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僕の青春(仮)  作者: しらたま
第三章 僕の夏休み
17/55

第十七話 ピンチなのかチャンスなのかわからない。

ミーンミンミンミンミンミンミンミン・・・。

今日は練習試合で他校に遠征に来ていた。

7回裏1アウト2,3塁。1-2で負けている。

中学野球は7回が最終回。つまりこの回に逆転できなければ負けてしまう。

負けられない、なぜなら明日の練習の入りの時間が早くなるからだ。

これだけはチームの総意であると僕は信じている。

とは言うものの、僕たち一年はベンチで応援をしている。


ここで二つの誤算が発生した。

一つ目は代打で次に僕が出ることになったこと。これはまだいい。

二つ目は偶然にも僕の学校のバスケ部も同じ会場で練習試合があるらしく、試合が先に終わってバスケ部が観ているということ。これが意味することは姫川さんと今泉さんが観ている可能性があるとうこと。

もちろん、バスケ部が来ていたことなんて知らなかった。

僕の前のバッターが打てば気が楽だったんだが、初級でフライをあげアウト。


これにはスミスもキレる。


「たわけ!せめて転がせ!」


転がせとはゴロのことで、ゴロだと場合によっては点が入ることもある。

心の準備をする間もなく、出番が回ってきた。

ピンチなのかチャンスなのかわからない。僕はこんなことばっかりだ。

状況を整理しよう。7回裏2アウト2,3塁。1-2で負けている。

僕がヒットさえ打てば、ランナー1人は確実に帰ってくるだろう。

なんなら四球でもいい。


「あれ梵じゃない?」

「うわほんとだ!今ってどんな状況?」

「確か中学は7回までだから最終回じゃん、しかも負けてるから打てばサヨナラ!アツッ!」

「へーゆかち詳しいね」

「パパが少年野球のコーチやってるんだよね」

「そうなんだ!すご」

「全然よ、ただの野球好きおじさん」


うわー姫川さんと今泉さんめっちゃ喋ってる。

僕がバッターってことバレてるかな?流石にバレるよね。


バッターボックスに入る。

いつもはルーティーン的な感じでホームベースの角をバットでコンコンするのだが、変な緊張のせいで忘れた。

やばい、集中力が足りない。

バットを構える。


ドスン!


初級は内角高めのストレートでストライク。

僕は内角のストレートが苦手だ。詰まってしまうことが多い。内角は捨てよう。

続くボールは真ん中甘めのカーブ。すかさず狙いに行った。


カーーーン!

ジャストミート!!


がファール。


「おっしいーー」

「今のはダメなの?」

「ファールだね」


今泉と姫川が話している。

今のボールを打ち損じたのは流石にやばいか、もう2ストライクだし。

考える間もなく相手ピッチャーが放り込んでくる。


ドスン!


「ボール!」


あぶない。外角低めのカーブだ。見逃したというか手が出なかっただけだ。

カウントは2ストライク1ボール。

次だな、決めにくるのは。おそらく内角に速球がくる気がする。

僕は内角を打ちやすくするために一歩外側に立った。

ピッチャーが投げた。

予想通り内角速球!一歩ズレたぶん実質真ん中だ!


カーーン!!!


ジャストミート!!


「アウト!!」


一瞬だった。打ってからまだ一歩しか進んでいない。

サードライナーでアウト。試合終了。


「あーーー惜しい!」

「何?負け?」

「うんアウトになっちゃった。いい当たりだったんだけどね」


今泉と姫川含むバスケ部が話しながらスタンドを後にする。


解散後。電車の中でも引きずっている僕。

結局明日の練習は朝からかー。

そっちかいと、いう感じだが意外と真っ先に考えたのは練習の入り時間だった。

まあ明後日がオフなので明日さえ乗り越えれば良いのだ。


帰宅し、食事と風呂を済ませ、いつものようにベッドに倒れ込んだ。

ピロロン!

ラインがなった。


つづく

ここまで読んでいただきありがとうございます。

少しずつ読んでいただける人が増えてきて嬉しいです。

今後もよろしくお願いします。


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