第三十八話 偶然かな?運命かな?
ぶつかったのは姫川さんだった。
「ごめん僕が急に動いたから」
「いやうちも驚かそうと思って近づいてたから。てかなんでここに?」
「今日オフで、転校生の部活案内で周ってて。」
「B組か!転校生が来たのって。今度、紹介してよ!」
「もちろん」
てか驚かそうとしたのか!
姫川さんとまたここで会えるなんて、ラッキーだな。偶然かな?運命かな?
「そう言えば初めて会った時もここだったね!めっちゃがぶ飲みしてた」
「そうだった。お恥ずかしいです。」
「でももうそれも春だもんね。時間経つのはやー」
「みんなと楽しい時間を過ごせて僕にとっては濃い夏でした。」
「そっか。なんか梵くんが嬉しそうにしてるとうちも嬉しい。」
「え。ありがとうございます。」
「なんで感謝してんの?ウケる」
「ハハハ」
ずっと毎日これでいい。そう思った。
よく考えたら小学校の時もゆっちゃんとか冬とばかりであんまり休日に遊ぶ友達いなかったな。
僕たちは少し話した後、体育館に一緒に戻った。
観客席の方を指差し僕は
「あそこにいるのが今日転校してきた…」
あれ!いないっ!
「ごめんなさい姫川さん、どっか行っちゃったみたいです。」
「えーとあれじゃない?」
姫川さんは練習しているバスケ部を指差した。
うん、間違いなくきららさんだ。
バスケ部の練習に参加している。
しかも制服のまま。色んな意味でダメだろ。
「すごいユニークな子だね。バスケ部に入るのかな?」
「どうかな?何にでも首突っ込みそうだけど」
「どっかの誰かと似ているね」
「確かに」
心当たりありだな。
僕たちはバスケコートのライン際まできた。
3on3のミニゲームをやっているみたいだ。
きららさんはというと、そこに混ざっているのだが、対戦相手にはゆっちゃんがいた。
ただのミニゲームのはずが転校生がいるからか他の部員や男子バスケ部も集まってきて謎に盛り上がってきた。
アメリカのストリートバスケみたいな雰囲気だ。
試合は拮抗していた。
21点先取らしく現在の点数はチーム転校生が18点、チームゆっちゃんが17点でチームきららが優勢だ。
ミニゲームは本番さながらに激しく両者一歩譲らない。
ゆっちゃんの動きにきららさんが対抗しているのが素人ながらもわかった。
「すごい転校生だね!ゆかちは一年生で唯一背番号もらっているくらい上手いのに」
「ゆっちゃんってそんなに上手いのか。」
ならきららさんは本当に何者?
「ゆっちゃん?」
「あー小学校の時はゆっちゃんって呼んでて」
「そう…なんだ。いいなーあだ名」
両チーム、点を入れあい20対19で次はマッチポイントだ。
会場も盛り上がりも見せる。
「じゃあ、ゆかちが勝ったらうちにもあだ名つけて」
「え、あだ名?いいけど…、転校生が勝ったら?」
「そしたら、うちが梵くんの何かお願い聞く、簡単なやつ」
「この勝負、僕が頂こう」
僕は中途半端なキメ顔でそう言った。
20対20でゆっちゃんチームが追いつく。
次で決着が着くが攻めは転校生チームだ。
試合が動き出した。
体育館が沸いた。
オオオオオオオオオ!
きららさんがとてつもない個人技で相手をかわしていく。
今までが本気じゃなかった?とでもいうのだろうか。
すっかり姫川さんとの勝負のことを忘れてプレーに見入ってしまう。
もうゴール目前、シュートフォームにはいった。
バッ!
つづく
ここまで呼んでいただきありがとうございます。
今後もよろしくお願い致します。




