第三十三話 転校生
キーンコーンカーンコーン
夏休みが明け、学校が始まった。
夏の暑さは引くことを知らない。
懐かしいとか思っていたセミもいまだに鳴き続けている。
始業式が終わり、帰りのホームルーム前の時間。
教室は溜まった話を語り尽くす勢いで話す生徒の声で、騒がしい。
夏休みが終わり、雰囲気が変わった人がちらほらいた。
部活で真っ黒に日焼けしたやつ、髪型を大胆に変えた女子、なんか明るくなったやつ、
様々だ。
僕は何も変わらずに机に伏せながら人間観察をしていた。
ドン!
僕の目の前にあったのは手。
誰の手なのか僕は上体をゆっくり起こすとゆっちゃんのだった。
これが神の手か。
と僕は特に気にせず、再び机に伏せようとした。
「ちょっと」
ゆっちゃんが僕の頭をチョップした。
「あ痛!おい」
僕は話し相手になってやるかくらいのスタンスで再び上体を起こした。
「日直」
「え、?」
「だから日直でしょ?あき」
そうだった。日直という概念を完全に忘れていた。
日直の仕事の一つである黒板を綺麗にする仕事を怠っていたのだ。
そしてすっかり、名前呼び捨てになった。
「あー日直か」
「早くしないと先生来ちゃうよ」
「あいよー」
僕はゆっくりと黒板に向かった。
綺麗に黒板を消し、下駄箱の近くにある黒板消しクリーナーで僕はウィーーンってやっていた。
やってもやっても無限に粉が出てくる気がしてやめどきがわからない。
「ねえ、それの名前知ってる?」
「これ?黒板消しじゃないの?」
「違うよ」
「違うの?」
「ラーフル」
「ラーフル?」
「そうラーフル」
そう言って走って行ってしまった。
よく考えたら今のは誰だったんだ。
一年生の顔ならなんとなく把握してるし、あんな子はいなかったと思う。
だって、明るめの髪の毛茶髪だったしうちの学校は染めるの禁止だしな。
でも可愛いかったな。
疑問を抱えながら席に着いた。
ホームルームが始まると先生が重大発表をすると言った。
「今日からうちのクラスに転校生が来ます。」
おおおおおおおお!
ザワザワザワザワ!
クラスがわいている。
「はーい、静かに。じゃあ、入ってもらうねー」
ガラガラガラ。
転校生が入ってきた。
サラサラで真っ直ぐな長い髪を靡かせながら登場した彼女に、僕だけでなくクラスのみんなが釘付けになっただろう。
扇風機までが彼女の登場を盛り上げるが如く、彼女の髪を靡かせていた。
つづく
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