。

特段何か発言する訳でもなかったけど、こっちにいた方がみんなの顔がよく見えた。

いつも誰かに引っ張ってもらってるけど…

いつかは誰かを引っ張れる人になる。そう心に誓った。


この日は時間が許される範囲で合唱の打ち合わせをしたため、遅れて行った部活ではランニングと素振りくらいしかできなかった。

夕食を済ませた後、全然疲れていなかったからか、外へ出たくなった。

スマホとイヤホンを持って散歩へ向かうことにした。


ジャージにパーカー、そしてイヤホンを身につけまるでトレーニング中のボクサーみたいだ。

夜になると、もう冬なんじゃないかというほどに風が冷たい。

すぐに散歩に出たことを後悔した。


あまり来ない公園の方へきてみた。

ベンチに座った。

流した曲はB組の合唱曲。

すっかり感化されたのかな。

聞けば聞くほど良く聞こえた。

目を閉じれば、もう自分の世界に入りきっていた。

全くデタラメな指揮を振りながら、口パクで歌う。

あーどうして夜に一人で聴く音楽は人の感性をこんなにも刺激するのだろうか。

僕は音楽の美しさに最大限の敬意を払い。曲の終わりに合わせて指揮を止めた。

決まった!

これは優勝だ。拍手喝采。


パチパチパチパチパチパチ!


妄想の拍手は鳴り止まない。

イヤホンを外すとまだ拍手は続いていた。

そう拍手は僕の妄想ではなかった。

焦った僕はすぐに拍手の音がする方を見た。


つづく

ここまで読んでいただきありがとうございます。

今後もよろしくお願いします。

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